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星の導き

 ステラがルクレツィアの左の瞼に軽く人差し指で触れると、ルクレツィアの目が赤く光った。

「星がよく見える目をやろう。時には、見たくないものも見えてしまうかも知れぬが、許せよ。」

 ルクレツィアは、両手を組んで跪くと、祈りをささげた。

「ああ、ハッキリと見えます。ご加護を賜り感謝申し上げます。」

 ステラは、複雑な表情でそれを見ていた。

(この娘には沢山の人が死ぬ光景が見えているはず。だが、同じくらいの人々が救われる光景もまた見えているのだろう。星読みの宿命とは申せ、残酷なことよのう)

 

「さて、リース。太陽や月、星がなんであるかそなたは知っておるな。」

「おおよそは。」

「うむ、では、星降りの力をそなたに託そうぞ。使いどころを間違えぬように。」

「感謝いたします。」

 リースは星降りのスキルを得た。

「そこの人形とつなげてやろう。目を借りるとよいな。」

 タネ子の視覚センサーとリンクすることで、一度に1000個の目標を同時に設定できるようになった。広範囲殲滅の手段がほとんどなかったリースにはありがたいスキルだ。


「さて、エルフの姫じゃな。客人が待っておるぞ。」

 エスターの前に光の柱が現れた。その中から、銀髪の美青年が出現した。

「おチビちゃん、随分と大きくなったんだね。」

「あなたは?もしかして?」

「そうだよ。僕が精霊王さ。ステラとは古い知り合いなんだよ。」

「ああ‥‥。」

 言葉にならない。ずっと探し求めていた精霊王が目の前で優しく微笑んでいる。

「僕の力は強大だから、それを使うには、依代そのものが強くなければならない。僕はずっと君の成長を待っていた。」

「はい‥‥。」

「君は強くなった。そして良い仲間と巡り会えた。今こそ僕は君の力になろう。さあ、おいで。」

 そう言うと精霊王は光の球に姿を変えて、エスターの胸に吸い込まれるように消えた。


「エスター、剣を貸しな。」

 ステラに言われるままに、エスターはサーベルを手渡した。

「ふむ、だいぶくたびれてるね。よし‥‥。」

 ステラはサーベルに手をかざすと、剣が輝き始めた。

「星銀のサーベル。もとはあたしの剣だったのさ。千年前に、勇者の仲間のエルフにくれてやったんだった。ほれ、魂を入れなおしてやった。また千年後くらいにメンテナンスしてやるから持っておいで。」

「あ、ありがとう‥‥ございます。大事に使わせてもらう。」

 感激と感謝で震えているエスターを満足げに見ていたステラだが、すぐに真顔に戻って言った。


「あたしたちに出来るのはここまでさ。あとはあんた達の頑張りに期待だね、千年ぶりの勇者。」


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