海の聖竜
天井の高い部屋だった。三階層吹き抜けの、大広間のような部屋。部屋の主は、優しそうな感じの女性だった。
「皆さんの噂は、姉たちより聞いております。わたくしもお会いしたかったのですよ。」
海の聖竜の女性は、優しい笑みを浮かべた。
「貴方が、ルナ姉さまのお腹に大穴をあけたというリースさんね。もっといかつい男性だと思っていましたわw」
「いきなりその話ですか‥‥。」
リースは頭をかいた。
「ああ、ごめんなさいね。わたくし、ついはしゃいでしまいました。」
てへぺろ‥‥。
(妙なノリだな)
「コホン!」
女性は、わざとらしく咳払いをした。目が笑っている。
「失礼いたしました。わたくし、海の聖竜オシアナと申します。」
「あ、どうも。」
リースたちも軽く会釈する。
「世界が乱れたあと、監視のためわたくしたちが遣わされました。空と大地と海、空は昼と夜に分けられました。昼の空にソルラ。夜の空には双子のルナとステラ。大地にガイア。そしてわたくしは海を任されました。」
オシアナは語り始める。
「わたくしだけには、特別な役目がございます。それは、定期的な人族の意識調査です。モニタリング調査のことが、竜宮城伝説として広まっていたようです。」
なるほどねぇ。
「過度な文明が発生しないよう、人族には魔法とスキルが与えられているのです。わたくしは文明の監視の役割を果たすため、こうしてお招きしてお話を伺いながら判定をしているのです。」
では、自動ドアや潜水艇を理解できる人間がいる今の状況は、好ましくないのではないか。
「状況は一刻を争うと、わたくしは判断しました。まずは、加護を差し上げます。」
リース以外の三人のレベルが250に上がった。リースとエスターは特別に水の加護を得て、水の魔力弾を操れるようになった。
「リースさんには、加護のほかにもうひとつ。この子をお預けします。」
オシアナは、オートマタをもう一体呼び寄せた。
「さ、ごあいさつなさい。」
オートマタは、促されるとリースに向かってしゃべり始めた。
「はじめまして、ご主人。」
「お、おう‥‥。」
「不束者ですが、妾を末永く可愛がって欲しいのだ。」
癖のあるしゃべり方が気になる。
「誰が言葉を教えたか、聞いてもいいか?」
「乙姫という人に教わっただよ。」
どんなプログラミングしたんだよ。犯人と思しき人物にアイコンタクトを試みるも、目が泳いでいる。自白したも同然ですね。
「で、おまえは何が出来るの?」




