ヤマト
一行は島伝いに移動を重ねながら北上を続けた。フィリピナからフォルモサ、リューキュー。そこからヤマトへ。
「山から煙が出ているぞ。あれは何だい?」
「サクラ島だな。」
活火山ならロマリアにもあるだろうに。
「あれ、リースの剣にそっくりじゃないか?」
「そうだろな。本場はこの国だからね。」
そうこうするうちに、役人に捕まる。領主のシマヅ様には砂糖2斤と白蝶貝を献上して、南蛮商人として交易の許可をもらえた。サツマイモも渡して、栽培を勧めておく。
「芋ですので、そのままでは貯蔵はききませんが、干し芋とか飴にしたり、焼酎にもなりますよ。米の4倍の収穫がありますから、飢饉があれば多くの領民を救うことができます。」
「それは興味深い。我が領内は灰のおかげで米があまりとれぬでな。」
後年、この芋はサツマイモと呼ばれるほどの名産品になったそうだ。
サツマ領主の通行手形を得て、一行は都を目指す。道中は平穏ではなく、ハプニングの連続だった。何故かミノタウロス(牛鬼)やサイクロプス(だいだら法師)に襲われる。イワミ国ではヒュドラ(八岐大蛇)退治、都ではオーガ(酒吞童子)やハーピー(烏天狗)と戦う羽目になった。
都でミカドにお目通り、一行はショーグンのいるカマクラを目指して東へ。フジ山のすそ野でカーバンクル(九尾の狐)退治。
「全くもう、次々と。」
リースがぼやく。
「ところで、リューグージョーって何だ?」
エスターが聞いてくる。
「そりゃ、浦島太郎と乙姫‥‥。」
言いかけてハッとするリース。
「どこでその話を?」
「子供たちだ。海岸を歩いてたら子供が言ってたんだ。」
エスターがそう言った時、ルクレツィアが突然トランス状態になった。
「明日の朝‥‥海岸‥‥海からの使い。」
星の報せか、言葉が降ってきたという。
「亀が迎えに来るって伝説があるけど‥‥まさかね。」
翌朝、四人は海岸を散歩していた。浦島伝説をリースが話していた時だった。
「あれは?」
マグダレーナが何かを見つけた。
「亀だわ。」
「亀ね。」
「思ったより亀だね。」
古代文明の遺産と思われる潜水艇。シュノーケルは頭に見えるし、四つのスラスターは手足のようだ。背中(?)のハッチが開くと、ひらひら衣装の乙姫チックな女性が姿を見せた。
「お迎えに上がりました。主がお待ちです。」
オートマタだ。衣装はいらんやろとリースは思ったが、言わないことにしたほうが良さそうだ。言われるがまま、四人は文字通り亀の背中に乗って竜宮城(?)へ向かうこととなった。




