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アバター

 恋の秘薬。


 クエスト一覧からその依頼が消えた日から、ゲーム内外でちょっとした騒ぎになっていた。


 序盤での資金稼ぎの定番の一つが急に消え去り、困ったプレイヤーがネットなどに書き込みをしたのがきっかけだった。


 そんな騒ぎに関係のあるというか、当事者である明人は頭を抱えている。


 教室内には生徒が五人。


 明人の近くにはタブレットを持った陸がいて、パンドラの箱庭に関するネットの情報を集め明人に報告してくる。


「恋の秘薬がクエスト一覧から削除されたのは、その内容から規制の対象になったと内部事情に詳しいプレイヤーが物知り顔で書き込んでいるな。他にも実は恋の秘薬に変わるクエストを用意しようとしているとか、内容が酷いから修正が入るとか……なんてことをしてくれたんだね、ポン助君」


 ニヤニヤしている陸を前に、顔を上げた明人は言い訳を始めた。


 元から問題を起こすつもりなどなかった上に、ここまでの騒ぎになるとは思っていなかったのだ。


「僕は途中でクエストのリタイヤを決めただけだ。他の二人も悲しそうな顔をしていたし……中身オッサンでも、外見が美少女だとなんか狂うんだよね」


 すると、陸が首を傾げた。


 明人からすれば疑うようなことを聞いてくる。


「なんだ、あの二人ってやっぱりネカマだったの? まぁ、でも人それぞれだからどうでもいいけどさ。なんていうか、俺から見たら自然体だったから意外かな」


 それを聞いて明人の方が唖然とする。


「だって! 陸があの時に中身がオッサンだって!」


 陸は腕組みをして、ゲーム初日に案内をしたことを思い出していた。


 しばらく考えて思い至ったのだが、溜息を吐いて明人を冷めた目で見ている。


「お前さぁ、別に男が女のアバターを使っても良いだろうに。俺の仲間内にもいるし、別に不思議でも何でもないぞ」


 明人が慌てながら陸にたずねた。


「そ、そういうものなの? だって、VRゲームは体感ゲームだから、性別変更はあまりお進めしないって噂が――」


 陸は冷静に噂について話をする。


「噂だよ。噂。確かに影響がないとも言い切れないけど、別に運営も注意するだけで規制してないじゃないか。大体、その話からいくとオークも駄目になるだろ。明らかに人間の体じゃないんだ」


 アバターを作る際に一応の注意事項として、説明がされる程度だった。


 それを守っているプレイヤーがどれだけいるのだろう。


「確かに、オークの体でも違和感はないけど……いや、視界が高くなる感じは……でも……」


 明人が考え込んでいると、陸は呆れながらも説明してくる。


「大体だ。あの二人がお前に迷惑をかけたのか? いや、ごめん。多少は迷惑をかけているんだったな」


 二人の意見の調整役として、明人が苦労しているのを陸は思い出していた。


 だが、明人に言うのだ。


「たださ、別に女性キャラで寄生している訳でもないだろ? 一緒に戦って、一緒に遊んで……それだけじゃないか。別に女とか関係ないし。男女関係をゲーム内に持ち込むな、この出会い厨め」


「いや! 外見は女の子なのに、中身が男だったら対応に困るときがあるだろ!」


 体感型だからこその悩みでもある。実際に目の前にいる女性が、実は男である――画面の向こうの話ならそれでもいいが、目の前の話になると慣れていないプレイヤーには判断に困るときがあった。


 陸は明人に言う。


「今のままでいいだろ。別に女の子扱いして欲しいわけでもなさそうだし。一緒にゲームを楽しむだけで良いじゃないか。それに、ゲーム内だから美形キャラなんて沢山いるだろ? 気にしてもしょうがないんだよ」


 ルビンのように人気男性俳優をモデルにしてアバターを作成する者もいれば、拘り抜いて自分で作り出すプレイヤーもいる。


 陸は明人に「アバターの作り方」などの書籍も出ていると話をした。


「もっと他のプレイヤーに絡めよ。お前ら三人で行動しすぎ……いや、そう考えると、あの二人とは今のままでいいわけだから相性は良いのか? 運が良かったな、明人」


 明人は少しだけ反省をする。


(ゲームを楽しむプレイヤーだから、別に男女は関係ない……か。でも、そうなるとどう接して良いのか分からないんだよな)


 悩んでいると陸がアドバイスをしてくる。


「別に中身が男です、って言ってこないなら今まで通りか女の友達を相手にするみたいに話せばいいんだよ。ただし、セクハラはするなよ」


「するかよ! ……あぁ、もういいや。二人にはこれまで通りで接するよ。確かに中身を気にしてもしょうがないし」


 ただ、この時に明人は思ったのだ。


(あのドMオークの集団の中身は気になるなぁ……)


