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時間を旅する世界  作者: 下の蠍
1/2

始まりは雨の降りだしのような

「お、おい!もうやめようぜ」

小型のTTM4056式にのり暗闇を進む少年たち

「何言ってんだ!!これを見ろ、もう戻れないだろ」

少年の一人が粒子分布投影機を展開させる

「ばかっ!光を出したら」

慌てて止めようとするが、時遅し

『により、徳川埋蔵が見つかりました。土地の所有者問題等で捜査が難航していましたが、所有者立ち合いでの捜査で合意のほうへ進み、今日の16時頃に伝承にもあった山吹色の箱が発見されました』

「おいおい!!あのくそ狸約束破ったぞ」

『中身は、あ、はい。なかみは事件性の高いものと推測されたため――』

中身は伏せられていたが少年たちは知っていた。

「なぁ、どこの時間に逃げる?」

「いっそパラレルに」

「いや、TTMじゃむりだろ」

「いけるかもしれねぞ」

「どうする?リーダー」

「いこう、戻って殺されるか、この機体が壊れて死ぬか。変わりはない。なら希望のあるほうに賭けよう」

少年らを乗せたTTMは暗闇の横を切り裂いて消えていった。



彼はソファーに座り薄暗い廊下でニュースを睨みながら泣いていた。

「まぁきを落とすな、おらよぅ」

後ろからスーツのおっさんがコーヒーを持ってきた

「あんたは!!!!!」

彼はやっけになっておっさんに殴りかかった。

「おっと、俺らは関係ねぇで」

「じゃぁ何しに来た。嫁を殺された俺をあざ笑いに来た。だったら殺すぞ」

「俺にもおまえにもいい話だ」

「なんだ」

「時空警備隊の国側、おまえさんの属しているほうに不審な動きがあるそうだ」

「それのどこがいい話だ」

「ガキ相手に違法にTTMを売ってるらしい」

「ソースが薄い、特に敵のおまえの情報となるとな」

「俺らの島でガキ相手にしかも警備隊の奴と来た、お前ならわかるだろ。俺らがガキ相手に商売するとでも?」

「ちっ」

「そんで、こっちのつかんだ情報によると。今回の次元断裂はガキらが時空違反おこして逃げてそん時の行き先をパラレルにセットしたのが原因らしい」

「で、俺にはメリットあるがお前は単に商売敵をやっつけてほしいって感じではなさそうだがな」

「最近度重なる時空違反を見逃している日本国営会社時空警備サービス。そろそろ民間に越されそうだろ?そこでだ、俺のファミリーの経営している警備サービスに全権移行されるようにちょいっと工作してくれればいんだよ」

「できん」

「生憎だがお前の子供の居場所は知ってても犯人は見当がつかん」

「脅し、ですか?」

「いやぁ?ちょいと職権乱用して過去を見て犯人の写真を撮ればいいだけさ。そもそもあんたらは時空違反をなかったことにするのが仕事だろ?そん時ちょいと細工すれば奥さんだって助かるだろってことさ」

「私は私の職務を全うする!悪魔の囁きになど傾かん!!」

「まぁいいさ、ただ助けが必要なら呼んでくれ愛すべき姉の仇でもあるからな」

「くっ……」


翌日


「すまんが、君は今回の捜査を外れてもらう。あ、いや君には少し休みが必要だろ?」

「何でですか」

「私情に走っては元も子もないだろ、僕もねぇ若いときは――」

「もういいです!!!!」

「あ、こら」

社長の言葉を無視して彼は扉の外へ出て行った

「あ、松野君いんきー!!」

彼の背中を研究員のような服装の女がおした

「いって、なんだ。有留瀬か」

「そっか……ごめん!忘れて」

有留瀬と呼ばれた女はなぜ彼が暗いのか思い出し涙を流しながら謝った

「あ、あぁだが気にしないでくれ。今暗いのは今回の捜査から外されたからだ」

「え……私が今から掛け合ってきます!!!」

「いや、いいよ。ちゃんと理由があるんだ。私情が絡むと変えちゃいけない事に触れてしまうかもしれないからな」

「そうなんですか、じゃあ捜査で得れたデータを松野君に横流すね!」

「い、いやそこまでされんでも」

「いいの、お葬式いけなかったお詫びよ」

「ありがとう、有留瀬もたまには役立つな」

「少し言い方が気になるけど!!まぁだからしっかり休養取っていじりやすい松野君になってね!!」

「あ、あぁ」

同僚と会話をしたおかげか先程の件をほぐしてくれる何かがあったようで、気が楽になったようだった。

62階にあるオフィスの窓から飛び降りそのまま自宅へと飛んで行った。

彼は自宅に戻るとさっそく置き書きを始めた。

[最近妙な事件、歴史的発見というのが増えた。

寒永49年ごろから始まった世界的なタイムトラベル事業による時空違反が影響していると思われる。

私はその時空違反を止めるべく日本国営会社時空警備サービスに入社した。それからいくつもの事件を解決へ導いた。そんな中私は今の妻に出会った。彼女は時空警備サービスに私より古くからいて業績も良かった。そこに惹かれたってよりはなんだろう、親が同じ次元断裂で亡くなった者どうしってのが決め手だっただろう。親のような人を増やさないためにも頑張るって意思が。そんな彼女も皮肉にか親と同じ死に方をした。しかし現実は醜い。私にだけ言われたが死体は見つかってない。左手のみ見つかったと。まだ生きてるかもしれない、なんて思ってしまう。それもあってか原因捜査を名乗り出たが蹴られてしまった。いつも明るく貶してくる同僚が私との会話にほうじ茶を持ってこない事件が起きるほど、周りに影響を与える事件の被害者を参加させたくない。悲しませたくない。って意図なのか原因操作をしたいからなのかは知らない。だから私は単独で操作することにした。これを見た方は私のPCにあるファイルを開いて確認してほしい。]

