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18話 デートのお誘い

それから数日後、俺はナタリーと前に約束していたグリンダムの案内をしてもらう事になった。


そのまま出かけるとまたキャーキャーとグリンダムの女の子達に騒がれてしまうので俺は町のみんなに気づかれないように幻術魔法をかけた状態で、出発する事にした。


俺は待ち合わせの少し前に待ち合わせ場所である市庁舎前にやってきた。


俺は周囲を見渡すがまだナタリーの様子が無かった。


「ナタリーはまだか。」


するとすぐにナタリーがやってきた。


「ごーめん、ジャン?待ったかな??」


「いや今来た所だよ。」


「良かった。ジャンには絶対に嫌われたくないからさ。」


「うん?どういう意味だ??」


するとナタリーは顔を赤くして首を振り続けたのだった。


「あっ、いや、別に深い意味はないから気にしないで。」


「そうか?ならいいんだが。」


ナタリーはなぜか恥ずかしそうな顔をしている。


「それじゃあ今日はグリンダムの案内をしてあげるね。」


「ああ、頼む。」


「ところでさジャン?なんで今日はなんで透明魔法のスケルトンを使ってるの?それじゃあ町の人達からはたぶん見えないよ?」


「それが俺が出かけると行く先々で騒がれちまうからな。気づかれないようにスケルトンをかけてるんだ。」


「そっかジャンも大変だね。だけどそれだとお店で買い物できないよ?」


「そうなんだよ、そこがネックなんだよな。」


「いいよだったら私がジャンの代わりに買い物してきてあげるよ。」


「いいのかナタリー?」


「うん、もちろんいいよ。それじゃあ何か飲み物買ってくるね?」


ナタリーはそう言うと嬉しそうにドリンクショップに走っていった。


俺はその場所でナタリーを待っていると、後ろから声を掛けられたのだった。


「あれっ?ジャン君?」


俺が振り向くとそこにはミリアさんが立っていたのだった。


「あっミリアさん?ミリアさん体調はどうですか?」


ミリアさんは嬉しそうに俺に言った。


「ジャン君のおかげでかなり良くなったわ。あれからずっとジャン君の事ばかり考えていたから。」


「あ、ありがとうございます。」


「ミリアさんは俺が見えるんですか?」


「ああ私補助系のスキルや補助魔法はかなり得意なのよ。たぶん看破のスキルを覚えているからだと思うわ。まあ攻撃系の魔法やスキルは一切使えないんだけどね。」


そうなのか、ミリアさんが補助系スキルが得意だとは知らなかった。


そういえばナタリーも補助魔法が得意だしな。


俺がそんな事を考えているとミリアさんが俺にこう言った。


「そうだ、ジャン君?今から私とデートしましょうよ。」


「えっ?デートですか?」


ミリアさんが嬉しそうに俺に言った。


「そう、ジャン君とデート。」


するとミリアさんは俺の傍に寄ると、そのまま体を俺にひっつけてきたのだった。


ミリアさんはさらに体を寄せて俺に抱きついてきたのだった。


ミリアさんの胸が俺の背中に当たるのだった。


「ミリアさん?」


するとミリアさんは笑顔で俺にこう言った。


「ジャン君?あのときデートの約束をしてくれたよね?それにジャン君に好きなだけ抱きついていいって。」


ああそういえば確かにミリアさんとそんな約束をしていた気がする。


「そうですね。」


ミリアさんが微笑みながら俺に言った。


「なら今日は私とデートしましょう。ねっ?いいでしょう?」


俺は抱きついているミリアさんへの返答に困った。


「でも、その。」


するとミリアさんが寂しそうな顔で俺に尋ねた。


「それともジャン君?私に抱きつかれたりデートしたりするのは迷惑かな?」


「そんな、迷惑だんて全然そんな事はないです。」


ミリアさんがまた微笑みながら俺に言った。


「良かった??じゃあジャン君?今日は私とデートで決まりね?ジャン君どこにいく?」


