表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/52

ルナ

 洞窟内にも認識阻害は働いていた。

「いにしえの大魔導士の隠し財宝かな。」

 だが、洞窟の奥から何かを感じる気がした。索敵はずっと働かせているが、反応はないままだ。一番奥に着いたとき、さすがに僕は、巨大な生き物の存在を感知していた。


「何なんだこれ!」


 伝説で語られる存在、物語本の主役、ドラゴン。だが、眠っているようだ。僕は気付かれないように脱出しようとしたが‥‥失敗した。

「人間か‥‥千年ぶりじゃな、客人がここに来るのは。」

 低めの女性の声に聞こえた。

「どれ、この時代の人間のチカラ、確かめさせてもらうぞ。」

 ドラゴンが襲って来た。


 リース、ジョブはエクスプローラーでレベル49。ドラゴンにかなうわけがない。ブレス攻撃もなく、じゃれるように前足を振るうだけだったが、かわすので精一杯。何とか音速剣を当てるが、鱗に傷をつけただけでダメージが入らない。

「ほう‥‥。わしの体に傷をつけたか。」

 ドラゴンはちょっと本気になったのか、爪の動きが速くなった。

(ヤバい、避けられん)

 咄嗟にバリアを展開するが、あっさり砕かれた。巨人サイクロプスの渾身の一撃にも耐えたのに。格が違いすぎる。

「グァッ!」

 身体強化をして防御姿勢をとったが、左腕の骨が折れたようだ。僕は弾き飛ばされて、岩壁にたたきつけられた。

(あばら骨2、3本折れた)

 ドラゴンが近づいてきた。マチェットはさっき飛ばされた時に手を離れている。僕はその時、ドラゴンの胸の鱗が1枚だけ欠けているのを見つけた。

(やるしかない。)

 右手に全魔力を込めて構える。だけど僕の魔力量は知れている。極限まで集中だ。密度を上げるには、時間軸を詰めるのだ。一瞬をイメージするんだ。

「エーテルストライク!」

 


 意識を取り戻した時、僕は温かく柔らかいものに頭を乗せていた。膝枕、その言葉が浮かんだ。薄目を開けて、それが正解だと分かった。見知らぬ少女に膝枕をされて、僕は寝かされていた。


「起きたか?」

 声がした。それは、あのドラゴンの声に似ていた。反射的に僕は飛び起きた。

「これ、びっくりするではないか!」

 

 改めて少女を見る。年は11~12歳くらいに見える。長いシルバーブロンドの髪。薄手のシルクのような半透明の下着っぽい布をまとっている。

「わしは月の竜、ルナじゃ。死と再生を司るものじゃ。」

 この少女がドラゴン?何を言っている?

「仕方なかろう‥‥。おぬしがわしの体を吹き飛ばしてしもうたでな。ほれ、見てみよ。」

 ルナはそばに落ちているものを指さした。二つに割れた大きな卵の殻が落ちている。復元すれば80センチ近いサイズだ。まさか‥‥。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