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第十七話 W視点

少しだけ書き方を変えましたが読みにくかったらまた戻します

遅れてすみませんでした


依頼書にはいじめの被害に遭っている人達の事が書かれていた

部活の先輩に無視、無茶な要求をされる。不良に苛められる。物を隠されるなど

胸が苦しくなるような内容がひしひしと…そして丁寧に書かれてる

「こんなの……酷いよ」

「社会では当たり前にあることだ。不思議なことじゃない」

「今までも少数とはいえ確かにあるんだ…大丈夫か?」

「…大丈夫、平気だよ」

正直に言えば嘘になるが今は僕を支えてくれる人達がいるから平気だけど

昔のように…考えるだけで震えが止まらなくなりそう

会長さんが机からパソコンを取り出して

何かを調べ始めたけどいったい何をしてるんだろう?

僕はパソコンとか機械分野は全然ダメで携帯も慣れるまでかなり時間がかかって

お姉ちゃんからも携帯は必要な時以外は使用しないこと

困ったらいつでもお姉ちゃんを頼ってねっと注意された

「この不良の件はお前に任せるがしくじるなよ」

「臨機応変にやるさ」

悠君が部屋から出ていって会長さんと2人っきりになったけど…どうしよう

何をすればいいのか分からないけどとりあえず紅茶でも淹れようかな

「か、会長さん?何かお飲みになりますか?」

「なら紅茶を淹れて欲しい」

「か、畏まりました」

す、すごく緊張して動きがロボットみたいになってるけど会長さんは集中して

こっちを見ていないようだけど自分の姿が不審者みたいなっていないか心配だよ

机の方を見ると一枚だけ離れるのがあるけどなんでだろう?

「…気になるか?」

「え!?い、いや、その」

急に喋りかけられてびっくりして上手く返事を返せなかった

「その1枚は受け付けないから後で処分するつもりだ」

「え?ど、どうしてですか!?」

この依頼書もいじめの被害に遭っているのに処分するなんて

「その依頼人は前に同じ被害を受けて私たちはそれを解決した」

「な、なら」

「だが二度はない」

「二度は…ない?」

「私達はチャンスを与えてあげるだけだ。いじめというのは結局のところ自分で

 解決しなければならない」

「そ、それができなかったら見捨てるのですか!」

「…なにか勘違いしてないかお前?」

「え?」

「私はボランティア精神でこんな活動をしているわけじゃない

 すべては自分の為にやっていることだ」

「ど、どういう事…ですか?」

「…もうすぐ依頼人が来る。学生服に着替えてもいいぞ?

 別にそのままの服装でもいいが」

「え!?き、着替えます着替えますから!」

「チッ…面白くない」

会長さんは残念そうにしているけどこんな姿を他の人に見せるなんてできないよ

……さっきの自分の為ってどういう事なんだろう?

僕に教える必要があるのかないのか分からないけど

今後のためにも会長さんのことをもっと知らなきゃいけない気がする

―――

10分くらいして依頼人がやってきた。2年生の男子のバスケ部で

内容は部活動の先輩から罵倒されたりお金を奪われたりして困っているということ。

最初は先輩として指導してくれていると思っていたが明らかに部活動ではなく

個人的に暴言を言っている感じがして最近になって次の日にお金を貸してくれと言われ

仕方なくお金を貸してあげ次の日に返してほしいと言ったら

あんな金額くらい別にいいだろうと言われそのまま返してくれなかったようだ

「出来れば穏便に片づけてほしいですよ、他の部員にも迷惑かけたくないですから」

「ふ~ん…そうか」

ふ~んって真剣に話しているのにその態度はちょっとないんじゃないのって

言いたくなったけど僕が口に出してはいけない気がする

「解決するのは簡単だがその前に私の問いに答えてほしい」

「な、なんですか?」

「お前が時間も忘れて夢中になっていることはなんだ?」

「む、夢中ですか?え~と…バスケですかね」

「それは今後も続けていくつもりか?」

「あ~それはどうですかね~。別にプロになりたいわけじゃないですから」

「では自分はこうなりたいって思うことは?」

「こうなりたいって?」

「イメージだよ。バスケが上手くなりたいとか

 他の人から頼られるリーダーになりたいとかだ」

「う~ん…特にないですね」

その後も色々と質問したけどいったい何の意味があるんだろう?

