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第7話
いやいや、絶対すきでしょ。
どう見ても桃花さんに好意があるでしょ、あれは。
桃花さんとあの女性とのやりとりを思い出して白川は向かいに座る件の人物に視線を向けた。
向かいに座る人物は微塵も疑わないようで不貞寝を決め込んでいた。
これは機嫌が悪い時の桃花さんだと白川は理解していた。
魔法管理官として務め出してはや数ヶ月。
同期よりも遅れを取り戻そうと通い詰めてはいるものの、一向に魔法を使いこなせる気配はない。
桃花さんはこうして送り迎えはしてくれるもののとくに追言することはないようだった。