表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/52

無敵のメイプル

「本船の人的被害は、軽傷者が2名のみであります。船体の損傷も軽微であり、航行に支障なし。救援に感謝いたします。」

 被害状況の確認も済んで、2隻はオリュンポス港へそろって入港した。シーサーペント撃破の翌々日のことだった。だが‥‥港で出迎える群衆の熱狂、勢揃いの領主やギルドの首脳たち。何か様子がおかしい。

「すごいぞ、無敵のメイプル!」

「あれが白銀の剣エスター様?噂通りステキな方ねー!」

 何が起こっているんだ?

「あら?」

 風で飛来した新聞を拾って読んだルクレツィアは、すぐにあっと声を上げた。

「兄様‥‥。」


『一昨日起こった客船パルテナ号シーサーペント襲来事件だが、同船を救ったのは、近くに居合わせた貨物船シュバルツ号に居合わせた【ブルームーン】だった。

 パルテナ号の護衛【スカーレット】が奮戦するも、シーサーペントの攻撃は熾烈を極め、同船は沈没の危機にあった。その危機に颯爽と駆けつけてシーサーペントを撃退した【ブルームーン】とは?

 リーダーのエスターは「白銀の剣」の二つ名を持つエルフ。少女歌劇にいるような長身と、華麗な剣捌きで特に女子冒険者から熱烈な人気がある。

 その相棒を務めるのは、本職が商会員という少年リース。マイセン流剣術の使い手で、実力はB級以上だが本人の希望で昇級が見送られている。そこから「無敵のメイプル」の二つ名で呼ばれている。

 なお、これらの情報はギルド総本部への取材で得られた確実なものです。』 


 ルクレツィアによると、彼女の兄エルバン皇太子殿下とギルド総本部のグランドマスターとは騎士学院で同級生、旧友同士というか悪友だという。

「私のいるパーティーが無名だと困るとでも思ったのかしら。」

「うちの兄も一枚かんでる。マイセン流なんて、身内情報だよ‥‥。」

「目立ちたくはなかったのだが。」

「ルクレツィアの動向をつかみやすくするのに、目立つよう仕向けられたみたいだね。」

 妹が心配でならないシスコン皇太子のおかげで、とんでもない二つ名をつけられた。ロマリアでの尾行も皇太子の仕業だろう。追っ手をまいた事に対する意趣返しか。リースとエスターは顔を見合わせてため息をついた。


 【スカーレット】の四人も新聞を見ていた。

「すごい人達だったんだね。」

「あちらにはあのルクレツィア姫も。」

「シーサーペントを吹っ飛ばしたのは姫さんじゃないの?」

 エマとイグニスとカレンに、サーニャは言った。

「みんな会いたいよね。ちょっとパパに頼んでみる。」

 サーニャは領主の娘なのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