聖騎士ルビンさん
市瀬摩耶。
父が学園の理事長をしているため、自分のレベルにあった高等学校への進学を諦めることになった女子である。
色々と大人の事情が絡んでいた事もあり、両親の説得もあって学園に入学を決めていた。
ただ、その穴埋めのために塾や習い事と、学園が終わっても予定がギッシリと詰まっていた。
そんな彼女の自由時間と言えば、朝五時から七時――。
四時に起きてシャワーを浴びて、学園に登校する準備を済ませると部屋着のままVRマシンを起動してヘッドセットを着用する。
横になるとタイマーが起動して、ゲーム開始までの時間を表示していた。
「……今日はどこに行くのかな」
両親が満足するほどの才能を持っていた。勉強もスポーツにも高い才能を持ち、そして両親の言う通りに生きてきた。
そんな暮らしを続けてきた摩耶だが、最近は不満を持っていた。
言われた通りに入学した学園のレベルが低かったのも不満だが、それ以上に周りが距離を置くのが嫌だった。
自分たちとは違うエリートだから、お嬢様だから……学園で浮いているのを自分でも理解している。
人気のあるVRMMOへの興味も、元は現実逃避からである。
知らない自分になって才能も出身も関係ない世界で、楽しく過ごしたい。それが摩耶の思いだった。
「……そうだった。装備を揃えないと」
有料コンテンツの一覧を開き、今のレベルで使用可能な課金装備やアイテムの一覧を確認する。
ほとんどの課金装備が、二回から三回のログインで壊れてしまうのだ。その度に課金をして装備を調えていた。
それというのも、摩耶はお金持ちである。金で解決するのなら、金で解決しても良いと考えていたのだ。
しかも、出費は彼女にしてみれば驚くほどに少ない。
「デザインは赤で派手なのが良いかな……ふふっ、ポン助がまた文句を言いそう」
アバターの装備を課金にて揃え終わると、時間が来る。
「さて、ここからは私はアルフィー……」
摩耶の意識は、仮想世界へと向かった。
◇
そこは希望の都の広場。
巨大な噴水が中央にあり、その周囲には大きな半透明の掲示板が囲むように配置されていた。
周囲では何万というプレイヤーがログインをしてきて、辺りを見回し、急いで移動を開始している。
巨体であるオークのポン助もログインすると、辺りを見回した。
「え~と……あぁ、ここか」
周囲に浮んだ半透明の地図を見ながら、自分の現在値を確認すると移動を開始する。
普段から遊ぶ仲間がいれば、待ち合わせ場所などだいたい決めているものだ。ポン助も待ち合わせ場所に向かっていた。
「今日はどうするかな。あの二人、仲が良いようで意見とかすぐに割れるし」
ブツブツと文句を言いながら歩いていると、マンモスの毛皮で作ったベストを引っ張られる。
振り返るとアルフィーがそこにいた。
「おはようございます、ポン助。どうです、レベルが十を超えているので新しい課金装備を購入してみました」
赤いドレスを披露するアルフィーに対して、ポン助は辛辣だった。
「デザインが前と一緒だし、性能もたいして変わってなくない? というか、課金を止めなよ。僕たちに必要ないし」
アルフィーが頬を膨らませた。
「女性が服を自慢していたら、少しは褒めるものですよ。というか、普通の装備はどれもデザインが同じですからね。着るなら良い物を着たいです」
一般プレイヤーの装備には確かに個性もあるが、どれも同じに見えるとアルフィーは言うのだ。
ポン助からすればどうでもいい事である。
「別に没個性でも良いじゃない。なんならデザインを変えて貰えば良いし」
だが、それもアルフィーは拒否する。
