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違和感

 翌日、作業続行。


 だが、やはりゴブリンやコボルトがウロウロしているのだった。それらが狩って食料にしているのだろう、事前に聞いていたネズミやゴキといった害獣の大量発生が見られない。


「私は虫がキライなんだ。」

「エスターさん、ネズミのほうが私は嫌です。いなくて助かります。」

 女性らしい感想だな、リースは思う。だが‥‥。

「食料が尽きれば、奴らは外に出てくるよ。」

「あっ、リースさん‥‥。」

 マグダレーナは顔色を変えた。そうなのだ。街中にゴブリンとかコボルトが出歩けばどうなる?

「今のうちに何とかしないと、だな。」

 リースは索敵スキルを駆使して、魔獣の居場所を言い当ててゆく。そして、3日であらかた処理を終えた。


 4日目、リース達は下流側にいた。市街地から少し外れた場所になる。その先で下水道は地下から地上に姿を現す。頑丈な鉄格子が外敵の侵入を阻んでいる。外からの光が石積みの壁を照らしている。

「足跡がある。」

 少し手前のマンホール蓋に、割合と最近に開けた形跡があった。セキュリティの観点から、土に埋めてある。開けたときに落ちたであろう土が石畳に少し積もっていた。その近くにコボルトやゴブリンの足跡があった。

「ここから入れたな。」

 誰が?何のために?


 その日の午後、リースたちはギルドマスターの部屋にいた。


「ご苦労様でした。」

 ギルドマスターはエルフの青年だった。エスターの知らないエルフだった。

「エスターちゃんとは39年ぶりに会うのかな。君が産まれたすぐ後に僕は人間の世界に来ちゃったからねー。ご家族はお元気ですか?」

(エスターは僕と同い年か‥‥。もっと年上かと思った)

(リース、君は今なにか失礼な事を考えただろう?)

 顔を見合わせ、微妙な空気に包まれる二人。

「ギルマス、ちゃんはやめてくれ(殴ってやろうか)」

「あ、ごめんねー。」

 何だか調子の狂うギルマスである。ただ、おちゃらけてはいるが、実力者には違いない。

「で、新人聖騎士のマグダレーナちゃんと‥‥そっちの君。」

 ギルドマスターはリースをじっと見て、ニヤリと笑った。

「リース君はすごい称号を持ってるね‥‥。異世界転生者に女神の使徒、月の護りと大地の護り、ドラゴンスレイヤー、すごいわー。」

 エスターはびっくり、マグダレーナはポカンとしている。

「な、ナンノコトデショウ?」

「リース、後でじっくり話は聞いてやる!」

 

「ギルドの鑑定力は特別でしてね。要人護衛クエストで好ましくない冒険者を派遣すれば、責任問題とか出てくる訳でねー。」

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