質問からして自己評価の内容が多かったきがするけど

「なるほど…今日はもう帰っていいぞ」

「あの~これって依頼となにか関係があるんですか?」

「特にない、解決策はまた後日伝えるがやるのはお前次第だ」

「わ、わかりました」

「その先輩の名前は?」

「ああ!忘れてました…え~と…濱口先輩です」

「濱口か…あと最後に2つ伝えるがこれは絶対に守れよ」

まず1つ目は依頼の内容は誰にも喋ってはいけないこと2つ目は同じ内容の依頼は

今後一切受け付けないことを守りさえすれば依頼は受けるとのことで依頼人もそれを

承諾して今回の相談は終了した

「会長さんはなんであんなにも相談したんですか?」

「相手の本質と本当にイジメられているか確かめるためだ」

会長さんの話によると前に軽い気持ちで

でっち上げのいじめをしてからかおうをする人がいたらしい

でも会長さんはそれを見破ってその人たちにきついお仕置きをしたそうだ

どんなことをしたんですか聞こうとしたけど聞くのが怖くてやめた

「それであの人はどうだったんですか?」

「…お前には内緒だ」

「えぇ!?な、なんですか!?」

「どうしても聞きたかったら3回まわってスカートをたくし上げてニャンと鳴け」

「い、いやですよそんなことするの!」

「メイド姿でもいいぞ?」

「余計に嫌です!」

「じゃあ教えてあ~げない」

そんな子供みたいな言い訳するなんてこの人は結構意地悪な人だよ

「終わったぞ会長…何かあったか?」

「なんでもない、奏に新しい仕事を頼もうとしてな」

「そんなこと初めて聞きましたよ」

「今言ったからな内容は音楽室の蛍光灯の付け替えほしいから職員室に行って

 蛍光灯と持って音楽室に行ってくれ」

「わかりました」

「後で悠斗も向かわせるからな」

結局教えてくれなかったけど依頼の内容もひどかったし解決してほしいな

―――

――

「問題は?」 

「無事解決した。なかなか根性のあるやつだったよ」

証拠となるボイスレコーダーと機械部の連中に頼んだ隠しカメラの映像を会長に渡し

弱みを握ることに成功した

「こんな誰にも分からない場所で金を巻き上げるだけの能無し野郎は屑だ……か

 あのひ弱な1年坊やがよく言えたものだな」

「立ち向かう強さを知ることが出来たこいつはもう大丈夫だろう」

「確かこいつはプロの料理人になりたいと言っていたな」

「今度ご馳走を振る舞いますのでと言っていたがどうするんだ?」

「せっかくの招待だ。無下にはできんよ」

「そうか、そっちの依頼人は?」

「こっちはフェイクの可能性が高いが0ではないからバスケ部について調べてほしい」

いたずらかもしくは会長に恨みを持っている奴だがどっちにしても命知らずの奴だな

竹やりで戦車に真っ正面から突撃するぐらい無謀なことだ

「わかった。じゃあ俺は音楽室に」

「その前にお前に聞きたいことがある」

このタイミングで聞いてくる内容は1つしかない

「はぁ~……奏のことですか?」

「当然だあいつは何者だ?