「なんというか、好みのデザイナーがいないんですよね。せっかく体感型のゲームなのですから、性能だけではなくデザイン性も考慮するプレイヤーが多くても良い気がします。そういう人がいればいいんですけど」
ゲームを始めて間もないプレイヤーの意見としては、贅沢すぎる意見であった。
「ならいっそ自分で作れば?」
アルフィーが渋い顔になった。
アルフィー……【摩耶】には、デザインというか芸術の才能がない。正確には作るという作業が苦手である。
実際、そちらの才能は並であり、本人としてはそれが許せないらしい。
「才能がないんですよ。だから困っているんです」
頬を膨らませるアルフィーを見ながら、ポン助は思った。
(最初の頃よりも表情が出ているし、なんだか打ち解けた感じがあるな。……オッサンも日々、女性キャラというものを学んでいるという訳か。凄いな、現実でまったく役に立たないのに)
美少女アバターだからといって、中身が美少女とは限らない。
ルークの教えを信じているポン助は、ある意味で非常に純粋だった。
「それより今日はどうします? 前は新しい場所に行こうとか話していましたけど」
アルフィーがワクワクしながらポン助を見上げてくる。
上目遣いでキラキラした表情の美少女を前に、ポン助は腕組みをして真剣に考えていた。
「マリエラさんが生産職を取りたい、って言うからそっちを優先? それと、いい加減にあと一人は仲間を探さないと駄目でしょ。出来れば魔法使いが良いんだよね。僧侶とかでも良いんだけど」
アルフィーが両手を広げた。
「おぉ、新しい仲間! いったいどんな人なんでしょうね!」
嬉しそうなアルフィーに対して、ポン助は冷めていた。
「あんまり期待しない方がいいよ。ルークもそう言っていたし」
◇
「どう?」
そこはいくつものキッチンが並んだ場所だった。
ステンレス製のキッチンが並び、他にもプレイヤーたちが来ては食材などを消費して料理に励んでいた。
赤い髪を後ろで束ね、エプロン姿のマリエラを前にしてポン助もアルフィーも出された料理を口に運ぶ。
ポン助は取りあえず食べてみたが……。
「まずい」
アルフィーに至っては、口元を押さえてはき出せないために涙目になっていた。
「こんな酷い料理を出すくらい、私たちの事が嫌いだったのですね。マリエラ、何かあれば言ってくれれば良いのに」
正直な二人を前にして、マリエラがその場にあった包丁を持って震えていた。
「あんたら、少しは優しい言葉をかけなさいよね! せっかく料理人の職業を取って初めての料理だったのに……」
生産職。
ゲーム内では戦闘職とは違い、スキルの獲得にも職業レベルを上げるにも一定の経験値が必要であった。
簡単に言えば、レベルを上げてポイントを分配してレベルを上げられない。ゲーム中で料理を作成、そして成功を積み重ねていく事でスキルの上昇や獲得、そして職業レベルが上がっていくのだ。
アルフィーがマリエラを慰める。残った料理をアイテムボックスに放り込みながら。
「取りあえず、何事も経験です。美味しい料理が出来るようになってから、試食に呼んでくださいね」
マリエラが眉間に皺を寄せた。
「あんた、それは出直してこい、って言っているのと変わらないからね? ねぇ、ポン助からも何か言ってやってよ。この似非お嬢様を叱ってあげて」
マリエラがそう言ってポン助に甘えた。
だが、ポン助の対応はいつも同じだ。
二人に対して常にガチである。
「不味い時は不味い、って言ってやるのも優しさだってネットに書いてあったよ」
そんなポン助に、マリエラは怒って皿を投げつける。
