忠実な下僕
「この子は必ずあなた方の役に立つでしょう。」
そうオシアナに言われて、押し付けられたオートマタ。
「ステラ姉が呼んでいます。なのでここから皆さんをお連れします。さあ、もう一度あれに乗ってください。」
オシアナは亀型シャトルにまた乗れと言う。
「運転はまかせろなのだ。」
オートマタが、聞かれもしないのに答える。運転手はこいつなのか?もっと竜宮城でゆっくりしたかったが、何か事情があるのだろう。
「また来ます。」
挨拶もそこそこに、リースたちはシャトルに乗り込んだ。オートマタが当然の如く操縦士席について、ハッチが閉じた。注水が始まり、ゲートが開く。シャトルは竜宮城コロニーの外に出た。
シャトルは再び、水中を進み始めた。かなり進んだ後、空中に浮き上がりながら加速を始めた。宇宙に行くためのようだった。加速Gがかかるが、低減装置が作動しているようだ。高度がどんどんあがってゆき、シャトルは宇宙空間に到達した。
太陽光線が同じ面に当たらないよう、シャトルは回転しながら飛行を続けている。窓に見えるのは、青い地球の姿。
「本当に青いんだな‥‥。」
つぶやくリース以外は、宇宙の概念がない。ただただ言葉もなく、青い星を見ていた。
「そろそろなのだ。」
リースに、タネ子と名付けられたオートマタが到着を知らせた。背面ハッチ部分でサテライトにドッキング。気密を確認して、ようやくハッチオープン。シートベルトを外した途端プカプカ浮かぶリースたち。
「うわっ、何だこれ。」
「どうなってんの?」
「ぶつかっちゃいますー。」
無重力状態を初めて体験する四人は大騒ぎだ。リースだけは重力制御で姿勢を保っているが、エスターたちはあちこちぶつかってしまう。すったもんだの挙句、何とかシャトルを出て、通路をフワフワ移動する。その先の部屋で、星の聖竜が四人を待っていた。
「時間がないので、待ってられんかった。さ、こっちじゃ。」
ルナを大人にしたような容貌の女性が、話しかけてきた。
「緊急事態なんですね。」
リースが言った。
「その通りじゃ。」
ステラが答えた。
「まずは解呪じゃな。マグダレーナ、おいで。」
ステラはマグダレーナの頭に右手を置いた。
「人の手に余る呪いじゃが、妾の前では‥‥。ほれ、もう大丈夫じゃ。」
マグダレーナの全身がパッと光って、邪悪な波動を消し去った。
「ああ、温かい‥‥。」
マグダレーナの両目から涙が流れ落ちた。
「闇を払う加護を授けた。おぬしは今より星騎士として、剣を振るうのじゃ。」
「ありがとうございます。ステラ様。」
マグダレーナは深く一礼した。
「星読みの姫、そなたにはこれを。」




