第二十四話 悠斗視点
最後の試練が終わってさっきの種目で汚れたジャージで乗るのがいやなのかチャラい男の奴が公園の水道で必死になって汚れを落としていてもう1着のほうは男を背負って走り続けたせいか体力が落ちて公園で一休みしている結果現在1位となっている。
後は帰るだけだが会長が何か仕掛けくるのかもしれないと思うと周囲に目を配りすぐに対処しなければ…次に向かう場所は商店街の通りで八百屋、肉屋、魚店、雑貨店などが充実しているが最近はショッピングモールなどで客足は前よりも落ちているが少し前から2ヶ月に一回のお祭り(カラオケや大食い大会など)を開き客足を徐々に伸ばしたりしているようだ
「次は商店街だね」
「そうだが奏はここで買い物をしてるのか?」
「一般のスーパーマーケットよりこっちの商店街の方が僕は好きだね、安さとか食材の品質も大事だけどここの人達は優しいし雰囲気が好きだからね」
俺は自分で料理とかしないし買い物をするならショッピングモールとか通販で基本的に商店街は寄ろうとしないからな商店街にはいると真ん中の道がコーンで棒で塞がれていて周りで応援している人がいるがその中にも川神のカメラマンがいた
「おお~い! 奏ちゃ~ん!」
「あ! 悠君ちゃっと止まって!」
なぜと言いたかったが言う前に思わず足を止めてしまった。奏を呼んだ人は背は俺より低いがガタイのいい無精ひげのおじさんで魚店の店長のようだ
「こんにちは大槻さん」
「今日はいい鯵が入ってね~! 今は運動会?のようだから帰りに寄ってくるかい? 特別にキープしておくからよ」
「本当ですか? あ、ありがとうございます」
「いやいやいつもご贔屓して「おお~い! 奏ちゃ~ん!」
横から八百屋のおじさんが声を掛けてきてが奏が一度お辞儀をして八百屋のほうに向かう
「今日はね~ごぼうに山椒、長芋がおすすめでこの値段だけど、どうだい?今日寄ってくかい?」
「はい、夕方過ぎになるかもしれませんが寄っていきます」
「おお! じゃあ待ってるからね~!」
奏が戻ってきて再び背負うと八百屋と魚屋の店長がものすごい形相で睨んでくる…周りの人も奏を呼ぶ声が多くこいつがこの商店街で愛されてようだな
商店街を出ようとする直前にまた呼び止めれられた…今度は駄菓子屋のお婆さんだった
「こんにちは、お婆ちゃん」
「はいこんにちは、この前は貰ったお漬物とっても美味しかったよありがとうね」
「い、いえいえ! 料理のレシピを色々教えてもらったお礼ですから」
「ほっほっほっ、また教えてほしかったら何時でも来てもいいからね。それからこれ、このお兄さんやお友達と一緒に食べて」
そう言って袋を差し出してくれて中にはやっほ棒の10本が入ってある昔からある駄菓子屋の伝統的なお菓子で俺も子供のころ美佐と龍二と一緒に食べ合ってどの味が一番美味しいか検証、いや単に色んな味を食べたかっただけでその後に食べ過ぎて夕飯が食べきれなくなって母さんに叱られたっけ…なんだか懐かしいな
「で、でもお婆ちゃん今はその…運動会で悠君に負担が」
「奏が持てばいいだろう? 折角だし貰っておこう、ありがとう
ございますお婆さん」
「ん~? お前さんが悠君かい? 奏ちゃんから色々聞いてるよ」
「色々ってな「色々は色々だよ! ね、お婆ちゃん!」
「そうだねぇ、頼りになってお兄ちゃんみたいだって」
「うわぁ~! 一番聞かれてほしくないことを聞かれた~!」
お兄ちゃんってお前そんな風に見られてたのか俺は…でも別段悪い気はしないな
「まぁ何時でも甘えてくれてもいいぞ? お兄ちゃんだからな」ニヤニヤ
背中をバシバシと叩いてくるが照れ隠しなのは誰が見ても明確であえて顔は見ないようにしたがきっと赤くなっているだろう。
お婆さんとも別れて今のペースで行けばゴールまで後10分くらいで着くだろう
「ねぇ悠君、1つ質問したいけど笑わないで聞いてくれる?」
「何だ?」
「…恋と友情って何が違うの?なんで友達の好きと恋の好きが違うの?」
いきなり何の質問がくると思ったら感情についての質問か…前者は奏は分かっている思うが後者はいつか自分で気が付くものだと思うがな
「告白してくる人もさっき借り物競争の時もそうだけど、どうして話したこともない…その人の内面を知らないで好きって言えるのか分からないしから」
奏は今まで男だったし、いや…自分が恋をする状態じゃなかったから仕方ない事だと思うが今の奏は誰かに愛そうと思ってもそれがどんなことなのかも分からない
「奏は誰かに恋がしたいのか?」
「ううん、恋をしたいとは思ってないけどそれがどんなものなのか知りたいの」