だが、ポン助はそれを華麗に――とまではいかなくとも、キャッチしてマリエラを煽るように笑っていた。
アルフィーも拍手をしていた。
マリエラが宣言する。
「上等よ! こうなれば、絶対に美味い、って言わせてやるんだからね。それはそうと、材料がなくなったから買い出しに行かないと」
ポン助が首を横に振った。
料理として出せるようになるまで、マリエラは失敗を繰り返して山のように購入した食材を消費してしまっていたのだ。
「残念でした。もう資金がありません。一緒に外に出てモンスターと戦おうぜ」
ポン助がそう言うと、アルフィーも続く。
「戦おうぜ! というか、マリエラさんはそっちの方が似合っていますよ」
マリエラがアルフィーの両肩を掴み、警告が出るくらいに強く握りしめた。
「あんた、絶対に私のことが嫌いだろ!」
◇
次の日。
掲示板の前で前もって調べていた勧誘の書き込み方を実践したポン助は、誰かプレイヤーが来ないかと待っていた。
広場にあるベンチに三人座り、アルフィーとマリエラを両手に花の状態だ。
オークを中心に美少女が両脇に座っている光景は、なんともゲームならではの光景だった。
「そう言えば、前に勧誘したときは失敗だったわね」
マリエラが思い出すように呟くと、アルフィーは首を横に振る。
「新しい出会いを前に、過去を思い出してはいけません。私はもう忘れました」
アルフィーの中で、前に募集したプレイヤーは既になかった事になっているらしい。
ポン助も出来れば忘れたかった。
(まぁ、色んな人がいるからね)
ほとんど初期装備でやってきて、そのまま遠くから見ているだけ。戻ってくると報酬だけ受け取って解散。
その間、一切の会話がなかったプレイヤーもいた。
ポン助が今回は大丈夫だと二人に説明する。
「前回と同じような事にならないために、今回は色々と調べてきたんですよ。書き込みのやり方とか、募集するタイミングとか」
募集をするのなら、ログインしてくるプレイヤーが多いゲーム内の朝方が一番だ。
取りあえずログインはしたが、その日は誰とも都合がつかないで困っているプレイヤーは一定数が存在していた。
前衛で戦うプレイヤーでも、ソロでやるには不安もある。
後衛の魔法使いなど、一人で外に出てモンスターと戦うなど自殺行為だ。
そのため、臨時でパーティーを募集する事は多い。
そうでなくとも、新しくゲームを始めた新人もいるかも知れない。そうした場合は声をかけ、教えるついでに普段から一緒に遊べる仲間にするのも手ではあった。
すると、掲示板の書き込みを見たのか、プレイヤーがやってきた。
「どうも。募集を見て来ました。聖騎士のルビンですっ!」
見れば初期装備に街で買った装備が加わっただけのアバターだった。
顔立ちはどこかで見た事があるような気がしていると、マリエラが心当たりがあるようだった。
「あれ、その顔って俳優の――」
男性アバターのルビンは、茶髪で短髪を逆立てあご髭を持っていた。
「あ、分かっちゃう? 分かっちゃうかぁ……そう! 人気俳優の顔をおかりしましたっ! どう? どう!」
ポン助は取りあえず仲間を募集する書き込みを消して、ルビンと話をした。
「あの、ルビンさん……聖騎士というのは?」
ルビンはポン助を見て顔を押さえ笑っていた。
「オーク! なんでオーク! もう、ネタに走りすぎ、っしょ! あ、聖騎士? ほら、攻略組みとかで多い、って聞くし、恰好いいから気分は聖騎士、みたいな?」
話しているだけなのに、文章にすれば常に後ろに【(笑)】や【w】などの笑いを示す文字が無駄に入っていそうなしゃべり方であった。
アルフィーが少し残念そうにしていた。
