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第十八話 奏視点

かなり間が空いてしまってすみません


昨日は冬香ちゃんに先に帰るとメールして悠君と2人で帰ることにした

どんな顔して会えばいいか分からなかったし心配さちゃうかもしれないと思ったからね

家に帰ってからもう一度写真を見たけどお母さんとお父さんの他に映っている人は

もしかして会長さんと冬香ちゃんのお父さんとお爺さんかな?

でも2人のお母さんの姿が見えないけどもしかして……考えるのはよそう

「おはよう、ルル~ロロ~、ご飯だよ~」

サバシロのアメショがルル、チャシロのマンチカンがロロでこの2匹はペットショップで買ったのではなく里親として引き取って2匹とも2歳になったばかりでとっても甘えん坊です。

「最近帰るのが遅くなってごめんね~」

頭を撫でるとこっちに身を寄せてくる姿が本当に可愛くて

身を寄せてきたらいつも抱き付いている

本当は1日中遊んであげたいけど今日も学校だから仕方ないね

さて! そろそろお姉ちゃんを起こしてあげないと…

「お姉ちゃ~ん! そろそろ起きないと遅刻するよ~!」

階段から降りてきたお姉ちゃんは髪ぼさぼさで

半目でよそでは見せられない顔になっている

「シャワー浴びてしゃきっとしてね」

「あ~あ~……二度寝したい」

「そんなことしたら絶対遅刻ちゃうでしょ? シャキッとするの」

「ん~」

お姉ちゃんは朝に弱いし二度寝するとなかなかベットから起き上がってくれないから

困っちゃうけどお仕事頑張っているし出来るだけサポートしなきゃ

早速調理に取り掛かるけどルルとロロが足元にすり寄ってきて調理しにくいから

自動で転がって転がるオモチャを起動させ地面に置くと2匹ともそれを追いかけていく

微笑ましくて見ていたいけど朝ご飯を用意しなきゃね

主食はご飯に味付け海苔と納豆で主菜はあじの開き

副菜は昨日作っておいた根菜の煮物で最後に豆腐とワカメの味噌汁で完成です

なんかザ・日本食!……みたいにな感じなっちゃった

お姉ちゃんも目が冴えてきて服を着替えて一緒に食べることに

「「いただきます」」

「ん~! いいね! ザ・日本食って感じで」

やっぱりそう思われてた

「学園にはもう慣れた?」

「もうその質問何回も聞いたよ? この町も学園も慣れたよ」

「そういえば奏ちゃんに告白した害虫が100匹をいるそうじゃない?

 奏ちゃんの恋人なろうなんて1000年早いってわからないのかしら?」

「が、害虫って…その人たちに失礼でしょ? しかもお姉ちゃんは教師なのに」

「その他生徒より奏ちゃんが優先だから仕方ないね♪」

「お姉ちゃんが教師になれたのが疑問に思ってきた」

「まぁまぁ…今日も統治会あるの? メイド服着るの?」

「着ません! 早く食べないと遅刻しちゃうよ」

「いつも奏ちゃんのおかげで早めに出てるからへーきへーき」

基本お姉ちゃんはだらしないところが目立つけど決められた

仕事はきっちりこなす人で授業の評価で良いらしいけど僕自身受けたことないから

わかんないけど美佐ちゃんの評価は面白いお話が多いから好きで

悠くんの評価も良いらしいけど時々睨みつける時があるから

それ以外はいい先生だと言っていて、僕も気になってお姉ちゃんに聞くと

奏ちゃんが悠斗君をものすごく信頼してるのが

悔しいからだと聞いて思わずため息が出て

これからは止めてほしいと言ったけど屁理屈言って聞いてくれなかった

「ご馳走様~! 今日もおいしかったよ~」

「お粗末様でした。鞄にお弁当入れておいたからね」

「それがなかったら仕事のモチベーションが90%下がるからね」

「そんなに下がったら仕事出来ないんじゃないの?」

「それくらい重要ってことで……そろそろ行ってくるわ」

お姉ちゃんが洗面所にいる間は食器を洗って学園の行く準備をする

「それじゃあ先に出るけど戸締りとお願いね~」

「いってらっしゃ~い」

僕が学園に行く時間はまだ余裕があるけど遅れるかもしれないから

いつも早めに出かけている

「ルル~ロロ~、いい子にしてね~」

「「ニャ~」」

―――

僕の家から学園まで徒歩で20分くらいする

最初は商店街を通ってそれから学園に坂道を歩いていくのだけどかなり辛いから

毎回空港みたいな床エレベーターみたいにならないのかなって思ってる

昇降口に冬香ちゃんがいたので声をかけようとしたけど昨日のこと聞かれたなんて

答えればいいんだろう……

「あら? 奏いたんですか? おはようございます」

「お、おはよう冬香ちゃん」

「昨日は気分が悪くなったと聞きましたがもう平気ですか?」

「う、うん!平気平気!ぜ、全然大丈夫だよ」

「…そうですか……あまり無理をなさらないでください」

案の定思いっきり心配されている…平気だと言ってもやっぱり顔に出てるのかな?

下駄箱から上履きを取ろうとすると一枚の手紙が落ちてきた

「またですか…毎日毎日いい加減にしてほしいですね(奏の下駄箱に触っただけでも重罪ですからね)」

「あはは…好意をもってくれるのはうれしいけどね」

誰かを好きになるなんて僕にはまだ分からない…というより恋愛が分からないって

言ったほうが正しいかな?

