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本気

 ガツン!

 キーン!

 ドカッ!


 ミノタウロス王は攻撃を繰り出すが、リースはそれを平然と受け流す。


 シュッ!

 リースは隙をついて反撃に出た。ミノタウロス王の右上腕に一本の筋が入り,血が滲む。

「浅かったな。」

 並のミノタウロスなら、腕を斬り落とせていたぞ。固いな。

「おれに傷をつけるか。意外とやるではないか。」

 ミノタウロス王は不敵な笑みを浮かべた。

「あんたこそ頑丈過ぎだろ。」

 リースは不機嫌そうに返した。皮膚も分厚いが、体を覆っているバリアのようなものがあって、斬撃も威力をそがれてしまう。こいつを何とかしないといけないな。そこでリースは一転して攻勢に出ることにした。戦斧をかいくぐり、足や脇腹を狙って斬撃を繰り出す。

「素早いが、斬撃が軽いわ。」

 ミノタウロス王に数撃、当てるには当てたが全て掠り傷止まり。


「そんな‥‥。」

 エスターは、これほど苦戦しているリースを見るのは初めてだった。だが、自分の剣が通用するとも思えなかった。どうすればいいのか。リースを見ると、攻めあぐねている割には悲壮感がないことに気付いた。むしろ戦いを楽しんでいるように見える。

「ブリット!」

 魔力弾をぶつけてみた。

「ジュッ!」

 やはり阻まれてしまう。

「やっぱりダメか‥‥。」

「何だそれは。蚊に刺されたほども効かぬわ。」

 ミノタウロス王はニヤリと笑った。

「もう飽きた。そろそろ終わりにしよう。」

 そこから猛攻が始まった。リースは縦横無尽に繰り出される戦斧の攻撃を受け流すが、マチェットが耐え切れずに砕けてしまった。

「おわっ!」

 リースは折れた剣をパッと捨てると、攻撃を素手の打撃に切り替えた。

「まだまだッ!」

 懐に潜り込むと、ミノタウロス王の顎に強烈なアッパーを叩き込んだ。

「ダブルインパクト!」

 拳に重力波と衝撃波を乗せているので、威力は抜群。たまらずのけぞるミノタウロス王のガラ空きになった脇腹に回し蹴りを当てる。次いで鳩尾に重いストレートを打ち込んだ。ぐらつくミノタウロス王のあちこちに打撃をヒットさせてゆくリース。防御障壁のせいで、ノックアウトというわけにはいかないが、ダメージが少しづつ蓄積されていく。

「おのれッ!」

 たまらず両膝をつくミノタウロス王のプライドはもうズタズタになっている。

「おのれーッ!」

 同じセリフを繰り返すほど混乱しているようだ。立ち上がろうとするも、足にきている。

「コロス!」

 ミノタウロス王の下半身は凍り付いていた。殴りながら少しづつ凍らせていたのだ。

「オーラキャノン!」

 魔力砲が顎に炸裂。

「叢雲!」

 刀を一閃。勝負あった。

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