 ――と。


 そして、明人は思い出す。


「そう言えば、なんか特に意味のなさそうなアイテムを拾ったんだけど」


 恋の秘薬のクエストで手に入れたアイテムは、結局ポン助が持つ事になっていた。


 陸はそれを聞いて、良い機会だからとあるプレイヤーを紹介すると言い出す。


「資金稼ぎの手助けくらいにはなるはずだ。俺も顔を出すから、取りあえず明日の五時にログインしたら広場で待っていてくれ」



 ゲーム内。


 ログインして広場で待っていたポン助たち三人のところに、一人のプレイヤーを連れたルークがやってきた。


 以前と装備は似ていたが、どれも明らかに希望の都では見られない装備だ。


 そして、連れてきたプレイヤーはフード付の腰までのローブを装備している。ヒューマンかエルフかも分からないアバターで、顔も影に隠れて見えなかった。


「おっす~」


 ルークが手を上げて近付いてくると、ポン助も手を上げた。


 だが、視線はローブの男に向けられている。


 アルフィーも気になっている様子だ。


「いったい誰なんです?」


 マリエラはルークに確認を取る。


「ねぇ、明らかに怪しいんだけど? もしかして前のトッププレイヤー?」


 ルークは首を横に振って説明しようとすると、ローブの男が前に出た。


「まだ始めて間もないなら知らないかな? 情報屋をやっているんだ。このローブは相手に情報を与えないためのアイテムだよ。トッププレイヤーたちも使っているけどね」


 容姿、そして種族に装備などの情報を与えないためのローブを着ている情報屋は近くのベンチに座った。


 マリエラは情報屋と聞いて不思議に思ったらしい。


「そういうプレイスタイルなの? なんていうのか、楽しいのかな?」


 ルークが注意をする。


「人それぞれだからね。あんまり突っ込んだ話はNGだよ」


 情報屋は手を振った。


「別に良いよ。普段はそれなりにゲームを楽しんでいるし、情報屋は裏の顔、って感じかな。昔見た映画に憧れて始めたんだけど、以外に向いていたみたいなんだ。それに、このゲーム内の情報を集めるというのも意外と面白い」


 情報屋はパンドラの箱庭――ゲーム内で情報を扱う内に世界観が気に入ったらしい。


 設定には載っていない作り込まれた世界の情報を集めるのが、大好きなようだった。


 ルークが肩をすくめた。


「恋の秘薬に関して、直接聞き出したいそうだ。情報料は支払うらしいから、三人の知っている事を話してくれないか」


 ポン助はアルフィーとマリエラの顔を見て、二人が頷いたので話をする。


「えっと、最初は資金稼ぎのためにクエストを受けたんですけど――」


 寄り添う可愛らしいモンスターを見てクエストを断念したこと。


 だが、クエストは成功して報酬が支払われたこと。


 最後に、ポン助はアイテムボックスから【優しき心】を取り出し情報屋に見せた。


 情報屋は自分の感想を口にする。


「最初から予定されていたのか、何かのクエストが発生するためのキークエストか……その割には、手に入ったアイテムがキーアイテムになっていない。解析してもただのゴミアイテムだが……クリアの記念アイテムか? クエストをリタイヤして報酬が支払われたのも聞かない話だな」


 ポン助たちの話を聞いて色々と考え込む情報屋は、ポン助に十数万という資金を渡すことに決めた。


「こんなに!?」


 情報屋が肩をすくめつつ、石をポン助に返す。


「メインのストーリーには関係ないが、それなりに有益だと思ったからな。クエストの途中放棄でクエストのクリアが出来た、というのは面白い。検証してみる価値がある。それと、少しばかり色をつけた。今後ともよろしく、という意味でね」


 情報屋が言うには、ポン助たちとも今後何かあれば取引をしたいという事らしい。


 アルフィーが疑った目を向ける。


「私たちはプレイヤーとしてまだ駆け出しもいいところですよ? そちらにメリットがあるようには思えませんね」


 情報屋が笑った。


「考え方次第だよ。俺の知り合いの多くが違う世界に多い。希望の都を拠点にしているプレイヤーに知り合いがいてもいいだろ? ここで何か動きがあればすぐに調べる事が出来るからね。ついでにだが……君はルークと同じ感じがする」


 言われてルークが苦笑いをしていた。


 ポン助を見た情報屋は、頷いていた。


「時々いるんだよ。やたら新鮮というか重要な情報を持ち込むプレイヤーがね。彼らはゲームの新しい側面を高い頻度で見つけてくれる。君――ポン助もそんなプレイヤーだと思うよ」