この間もミリアさんは俺に抱きついており、ミリアさんの大きな胸が俺の体に当たり続けていた。


俺は冷静にミリアさんと話す事ができなくなっていた。


俺が恥ずかしく思っていると、ナタリーがドリンク店の中からダッシュで俺の所に戻ってきたのだった。


「ちょっとお姉ちゃん?なんでジャンに抱きついてるの?」


「あらナタリー??あなたもいたの??」


「お姉ちゃん?ジャンから離れてよ!!」


「えー?だって私ジャン君と離れたくないのよ。ずっとジャン君と一緒にいたいの。」


ナタリーがかなりムキになってミリアさんに言った。


「お姉ちゃん、お願いだから早くジャンから離れて!!」


ミリアさんは残念そうな顔で、ようやく抱きつくのを止めてくれたのだった。


「ちょっとお姉ちゃん?今日用事あるって言ってたじゃない?」


「ええ用事があるわよ。ジャン君を探してデートに誘うっていう用事がね。」


「私が先にジャンと約束してたんだよ。」


「だってナタリー?あなたたらジャン君とデートするなんて一言も言ってなかったじゃない?」


するとナタリーはなぜか顔を赤くしてもじもじしているのだった。


「いやこれはデートとかじゃなくて、何ていうか、そう!!ジャンにグリンダムの道案内をしてあげよっかなーって思ってただけなの。」


「えっ?じゃあナタリー?ジャン君とデートするんじゃないの?」


ナタリーはなぜか顔を赤くしていた。


「違うよ、これはデートとかじゃないから。ジャンにグリンダムの道案内してあげたかっただけだから。」


「ふーん、だったらナタリーもう帰っていいわよ。ジャン君には私がデートがてらグリンダムの案内してあげるから。」


ミリアさんはそう言うとまた俺に抱きついてきたのだった。


ミリアさんの胸がまた俺の体に当たっていた。


「そんなのダメに決まってるでしょ。」


「どうして?デートじゃないなら別にいいんじゃない?」


「とにかく絶対にダメなの?私も一緒についていくから。それよりもお姉ちゃんはやくジャンから離れてよ。」


ナタリーにそう言われると、ミリアさんは抱きつくのを止めてくれたのだった。


こうして俺はミリアさんとナタリーの三人でグリンダムの各所を見て回る事になった。


まず俺達はグリンダム中央市場へと向かった。


ラズバーがいたころは閑散としていたが、今はほとんどの店が営業を始めており、市場の中は人でごった返しているのだった。


市場のあちこちでは買い物に来た人々が商品の品定めをしていた。


俺は中央市場を見渡してみた。


「結構賑やかになってきたな。」


「これがグリンダムの元々の姿だよ。」


「そう、いつどこにいっても人でごったがえしてる。それがグリンダムよね。」


「ジャン君?カスレイドっていうのがあるんだけど?食べてみたくない?」


「どんなお菓子なんですか?」


「甘さは控えなんだけど、ツルっとした食感がくせになっちゃうお菓子なの。」


「へえ、なんかおいしそうですね。食べてみたいですね。」


「分かった、じゃあちょっと待っててねジャン君?今から買ってくるわ。」


そう言うとミリアさんはそのカスレイドというお菓子を売ってる屋台に歩いていたのだった。


「ジャン?ルーデル焼きまたほしくない?」


「えっ??そうだな、そう言われるまた食べたくなってきたな。」


「分かった、すぐに買ってくるね。」


そういうとナタリーはルーデル焼きが売っている売店へと走っていった。


なんかナタリーがミリアさんと張り合ってるような気がするんだが、気のせいだよな。


ナタリーとミリアさんは仲がいいらしいし、張り合う要素が何もないんだからたぶん気のせいだろうな。


俺がそんな事を考えていると、また声を掛けられたのだった。


「あっ?ジャン様??」


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