「前衛ですか。出来れば後衛が良かったんですけどね……ッ!」
マリエラが笑顔でアルフィーの脇腹に肘を当てていた。
ポン助が早速、四人で外に出て戦う事を提案する。
「なら、すぐに外に出て戦ってみます? えっと、ルビンさんは買い物は大丈夫ですか?」
ルビンは両手を広げ、その後に武器を抜いて振り回してみせる。
デタラメに振り回しており、周囲のプレイヤーたちがヒソヒソと話をしていた。
ロングソードを肩に担ぎ、ルビンは言うのだ。
「俺の準備はいつでもオッケー! 俺の剣技に見惚れるなよ」
マリエラがアルフィーの背中に隠れ、口元とお腹を押さえ小刻みに震えている。
(……凄いの来ちゃったな)
ポン助は広場で武器を抜かないようにルビンに注意をしつつ、そのまま外へと向かうのだった。
◇
草原に出た四人は、手頃なモンスターを発見すると戦闘に入る。
前衛三人。
後衛一人というパーティーで、ゴブリン三体との戦闘だった。
相手は槍、盾とメイス、そして杖を持っている。
一体は魔法使いであり、どのタイプか分からないので早い内に叩いておきたかった。
「杖を持っている奴を狙います。俺とアルフィーさんで前衛の二体を引き付けて、マリエラさんとルビンさんで――って!」
ポン助が指示を出そうとすると、ルビンが駆けだしていた。
「ヒャッホー! 俺の剣を受けてみろ!」
ロングソードを振り回すルビンは、槍を持ったゴブリンに向かっていた。慌ててポン助は指示を変更する。
「マリエラさんとアルフィーさんで魔法使いのゴブリンを! 残りは僕の方で――って!」
だが、デタラメに動いているルビンは、近付いたからと盾を持ったゴブリンにまで攻撃を開始していた。
「それっ! それそれ!」
動きが悪い上にダメージ判定が非常に悪い。あのままでは囲まれて殺されてしまうと、急いでポン助が盾を持ったゴブリンをシールドで殴りつけ吹き飛ばした。
すると、ルビンが渋い表情になる。
「ちょっと、邪魔しないでくれる? これからいいところなんだからさ」
そう言って再びロングソードを振り回すルビンを見ながら、ポン助は唖然としていた。
すると――。
「アフュッ!」
槍でルビンは腹を攻撃され、しかもそれがクリティカル判定を受けている。
「いっけね」
やっちゃった、という顔をしているルビンを置いて、取りあえずポン助は盾を持つゴブリンの相手に取りかかった。
「ルビンさん、体力が心配なら下がって回復を――」
「え? 俺って回復アイテム持ってないんだけど? あ、誰か分けてくれない?」
戦闘中にそんな事を言い出すルビンに、ポン助は大慌てで回復薬を渡してその場を凌いだ。
アルフィーが杖を持ったゴブリンを斬り裂き、そして赤い粒子の光に変えるとポン助のフォローに回る。
「こっちは倒し終わった。すぐに残りの二体を――」
すると、女性が近付いたことでテンションが上がったのか、ルビンが左手をゴブリンに向けた。
「なら、俺のとっておきを見せちゃうよ。いくぜ……ライトニング・サン!」
左手から放たれたのは、魔法使いなら初期から扱える魔法……マナボルトという、ただの初歩の魔法だった。
威力はプレイヤーのステータスや、当たった場所にて判定が変わってくる。だが、前衛職のルビンが魔法を扱ったとしても……。
「って、こいつ生きてる!? おかしいな、前のゴブリンは一撃だったんだけどなぁ……」
考え込むルビンに、マリエラが叫んだ。
「モンスターの前で止まるな! って、あぁぁぁ!!」
たいしたダメージもなかったゴブリンは、メイスをルビンの頭部に叩き付けクリティカル判定を出していた。
ポン助は心の中で、
(ゴブリングッジョブ!)