 マリエラがポン助を見た。


「嘘、ポン助って実は凄いオーク?」


 アルフィーは肩をすくめていた。


「ダンスは未だに駄目駄目ですけどね」


 ポン助が言い返した。


「アルフィーと違って才能がないんだよ! 頑張っているんだからいいだろうが!」


 すると、アルフィーもマリエラも少し驚いた顔をした。今まで「さん」付けだったのが、名前を呼ぶときに取れていたのだ。


 マリエラがポン助のマンモスベストを右手で引っ張る。


 その光景を見て、情報屋が困惑しながらルークを見ていた。


 ルークは少し安心したように小さく笑う。


「まぁ、パーティーとして仕上がってきた、ってところですよ」


 情報屋が頷くのだった。


「あぁ、そういう。理解したよ。そうだ」


 情報屋がポン助を見てある提案をするのだった。



 ルークと情報屋と別れ、草原に出たポン助は赤色のゴブリンと向き合っていた。


 ゴブリンの中では強い部類であり、ゴブリン・ウォーリアというモンスターである。


 鉄の兜と盾を持ち、右手には無骨な剣を持っていた。


「キシャァァァ!」


 不揃いな牙が生えた口から涎を飛ばし、跳びかかってくるゴブリンの一撃をポン助は左手のバックラーで受け止める。


 そのまま押し返すと、右手の片手剣をゴブリンの顔目がけて突き出した。


 頭部は鉄兜があり、胴体部分は盾で守られていたので攻撃するならそこしかなかった。


 だが、片手剣が突き刺さるとゴブリンは赤い粒子の光になり霧散していく。


 ゴブリンがいた場所には【Critical】という文字が浮んでおり、カウンターというスキルが成功したことを示していた。


 それを近くで見ていたマリエラが近付いてポン助の背中を叩いた。


「やったじゃないの、ポン助!」


 アルフィーも剣をしまって近付いてくる。


「初めてカウンターが成功しましたね。おめでとうございます」


 しかし、成功したのにどこかポン助の気分は落ち込んでいた。


「……うん」


 成功するには成功したが、周りに他の敵がいない状況である程度は予想した敵の攻撃が来たからだ。


 何度もタイミングをはずし、そして成功したのも偶然に近かった。


 カウンターというスキルの熟練度が、成功した事で少しだけバーに色をつけている。バーが色で塗りつぶされれば、スキルの熟練度が上がるのだ。


 スキルレベルとは別に、熟練度が上がれば威力などが上がるようになっている。


 マリエラが腰に手を当て、周囲を見ながら口を開いた。


「しかしアレよね。アバターを作り直さないでくれ、っていうお願いには驚いたわね」


 アルフィーもクスクスと笑っていた。


「せっかく、カウンターが成功したら作り直すと言っていたのに残念ですね。あ、やっぱり作り直します?」


 ポン助は武器をしまってその場で考え込む。


(くそっ、どうしたらいいんだ!)


 実は情報屋に頼まれた事が関係している。


 彼曰く。


『特別なプレイヤー……まぁ、選ばれた存在【セレクター】と俺たちは言っているんだけど、セレクターの中にオークがいないんだ。パンドラは種族的な要素が皆無とも言い難いからオークのままプレイを続けて欲しい。まぁ、こちらが提案できるのはオークが関係する情報を優先的に流す、あるいはオークに関しての情報を高値で買い取る、ってくらいしか出来ないけどね』


 ネタ種族と言われているオークだが、そのためにゲーム全体での数が少ない。


 そして、情報屋の言うセレクターとなると、オーク種を使っているプレイヤーは皆無だったのだ。


 しかも、ルークまで賛成していた。


『そうだな。せっかくエリアボスを倒したアバターを消せば、貰った職業ポイントやスキルポイントもなくなるからな。消すには勿体ないぞ。それに、二人との友好度ももう結構な数字だろ?』


 アルフィーとマリエラ。


 二人との友好度も【五十】を超えており、ここから上がりにくくなるらしいがコンボも決めやすくなっている。


 アバターを作り直すには勿体ない要素も多かった。


 そして……。


『そうだ。しばらく作り直さないでくれるなら、オークにとって有益な情報を無料で提供しよう。実はオーク種の強化的なクエストがあってね。隠し要素になっているんだが……どうかな?』


 情報屋の言葉に、ルークも続いていた。


『勿体ない、って。作り直してもどうせ美形キャラだろ? その辺に一杯いるんだし、もっと個性ある今の姿が一番だって』


 自分はそう言いながら美形キャラを使っているルーク。


 説得力はないが、情報屋に言いくるめられポン助はしばらくオークのままプレイを続ける事にしたのだ。


「……なんだろう? このままなし崩し的にオークでプレイするような気がしてきた」


 マリエラもアルフィーも大喜びである。


「いいじゃない。というか、今更ポン助が美形キャラになっても困るわ。反応に困るのよね」


「ポン助はポン助ですからね。オークのままが一番です」


 二人の言葉にポン助が悩む。


「それ褒めているの? はぁ……でも、なんだかこのままでも良い気がしてきた」


 この先、女神パンドラの加護を受けられないというデメリットが出てくるときいていた。


 だが、それを補って余りある頼りになるステータス。


 それにオークには他にはないメリットもまだ数多く存在しているのを、ポン助は情報屋から聞くことが出来た。


(意外とネタ種族じゃないのかも知れないな)