少し感情的になって書いたせいか文法が滅茶苦茶な文。

彼は少し夕日の見える空を暗い部屋で眺めながらどこかへ電話をした。


TTM6700式


「マツボウ、新作を試してぇなんて珍しいじゃねぇかしかも並行世界への試験もしてくれんだろ?」

「えぇ、突然ですいません」

複数の工具をサブアームに持たせ機械の調節をしている女性。

背丈は松野より低く肌は褐色、髪色は金髪とギャングガールのような見た目、彼女は元時空警備サービスの開発局技術顧問アヤ・ガルイダ、日系シュメール人だ。

彼女は時空違反をして産まれた子供として特殊施設で育てられた後、人種の掛け合わせのお陰か発明に長けていた為スカウトされたらしい。

ただ、決められた物を発明するのが性に合わず辞めて個人開発にいそしんでいるそうな

何故か目をつけられた彼はこうして新作ができる度、呼ばれ断っての中だった。

「だがいいのか?あんなことがあったばっかだろ?」

「無理なら無理でいいですが今からする話は他言無用で頼めますか?」

「おうよ」

「新作を試しに来たんじゃなくてあの事件を捜査する為にどうしても必要だっただけなんです」

「ふーん、まぁそれなら協力するよ。1000年一世界毎メンテに戻るのが不便だろ?便利な技術屋は欲しくねぇか?」

「お願いします」

「おーし、じゃぁ荷物詰めこめ!!ほら、俺の分も」

「って!なんでもう荷物まとめてんすか!」

「ん?予言さ。なんせシュメール人とのハーフだからね」

「シュメール人が予言できたなんて記述見たことないですけどね」

「マツボウ。ジョークだよ。ほら、お前以外に頼める奴いねぇからな!!自分で行くってこともあるし用意してるんだわ!」

「なんかすいません」

「あ、申請書取るのまだだったんだスマン取ってくる」

「いや、事が事だし職権乱用しますかね!!」

「おまえホント時々だが面白い事いえるよな」

「さて、ふざけてる間に荷物終わりましたよ」

「よし、エルフスタ起動」

アヤがTTM6700式のAIに話しかけた

『エルフシタ起動を確認。操縦者はアヤでいいですか?』

「おけおけーえっととりあえず次元層へ」

『了解しました。では次に管理局への申請が受理されていることの証明をお見せください』

「マツボウほら」

「ナンバー9081より、ファイル4093の捜査へ」

『失礼いたしました。行き先次元層。任務にて必要確認事項の簡略化。最後に安全器具を着用ですか?』

「おう!」「はい」

『それでは良き成果を』

特殊プラズマが機体を包んだ。

そして果てしない暗闇が訪れた。

「うわっやっぱ暗っっ!」

「いや、普通ここには入りませんから」

そう、次元層はワープのできない機体の通り道でここ200年使われていない為本来あった指標灯が撤去されたのだ。

「だけどさぁ認可とらないやつらの行き先なんてここしかないよ」

「でも二日前の足取りなんて掴めますかね?私のとこの最新機器でさえも23時間が限界ですよ」

「わかってねぇなマツボウは、技術提供はどこだ?」

「アジア平等共和国ですけど」

「俺が誰か知ってるか?」

「もしかして?」

「そうさ、一週間分の調査くらいちょちょいのちょいよ」

「おぉ!!ってこの赤い沢山の点なんですか」

「あのな、最近国は調査の時ここは使ってないんだよな?」

「え?そうですけど、民間はともかく僕らは使う必要なんてありませんよ。なんせ時間軸を割り出せますから」

「だったら何で国関係者触れちゃいけねぇってんでレッドゾーンとして赤い点表記した奴らがぁぁ」

アヤが取り乱す。それもそのはず。この付近は慣れてないと迷子になるレベルの漆黒で仮にここで警備及び捜査を実施する時は行き先まで態々指標灯を張りに行く程の場所なのだ。

「怪しい奴の痕跡がなくてお前らの痕跡がある。しかも多数」

「じゃぁ足取りを掴むのは難しいってことか」

「いや、次元断裂の原因は無理な多重世界移動のせいだ。それで、アイツが亡くなったんならその痕跡を探せばいい」

「じゃぁ小型偵察機貸してください」

「いや、安心しろ。この機にはスキャニングがある」

「え、最近世界唯一の違反取締率九割を出した国家シウフィナーが他国に向けて売り出してたあれ?」

「そうだ、ってかそもそも国規模ならシウフィナーだけど個人規模なら俺だよってんだ」

「つまり先手はアヤってか?」

「ご名答!まぁ簡単だよ。飛び交うガイロス粒子を高熱にかけてガイ粒子とガロス粒子に分断しガロス粒子を飛ばしてその返ってくる速度と時間で性質奥行きなどを概算して最終的にガイロス粒子に戻れなかったガロス粒子に反応をした物質から概算的な―――」

「あぁもういいよ!すごいのはわかったからさ」

「チェッ、まぁつまり世界での最先端は俺にとっては過去なんだよ」

「じゃぁ暇になるのかぁ少し仮眠とっていい?」

「あぁあんまり言えなかったがお前目元のクマがひでぇしな」

「なんか進展があったら起こしてください旧富士山がつかるくらい深い眠りでも起きますよ」

ちょっとしたジョークをかわし副操縦席から奥の液体壁を超えて仮眠室へと向かった。






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