そう思っていた。
◇
草原から戻ってきたポン助たちは、広場でルビンを囲んで説明をしていた。
「ルビンさん、あそこのモンスターはどれもレベルが十を超えているんです。その辺のゴブリンより手強いんで、しっかり準備をしていないと戦えませんよ。もしかして、その装備って強化前ですか?」
アルフィーもルビンの迷惑行動に困っていたのか、説明に加わってきた。
「それに回復アイテムを持たないで人に毎回借りるのはどうかと思いますよ」
すると、ルビンが頭をかく。悪びれた様子がない。
「課金装備で揃えているのにケチな奴だな。持っている奴が使えば良くね?」
マリエラもイライラしている。
「人の射線の前に出るな、って何度言えば分かるのよ。というか、あんたのフォローをしていたせいで、まったく稼げなかったじゃない」
資金を貯めて食材を買い揃え、料理人のレベルを上げたいマリエラにしてみれば、ルビンと一緒に行動しても旨味がない。
それこそ、普段の三人での行動の方が、はるかに稼げていた。
「つ~か、なに? 俺が悪いの? なんかこのパーティー気分悪いわ。もっといいパーティーだと思ったのにさ。というか、装備が悪いと思えば仲間で揃えてくれるものじゃないの? 本当に気が利かないわ」
図々しい上に、人気俳優の顔をしているために関係ない本人にまで苛立ちを覚えそうになる三人。
結局、ルビンとはそこで別れることになった。
アルフィーが頭を抱える。
「またあんなプレイヤーのせいで一日を無駄にしてしまった。……ポン助、自信満々だったのにこれはどういう事ですか?」
マリエラもポン助をジト目で見ている。
「え、僕のせい?」
◇
現実世界。
朝のことを思い出しながら、明人は陸に話をした。
内容はルビンのことであり、なかなか良い仲間が集まらないという愚痴のようなものである。
だが、陸はその話を聞いて目を見開いた。
「お前、まさかルビンさんに会ったのか! なんて羨ましいんだ」
「え? ルビンさん?」
明人が困惑していると、陸がタブレット端末で動画を見せてくれた。そこには、ルビンではなく他のプレイヤーが投稿した動画があった。
だが、全てルビンの事を晒している動画である。
「実は結構人気なんだぜ。あの喋りと行動だろ? 見ている分には楽しいからな。おっと、早速新しい動画が……ぶっ!」
「え? って、これ!」
陸が噴き出し、明人が驚いた動画には明人たちも動画に晒されていた。主に映像はルビンを追っているのだが、味方であるはずのポン助をためらいなく後ろから斬りつけているルビンの姿が動画で流れていた。
明人が苛立つ。
「あの野郎……後ろから攻撃したのはわざとじゃないとか言っていた癖に!」
陸が笑いすぎて涙を流している。
「まさかもう動画がアップされているとは思わなかったな。おい、コメントも沢山書き込まれているぜ」
見れば、動画には沢山のコメントがついていた。
『あのオーク、人が良すぎ。斬られたのに許してるぜ。俺なら殴ってる!』
『流石は兄弟。良い斬られっぷりだ』
『おい、オークやルビンさんよりも、時々出てくる可愛い子を映してくれ!』
『馬鹿、どうせ中身はオッサンだって』
『それでもいいんだよ! 何言ってんだよ、お前?』
『くそっ、あいつが羨ましい……俺も背中をあんな風に斬られたい』
『おい、さっきからおかしいコメントが混じってない?』
『問題ない。おかしくないコメントの方が少ないからな』
『あのオークに捕えられた二人の美少女とか思うと想像がはかどるな』
『馬鹿野郎! 今の主流はオークが飼われる側だ! あの二人に夜な夜な搾り取られて……ふぅ』
『でも中身はオッサンなんだろ? 下手すると三人ともオッサンで……』
『……夢のない事を言うんじゃない』
『もしかしたら、ルビンさんもオッサンで四人ともオッサン……』
明人はいくつかのコメントを見て、神殿で出会ったあのオークの集団を思い出した。
そして、自分たちが晒されたことに少し戸惑うのだった。
「……オマケで晒されるとか勘弁してくれよ」
陸は楽しそうである。
「俺は楽しかったから良いけどな。それで、実際にルビンってどんな奴? 本当に聖騎士とか名乗ってるの?」
ワクワクと聞いてくる陸に対して、明人は包み隠さず全てを話すのだった。