 マリエラ――八雲は普段通り七時に目を覚ました。


 ヘッドセットを外して立ち上がり背伸びをすると、机の上に置いてある端末に手を伸ばす。


 スマホをチェックしてメールなどのチェックを終えると、PCに触れて待機状態から起動させた。


 すると、デスクトップの背景にはゲーム内の光景と三人のプレイヤーが設定されている。


 写真を撮ろうと言ってゲーム内、三人を撮影したものだ。


 オークであるポン助を中心に、両脇をマリエラとアルフィーが腕を組んでいる。困った顔をしているポン助の顔が八雲はおかしかった。


「ようやく「さん」付けじゃなくなったわ」


 そう言ってメールなどのチェックを終えると、PCを待機状態にする。


 着替えて登校する準備に入った。



 起きたポン助――明人は、ヘッドセットを外すと溜息を吐く。


「どうしよう。面白そうなクエストは教えて貰ったけど、いくらなんでも僕たちだけだと無理そうだし……」


 オーク種であれば強化されるクエストの存在を知ったのは良いが、問題はそのクエストをクリアするには手が足りないと言うことだ。


 最低でもパーティーを二つ。


 出来れば三つは用意した方が良いと言われている。


 難易度も高く、ヒーラー……回復役の存在も不可欠だった。


「……二人も乗り気だったし、そのための準備も手伝ってくれるとは言ってくれたけど」


 オークにとっては必要だが、ヒューマンやエルフには関係のないクエストだ。


 そう思えば、二人はやはり付き合いが良いのだろう。


 明人は悩みつつも、それを少しばかり楽しく感じていた。


「せっかくだし、しばらくこのままオークで続けてみようかな」


 小さく笑ってモニターの電源を入れると、朝のニュースをやっていた。


『今日はVR研究の第一人者である【大崎教授】にお越し頂きました。教授は昨今のVRゲームに警鐘を鳴らしておいででしたね』


 大崎教授と呼ばれた男性は、白髪交じりの髪をしており五十七歳という年齢より老けてみていた。


『はい。良く言われている若者たちの残虐性を育て、過去の悲惨な大戦の教訓を忘れるのではないかという不安はもちろんですが、むしろ私は特定のVRゲームに非常に危機感を持っております』


 ゲームのタイトルは言わないが、話を聞けば誰もが【パンドラの箱庭】に関して言及しているのは理解できる内容だった。


『とにかくリアルを追求するあまり、リアルを置いて理想を求めてしまっているんです。ゲーム内の食事で満足して、現実世界では栄養価のあるものを取ればいいという若者が私の生徒にもいます。まるで彼らにとって現実とはゲーム内の事になりつつある』


 しかし、眼鏡をかけたコメンテーターがその意見に反論した。


『それは極論じゃないですか? 面白いから夢中になっているだけでしょう。昔のオンラインゲームには生活の全てを捨ててまでプレイする若者がいたそうですよ。それを考えればはるかにマシでしょう』


 会場内の雰囲気もコメンテーターよりになっている。


 規制も増えるという話もあり、むしろ大事なのは残虐性を育てないか? という事であるとコメンテーターが語っていた。


 明人は思う。


「このコメンテーター……誰なんだろう?」


 テレビの情報に詳しくないのもあるが、何でも知っているような顔で話をしているコメンテーターの事を明人は知らなかった。


 モニターに声をかけて検索を行うと、どうやら元は芸人だったらしい。


 お笑いよりもコメンテーターとして最近では人気が出ているようだった。


 だが、一部ではコメントの内容が酷いと、ネットで叩かれている。


 興味もなく、明人はそのまま大崎教授やコメンテーターの声をBGMにして制服に着替える事にした。


『ですから! そういった表層の部分だけの問題ではないんです! 規制をすれば安心という訳では――』


『だったら全てのVRゲームが駄目になりますよね? 体感型のゲーム自体を否定しているわけですから。それに、VR技術の否定は社会への否定に繋がりますよ』


『全てを否定しているのでありません! 実際に社会で幅広く利用され、この技術なしでは成り立たないところまで来ているのも理解している。だかこそ、もっと慎重に――』


 準備が出来たので明人はモニターの電源を切る。


 暗くなった画面には、明人の顔が鏡のように映し出されていた。


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