表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おっさんの徒然エッセイ

オークやゴブリンの生殖問題について



 本稿はオークやゴブリンが他種族との交配のみで繁殖するという設定の作品における、オークやゴブリンの生殖についての考察です。


 オークやゴブリンの元々の設定では無いんですが、上記のような設定の物語も多いと思います。この場合、オークやゴブリン(Aとします)は種族としてオスしか産まれず、繁殖のために異種族との交配を行うとなっています。


 さて、現実の異種交配はどのようなものがあるでしょうか。

 まずは植物はどうでしょうか。同じ種に属するものであれば交配は可能ですね。

 動物ですと、遺伝子の共通性が高ければ染色体の数が多少違っていても可能ですね。

 例えば実際に交配が成功した例をあげるなら。

 馬とシマウマ

 ライオンと虎

 ライオンと豹

 などがありますよね。

 ですが、上記したものは全て人工交配による雑種です。自然交配によって雑種が産まれることもあります。人間で言えばハーフは亜種同士の交雑になりますし、犬や猫などの雑種もそうですね。

 しかし、生殖器の違いや妊娠期間や体格の違い、また受胎胚がほぼ100%致死するなどの不一致により、自然交雑が不可能な場合(生殖的隔離)が多く、そうした場合、体外受精などが必要になります。

 人工交配による交雑は植物の品種改良やペットの品種改良に使われますが、メリットばかりではありません。品質の向上や耐病性が強くなることもありますが、反対に奇形が出る、病気に弱くなる、生殖不全に陥るなどのデメリットが出ることもあり、実際にはこちらの方が多いのが実状です。

 日本で人気のスコティッシュフォールドなども、実際には軟骨の形成不全による奇形種だったりしますね。

 ライオンと虎の交雑種ライガーや馬とロバの交雑種ラバなども、生殖能力が不全だったりします。


 そして、人間という話をするならば、我々ホモサピエンスはかつて、ネアンデルタールとの間で交雑していたことがわかっていますが、ホモサピエンスとネアンデルタールは同じヒト属に分類できる上に、生殖行動なども一致していると考えられますからおかしくはないですよね。

 1920年、ソ連のイリヤ イワノフはチンパンジーやオランウータンと人間の交配実験を行いましたが、失敗しています。

 1967年には中国で同様の実験が行われましたが、これも失敗。

1970年代にチンパンジーと人間の交雑種「ヒューマンジー」として来日したオリバー君は、日本で行われた遺伝子検査の結果、純粋なチンパンジーであると証明されましたね。

 近年の研究で中国が赤毛猿の脳に人間の遺伝子を移植したというのがありましたが、こちらは除外で。

 チンパンジーと人間の遺伝的共通性は96%を越えますが、チンパンジー属であるチンパンジーとヒト属である人間では、例え体外受精でも交雑がほぼ不可能なことの証明だと考えられます。


 と、長々と書きましたが、遺伝子による生殖では、種を越えた生殖は不可能であり、同じ属にいる亜種同士の交雑くらいが限界なんですね。

 で、これを踏まえて、Aが他種族と交配出来る理由を考えると下記の3点になるかと思います。

1 実はAはエルフやドワーフなんかと同じ人間の亜種


2 異世界の生殖が遺伝子によるものではない


3 異世界の生殖はこちらと変わらないが、モンスターの生殖は特殊


 まあ、だいたいこんな感じかと思いますが、一つひとつ考察していきましょうか。


 1 実はAは人間の亜種


 エルフやドワーフなんかを妖精族ではなく、人間の亜種として、亜人なんて呼んでる作品も多いですよね。そして、こうした亜人と人間は子供を自然交配して産むことが出来る。

 なら、実はAはその見た目や生態からモンスターとされているだけで、人間の亜種だと考えられないかということですね。

 かなり、体格や見た目が違いますが、例えばスタンダードプードルとプードルは大人と子供ほどの体格差がありますし、犬の亜種には最大で体長1メートルをこえるチベタンマスティフもいます。

 猫なんかもエジプシャンのような無毛種から、ノルウェーキャットのような長毛種もいますよね。

 ただ、オークほどの体格となると、母体が妊娠中に破裂しそうではあります。


 2 異世界の生殖が遺伝子によるものではない


 まあ、これなんでしょうね。

 例えば魔力のようなものが融合して受胎するみたいな。曖昧模糊としていて申し訳ないのですが、減数分裂した精子と卵の受精ではなく、別の方法なのだとすれば、Aが他種族との間で生殖できる理由になります。

 これは異世界転生ならまだしも、異世界転移した主人公が子作りできる理由にもなりそうですよね。

 同じ人間の姿をしていても、異世界人とこちらの人間が同じ生殖構造かはわからないわけですが、魔力による生殖などが行われているなら、説明できるかもしれません。

まあ、異世界に転移した段階で同じ体に見えてすでに異世界人の体として作り替えられているのかも知れませんけどね。魔力とか持ってる訳ですし。


 3 異世界の生殖はこちらと変わらないが、モンスターの生殖は特殊


 これも考えられますよね。

 モンスターの発生条件は魔力を練り上げて形づくるもので、モンスターの体は高濃度の魔力結晶のようなもの、だから倒すと経験値が入ったり、ドロップアイテムがある、なんて逆算していってみたり。

 まあ、オス単体ではAは子供を形成出来ないけれど他種族でもメスの魔力と、それを融合するための子宮が必要となるため拐っていく。そんな感じでしょうか。


 だらだらと書いた割にはたいした考察ができて無いんですが、結論から言うとやっぱり非効率ですよね。


 生物としての自然な生殖行動としてはあまりにも不自然で非効率過ぎる。

 モンスターとして、特殊な生殖能力を有していると考えても、わざわざ他種族と争う必要のある生殖能力は本末転倒で、魔力などで個体を産み出せるのであれば、最悪は単体で無限増殖するくらいのことをしても良いとも思ってしまう。


 オークやゴブリンの残虐さや非道さを強調するための設定なんだとは思いますが、旺盛な繁殖力で時には脅威となるほどの軍勢をつくりあげる、みたいな扱いだと、ここまで効率悪い方法はなんだかなって思ったりするんですよ。


 まぁ、くっころのための布石だと思えばいいんですかね。Σヽ(゜∀゜;)ソレハダメ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ・・・このエッセイではなく・・・ 『猫乙さんにこのエッセイを書かせてしまった風潮』への『感想』です。 [一言] みんな、『薄い本』に騙されてないで、とりあえず『シルマリル』読もうよ? …
[良い点] 豚化最高! [気になる点] 他種族との交配のみで繁殖する設定 う〜ん、やっぱりそれは、 オークの醜さ、乱暴さに対する一種の尊敬ではないでしょうか。 それを際立たせるために必要な要素とい…
[良い点] 今までサラッと流してきたので少し新鮮でした。 [一言] 今パッと考えたのですが、例えば「女騎士とか女冒険者をくっころさせているゴブリンはオスだけではない」とかどうでしょう?昆虫の卵管という…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