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生魂転霊
女になってみたい。
女なら例え俺みたいに
勉強が出来なくても、
美人ならいい人と結婚できる。
そしていい人生を送れる。
俺はそう思っていた。
「やべぇ 遅刻するー」
今日も寝坊しちまったぜこの野郎。
まぁこの俺大谷竜也
の家には起こしてくれる
家族なんていないから
これが当たり前なのかもしれない。
「行ってきまーす」
と言ってもいつも返事は無い。
俺は勉強は出来なくても
野球ができる。
だから速く走れる。
いつも遅刻しそうな時でも
住宅街を走りぬけ
この足おかげで間に合っているのだ。
「このつきあたりを左に曲がれば・・・」
「えっ…若葉??」
川上若葉。
同じ2-3で俺の向かいの家の
学年一の美女と騒がれている女だ。
気づいたその時俺の何かが変わった気がした。
ドカッ
と転んだ。
「ごめん!!竜君…」
いえいえ朝っぱらからあなたにお会いできて
光栄ですよと言いたかったがめんどくさいことに
なりそうなのでやめておいた。
「ごめんよ!!若葉…」
「…えぇ!!??」
と思い切り叫んだ