初見殺し
アンデッドが徘徊する第二層を抜けて、リースたちは最下層に下りた。
「どう?何かいる?」
ルクレツィアが尋ねた。
「数は少ないけど、変なのがいますね。」
何か浮遊タイプのがいる。白いセラミックのような外装のトルソーが現れた。
「オートマタか。」
見たことのないタイプだ。エスターが斬りかかった。
「キーン!」
甲高い金属音。ダメージがほぼないようだ。
「硬いな。」
何度かやってみたが、結果は同じ。恐ろしく物理攻撃耐性が高いようだ。
「やってみる。」
サーニャが炎の槍をぶつける。魔法攻撃耐性も高いようで、ダメージが通らない。向こうから攻撃してはこないで、フワフワ空中を漂っている。
(あれっ?)
リースは違和感を覚えた。オートマタの胸に丸いマークのようなものがあって、12枚の花弁状のものがあったのだが、数が減っている。
(タイマーみたいだ‥‥まさか!)
3枚から2枚に減った。残り2枚から1枚に。
「ヤバい!」
リースはハイキックで、オートマタを数メートル遠ざけると同時にバリアを展開した。
「ドカーン!」
最後の1枚が消失した瞬間、オートマタは自爆した。
「どういうことです?」
ルクレツィアが叫ぶ。
「時間内に倒さないと自爆するんだ!」
リースが答える。
「何だよそれ。初見殺しもいいとこじゃないか!」
イグニスが叫んだ。
2体、3体と遭遇して分かったことがあった。攻撃せずとも、およそ5メートル以内に近づけばカウントダウンタイマーは作動する。その際にエリアにいた相手を認識して自動追尾するので、狭い迷宮内で逃げられる可能性はほぼない。
(考えろ。何か策はあるはずだ。)
リースはあれこれ考える。
(爆弾の処理って、警察や自衛隊はどうやってた?液体窒素で冷やすとか‥‥?)
リースはテレビで見た光景を思い出した。
「アブソリュートゼロ!」
タイマーごとオートマタの作動停止に成功した。その状態でならソニックブレードで切断できることも分かった。難敵だけに経験値もまた破格だった。エスターとマグダレーナも撃破成功した。イグニスとカレンも成功。メイジのサーニャ、ルクレツィアもロッドで殴り、エマも真似してそれぞれレベルアップを果たした。
「でも、魔法が効かないのにどうやって凍らせているんですか?」
「エマさん、それが僕のスキルなんだ。」
熱力学の講義をしても理解されないだろう。とにかく、難敵オートマタの攻略ができたのだ。リースたちは先へと進んでいった。
だが、次なる強敵がそこに待っていた。それはスライムだった。