その感情については人から聞くものじゃないと思うが…
「それは自分で体感しなきゃ分からないものだぞ? 例えば食べたことが無い料理を食べて感想を聞いて美味しかったって人もいれば不味かった人もいたり他にもいろんな感想が出たときに奏はそれ料理にどんな感想がいえる?」
「そ、それは…食べてみなきゃ分からないよ」
「それと同じだ。どんなことを聞かれてもそれは自分で体感しなきゃ分からないことだからな」
「う~ん…やっぱりそうなんだね」
奏も自分なりに考えても分からないったから俺に聞いたかが結局人から聞いても本質を知ることが出来なかったが俺から言えること1つだけだ
「俺の経験から言えば試しに交際してみるってことだけは止めておいた方がいいぞ…俺は後悔したからな」
「試しにって、確かそんな風に付き合ってみないかってって言われてことが合ったよ」
既に言われていたかと思ったが奏が恋が何なのかわからないって言ってたから言われて当然だったか
かなりしつこかったらしいが冬香が対処してくれたらしが告白現場に何時もついて来てるらしい。
しばらく会話が途切れたが俺が聞かれるかも
しれないと思っていたことを聞かれた。
「悠君は前に付き合って人がいたって聞いたけど、どうしてと別れちゃったの?」
いつか聞かれるかもしれないと思っていたが2人っきりだったのは好都合だあいつらに聞かれると暗い顔になるしな
「そうだな……アイツは俺にとって一番してほしくないひどいことをしてな…それを許せなかった」
でもアイツの本心を俺は知らなかったから
「最後は悪かったって謝ったくれたけどアイツはもう付き合うのは止めようって言ってな…それで別れたんだ」
「そうだったんだ…もう会ってないの?」
「行き先も連絡先も教えてくれずにどっかに行っちまった薄情な奴だよ、本当に…薄情な奴だ」
話してると校門まで着いて途中で抜かれてもいないしどうやら1位でゴール出来そうだ
「悠君…寂しくない?」
「…」
どうなんだろうなぁ…あの時は感じたのは寂しさもあったが最初に感じたのは後悔だったと思うな
相手のことを理解せずに否定的に押しつけてしまうのが不味かったのかもしれない
でもアイツがしたことは許せなかったから否定したことは間違っていないと思ってる
それでも…
「普段から忙しかったのに昔の友達がやってきて本当に目が離せないほど心配させてくれる妹みたいな奴がいるから寂しさなんか感じられないな」
少し思ってた返事と違ったのかすぐには言い返せなかったが
「それって僕のことだよね!? これでもちゃんとしてるよ!」
「モテるのに恋って何?って聞かれると心配にもなるが、俺はお前ことを妹のように大事にしているつもりだからな」
「も~! まだそうやってイジワルなことに言って! ぼ、僕だってイジワルばっかするお兄ちゃんが他の人に迷惑かけるか心配になってきたよ!!」
素でお兄ちゃんって呼んでいるがどこか生き生きとした声で言ってるからさっきの話しで変に気をつかわれている訳じゃないだけ良かった
「いいか奏? 珍しい猫がいるからって知らない人について行くのダメなんだぞ?」
「そ、そこまで幼くなってば~!!」
「これからはどう呼ぶんだ?お兄ちゃんっと呼ばれるのは恥ずかしいが奏がどうしても言うなら」
「呼ばないからね!? 普通に悠君って呼ぶから!」
「奏…む、無理してないか?」
「無理してないから! 笑いこらえないでよー!!」
気づけはもうグラウンドを半周するだけだか周りは別の意味で盛り上がっていて、どうやらさっきの商店街の映像がバッチリ映っていて駄菓子屋の所での会話を聞かれていてようでグラウンドで嘆き悲しむ声があったようだ(主に男子生徒が)
「い、1位わぁ…うう…あんな可愛い後輩から…おぉぉ!…お兄ちゃんなんて言ってもらえるにぐだらしい~ あがざか悠斗だぁ~!!!」
「いやぁグラウンドで響き渡る阿鼻叫喚がまた凄いことになってますね~」
「奏がぁ~?あんな男にお兄ちゃんって、ハハハ、夢だぁ…夢に決まっている」
「ところどっこい夢ではないぞ神崎先生? 現実、これが現実だ」
ゴールするのにブーイングでもなく歓声で
もなく嘆きの声でゴールするとは流石に思わなかった。
結果は1位であの写真は俺の元に渡されたが冗談で部屋に飾ろうと言ったら絶対に止めてと注意された。
あとの会長の可能な限りであれはひとまず保留しておき長い新入生歓迎会は幕を閉じた
もうすぐ2015年…来年は国家試験がありかなり長い期間で投稿をしないかもしれませんができるだけお話を進めたいと思っています。
来年はきつい一年になりそうだ(汗)