恋愛……考えれば考えるほど分からなってくる…手紙は放課後に屋上に来て欲しいと

書いてあるけど書き方は女の子が書いたって感じがしない

「男性の字ですね」

「わぁ! び、びっくりさせないでよ!」

「気になりましたので…また行くのですか?」

「直接会わないと相手に失礼だからね…もしかしてついてくるつもり?」

「奏の身に危険があるかもしれないので、見つからないようスニーキングで」

これは何を言っても無駄からもしれないけど冬香ちゃんって軍人…じゃないよね?

―――

昼休みに教室に会長さんが来ては小声で

2人っきりで話がしたいから統治会室にきてほしいと言われついて

つい冬香ちゃんの方を向いてしまったが

私は教室にいると言って自分の席に戻って行き会長さんについて行くことにした

会長さんは僕の正体を知っているようだけど

悠君が信頼している人だし大丈夫だよね

統治会のソファにお互い向き合って座り僕の方から喋ることになった

「その…僕の正体を知ってるんですよね?」

「ああ、お前が男だってことはつい最近知ったがお前を勧誘するときは

 まだ知らなかったし別に陥れようとも思っていないから心配はするな」

「それは悠君から聞きましたので信頼してます」

「…お前はあいつを超信頼しているのも分かった」

ため息をつかれたけど悠君が信頼した人だから疑うことはないと

思っただけなんだけどね

それと…これは無茶なお願いだと思っているけど

「この写真を…僕に譲ってくれませんか?」

「…これは私のものではなくお爺様の物で

 私がはい、どうぞとくれてやるにはいかんのだよ」

「ご、ごめんなさい…勝手なことを言って」

や、やっぱり駄目だよね…手放したくないのが本音だけどちゃんと返さなきゃ

会長さんが携帯を取り出して誰かに連絡しようとしている

すると携帯から声が聞こえて声からすると男性のようだけど一体誰なんだろう?

「写真のことで……は? 顔が見たい? 本人に聞いてみる」

「あの…一体誰と」

「私のお爺様だ…どんな顔が見てみたいと聞いている」

「え………ええぇ!!会長さんのお爺様っていえば」

「プライベートじゃあ只のおっさんだから律儀にしなくていい」

「うう~…失礼なこと言ってしまったら」

会長さんが携帯を置いてそっと近づき耳打ちで

「お爺様はお前が二階堂家の子だとは知っているが性別は覚えていないんだ」

「ど、どうして?」

「説明すると長くなるが全てはお爺様の自己責任とだけは言っておく」

よ、余計に分からなくなってしまった

「お爺様も忙しい身だから今が無理でもまた別の日してもいいが」

「………今お話がしたいです」

お母さんが写っている唯一の写真だから…自分勝手の言い訳にしか聞tこえないけど

僕はあの写真が欲しい

「そうか……もしもし…ああ許可が取れたが…携帯じゃなくてタブレットで?

 別に携帯でも……めんどくさい爺が…聞こえるように言ったんだよ」

会長さんが机からパソコンを取り出したけどあれってタブレットって名前だったんだ

机の置きアプリ?と起動してタブレットから男性が映りだして驚いた表情を見せた

「ほほ~!こりゃあ驚いたな~! 明音さんそっくりだな!……胸は似てないが」

どういう反応をすればいいんだろうと思ってしまったが写真を見比べてみると

この50代くらいの男性だと思うんだけど全然変わっていない

「自己紹介が遅れたな、俺は川神大和だ。自分でも大層な名前だと思うが~

 今は気に入ってんだ、お嬢さんの名前は?」

「か、神崎…神崎奏です」

「奏ちゃんか~可愛らしい名前だな~!

 ところで俺に譲ってほしい物があるって聞いたが」

「あ、あの…この写真を譲って欲しいんです!」

「ああ~それか~」

「た、大変失礼なことではありますがわ、私にとって「いいよ」」

「……へ?」

「それ息子からコピーさせて貰ったものだしまた焼き増ししてもらえればいいから」

「あ、ありがとうございます!」

よ、よかった!

「可愛い子のお願いに答えるのは男として当然だ…疚しいこと思ってないぞ?」

「口に出せば認めているのも同じだ…またあんなことしたらお母様から」

「あ、安心しろって~…あん時の京子はまさに般若と言っても」

「誰が悪かったんですかね~?」

「私です…マジでそのネタは京子の前ではすんなよ?女ってのは昔のことを

 いつまでもネチネチネチネチと覚えて」

「わかりましたフリですね?」

「フリじゃねぇよ! ガチだよ! ああ悪いなちょっと家のことでな」

「は、はあ…」

「え~と奏ちゃん…でいいかな? 明音さんの自作の歌とか知ってる?」

「し、知ってますけど」

「明音さんの歌は俺の中でダントツに印象に残った歌でね~今でも思い返すと

 …何? 会議に遅れる? 今可愛い娘と喋ってるんだ適当な理由つけて遅らせろ」

忙しい様子だけどこの人が言ってることはとてもじゃないけど褒められることじゃない

「ああ~!! 分かったわかりました! 悪いね奏ちゃんもし良かったら今度食事でも」

「お爺様?」

「……絶対に京子にいうなよ! 今の誘いも疚しい気持ちなんてかけ」

まだ言っている途中で電話を切ってしまったけどいいのかな?

「あの人若くて可愛い娘に好きでな昔それで痛い目に遭ってのに全然懲りてないだよ

 はぁ~…そのせいで…」

「そのせいで?」

「…まぁ会社にいろいろ問題が起きてしまったんだよ

 悪かったな時間を取らせてしまって、教室に帰っていいぞ」

確かにそろそろ戻って昼ご飯食べたいと昼休みが終わっちゃう

統治会室にから出て教室に帰る途中に会長さんの最後の言葉を思い返して

あの言葉ってまだ別の問題も含まれているような気がするけど一体何なんだろう?

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