怪鳥ガルーダ
「先月あたりから、ガルーダが人里に下りて来るようになった。」
「今までこんな事なかった。」
「もう10人以上、犠牲者が出てる。」
「牛も鶏も食われて、このままだと村を捨てて逃げるしかないぞ。」
ガルーダの住む山のふもとにある村では、大騒ぎになっていた。本来は襲ってこないはずのガルーダが狂暴化して困り果てていた。
そこへリースたちが通りがかった。
「旅のお方、こんな所に何用ですかな?」
訝しげに尋ねる村人に、リースが答える。
「荷車を貸してもらえないかと思って。大物を仕留めたはいいが、運べなくて困ってる。」
リースは狩場に村人を案内した。水辺に転がる、7メートルのワニ。そして15メートル近いアナコンダ。どちらも、村を襲ってきた恐怖の存在だった。
「旅の武芸者さま‥‥。お強いのですな!」
ワニと蛇はすぐさま村人の手で広場へ運び込まれた。
「僕は記念に皮を少しもらえればいいよ。持ちきれないから、後は村の皆さんでうまいこと分けてよ。」
「それなんですが‥‥。実は困った事がありましてな‥‥。」
リースたちはガルーダ騒動を聞かされた。
「じゃあ、この肉でおびき寄せられないかな?」
「えっ、まさか?」
「ついでだから、ガルーダも狩っていこうかと思う。」
「それは願ってもないですが。ガルーダは巨大な鳥で、いくら皆様方がお強いといっても‥‥。」
「大丈夫。任せてください。」
「で、誰がやる?」
エスターが確認する。
「言いだしっぺのリースでいいんじゃないかな。私はワニ仕留めたからもういいよ。」
ルクレツィアの一言で決まった。
「そうだな。私も蛇で十分だ。」
エスターが最終決定する。
「試したいんだよね、太陽の聖竜の加護を。」
ルクレツィアがけしかける。
「はいはい。みんな隠れてよ。大きなのがこっちに飛んでくるよ。」
羽を広げると20メートルはありそうな巨大な鳥が飛来した。猛禽類のような外観。ガルーダに間違いない。広場中央に置かれた蛇の肉に誘われて、バサバサと羽音をさせて降りてくる。
「ほう‥‥。今日は供物を用意していたか。」
ガルーダがしゃべった。
「喋る鳥はオウムだけかと思った。」
蛇の横から顔を出したリースが言った。
「うぬはなんじゃ?生贄のつもりか?」
リースの出現に驚いて、ガルーダが聞いてくる。
「僕は料理人だよ。今からここで焼き鳥を作るんだ。」
ガルーダを指差すリース。挑発して楽しんでいるように見える。
「エサの分際で‥‥。」
「エサじゃない。カーネルサンダースだ。」
「俺をフライドチキン呼ばわりするか!」