 神崎 奏なんて調べてもどこにもその存在が確認されていない」

「あいつは病気で」

「病気は3年前だけでずっと闘病生活だったわけじゃない」

「あいつに会ったのは3年前で」

「違う神崎奏に会ったのはつい最近でその前の奏が今の神崎奏だ」

「…」

「私もあいつのことはただの一般人だと思ったがこの写真を見て驚いたぞ」

会長が見せた写真は随分古い写真で50代の男性と20代ほどの男性が3人に

女性が1人いて注目すべきはこの女性だが俺もこの人物を知っているが

実際に会ったことがなく写真でも見たことなかったため初めて外見を知ることできた

「そっくりだな…奏に」

「これは20年前の写真だがこれは私のお爺様とお父様の友人が

 食事会の時に撮った写真でこのお父様と隣同士にいる2人は」

「二階堂家…だろ?」

「知っているなら話は早い、もう一度聞くあいつは何者だ」

このままあいつの正体を言っても正直この人はあ、そうかわかったっと言うが

それでは奏との約束を破ることになってしまう

「それは本人に直接聞「篠原 奏」」

「――!」

正直ここまで踏み込んでくるとは思わなかったがその名前は奏の前でいうべきことじゃない

あいつにとって人生が大きく崩れて精神崩壊寸前だった時の名前だ

「当時ニュースでも大いに騒がせた事件の

 被害者の名前だがこいつの過去はなかなか酷い仕打ちを」

「あいつの前でその話は絶対にするんじゃねぇ!!」

「…どうやら調べていた結果が今ので確信に変わった」

ついカッとなってしまったがあの時の奏は本当に酷い状態で実際にあいつは…

「すまなかったな…お前に怒らせるつもりはなかったのだがな」

「…あんたのことだから知っても奏の扱いは変わらないんだろう?」

「当たり前だ、私は気に入ったものは絶対に手放さないタイプだ

 たとえどんなに経歴があったとしても私はそいつを手放すことはしない」

かつての俺もこの人に拾われてあの夏休みは一生忘れないくらい思い出になったが

正直2度と体験したくないくらいのできごとだったがな

「引き留めて悪かったな、奏が待っているぞ…ゆう」

「…俺はお前を選んだんだ。信じてるぞ……紅葉」

これは部下としてではなく信頼する上司として

俺はこの人について行き信頼できる友でありたい

「悪いがその写真少し貸してくれないか?」

「これはお爺様とお父様の重要な写真なんだが先の無礼もあるし明日には返してくれ」

「済まない」

「気にするな、お前たちも用件が済んだら帰ってもいいぞ」

本日最後の一仕事を頑張るか

――

音楽室って本校の3階にあるから結構時間がかかるからめんどくさいだよな

蛍光灯の交換だけだから奏1人でも大丈夫…ではないな

きっと椅子に座って足をプラプラして待っているかもしれない

あと1時間くらいで下校時間になるしちゃちゃっと済ませるか

「奏、いるか~」

「あ!悠君遅かったね~、会長さんと何話してたの?」

「いろいろとな、足をブラブラすんの止めて蛍光灯貸せ」

蛍光灯くらいすぐ取り替えれるのになんでわざわざ統治会にまで依頼するのか不思議だ

「ねぇ会長さんと何話してたの?随分話してようだけど」

ここまで来るのにだいぶ時間かかったしそりゃあ疑問に思われるわな

どうせ言うことだったしな

「会長がお前が男だって気づいたようだ」

「そう…………て、ええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?」

「大声出すなよ、まだ他の学生が残ってるんだぜ?」

「大声出したくなるよ!?どどどうしよう~~~!!」

「会長は別に言いふらすつもりはないようだから安心しろ」

「そ、そうなの?よ、よかった~」

「そうだ…よし!取り付け終了だ」

「すぐ終わったね(あれ? これって僕は必要なかったんじゃないの?)」

「全くだ…なぁ奏」

「ん?なに?」

「この学園に…月乃澤に来てもうすぐ1ヵ月になるがもうこの町には慣れたか?」

「少しだけ町並みは変わった気がするけど思い出の場所はまだあるから

 良かったって思ってる」

奏が窓から見る景色は綺麗に映っているのだろうか?それとも奏を苦しめて醜く映っているのか分からないが俺はそれが聞けなかった。篠原だった奏は心も体もボロボロで触れただけで砕けしまうほど脆い体をしてもうあんな苦しいことは奏にさせたくない

「会長さんとお話してたのは僕の過去を話してたの?」

「お前の出生、過去をほんの少しだけな」

「そっかぁ……醜い奴だなぁって思ってるのかなぁ?」

「あの人は自分が気に入った奴はどんな経歴があっても下に見ることも軽蔑することは

 しない人だ。お前が統治会に入ったってことはお前は気に入れられているんだよ

 だからそんな悲しそうな顔をしないでくれ」

「悠君が、そう言うのならそうなんだろうね」

奏にこの写真は見せるのは辛いはずだ。絶対に泣いてしまうが

このまま隠してしまうのはしていけない……これは奏に見る価値がある

「会長はこの写真を見てお前の過去を知ったようだ」

「写真って………嘘…これ……って」

そこには奏の両親の姿があり女性にお腹には大きく膨らんでいた

写真を見せるとすすり泣き、座り込んで涙がこぼれ落ち写真は涙で滲んでいった

「もうっ…家族の……写真っ…なんて…うっ…ああっ!」

俺達は知っている。奏の本当の両親はもうどこにもいないことを

両親は家系から逃げ、奏が両親を亡くしても二階堂家から迎えることもなく

奏を施設に閉じ込め見捨てたことを知っている

そして家族の写真も思い出の品をすべてあの家は取り上げていった

「ひくっ………あぁぁ……おとうさん……ううっ……おかあーさんっ!」

奏はまだ子供でまだまだ甘えてばかりだった両親の死は奏の心に深い深い傷を負った

そしてこの町にやってきた奏に待っていたのは痛みしかなかった

「会いたいよぅ…ぐすっ……お父さんと……お母さんに……会いたいよぉ!!」

今の俺にできるのは抱きしめることしか出来ない

「ううっ……ああ……ゆう…くん……ごめ……ん…ね」

「お前がこの写真を見て泣かないんて思っていないからな」

「ぐすっ………泣き……虫…で……ごめん……ね」

「その涙は弱さなんかじゃない、だから謝らなくてもいい」

それから奏は泣き続けた

もう2度と感じることができない知っている両親の温もりを思いだしながら

奏の過去は少し触れましたが外伝みたいなので奏の過去を書いていて

もう少しお話が進んだら出していきます


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