啓示
ルクレツィアの話を聞き終えたリースたち。
「答え合わせを今からやろうと思うんだ。今夜は、星の声がよく聞こえる気がするんだ。」
そういうとルクレツィアは、まずはリースからと言って瞑想を始めた。
「異界からの渡航者、女神の使徒、竜の加護‥‥。驚いた。君は世界の外から来たのかい。」
ルクレツィアは言った。
「魔法のない世界の魂に属性はない、だから普通の魔法は使えないと言われた。」
「そうだろうね。あれは神族の力だよ。」
魔法を使ってみたいという願いを女神は聞いてくれたのだとリースは理解した。
「次はエスター。精霊王の器、世界樹の巫女、王家の剣姫‥‥。精霊王を探す旅の途中なんだね。」
「きっとたどり着いてみせるさ。」
エスターは力強く言った。手掛かりは掴んだ。あとはやるだけだ。
「マグダレーナは‥‥。」
ルクレツィアの顔つきが険しくなった。
「えっ、なに?何なのだ‥‥。こんな事って‥‥。」
額に汗が滲む。集中しようとするが、上手くいかない。
「もうちょっと‥‥。よし、捕まえ‥‥。マズい!」
ルクレツィアの上半身が、何かに弾かれたように後ろに倒れ込む。エスターが咄嗟に横から腕を伸ばして支えた。見ると、ルクレツィアの顔色は真っ青になっている。汗も出て、浅い呼吸を繰り返している様子から、予想外の事態だと分かる。
呼吸を整え、やや落ち着いたところで、ルクレツィアは小さく呟いた。
「マグダレーナは呪いを受けているね。殺されかけたこともあっただろう?」
「呪い、ですか。」
「そいつは私のことも殺そうとしてきたよ。気付くのが遅れたら危ないところだった。」
呪いのことをもっと探ろうとしたら、黒ローブの人物がダガーを投げてきたのが見えたという。あわてて、セッションを切って逃げることに成功したという。実際にダガーが飛んでくるわけではないが、精神にダメージを受けただろう。それほど強い殺意を感じたルクレツィアだった。
「私は聖騎士登用試験で、死ぬところでした。」
マグダレーナは小さな声で言った。事件のあらましを聞いて、ルクレツィアは眉をひそめた。
「マグダレーナは月の聖竜の加護をもらってるから、呪いで命までは落とさないだろう。でも、もっと加護を受けないと、危ないことには変わりない。太陽の聖竜の加護も受けないと。」
「でも、居場所が分からないんですよね?」
「地上でいちばん太陽に近い場所、星読みにはそう出たね。」
リースには心当たりがあった。
「胡椒を仕入れる国の北に、ものすごく高い山があるらしいんだ。」




