ゲーム・スタートと探索
やっぱりチート・・・。
後は、魔法以外にも武器が欲しいけどどれにしようかな?
うーん・・・そうだ!ガチャでも回してみよう。なんか良い武器が手に入るかもしれないし、今出ているやつって性能が普通だからちょっと不安なんだよね。ポイントも10連ガチャ10回できるし、1回くらいならいいんじゃないかな。よし!やろう!ここに来て二日目でやることになるとは思わなかったけどそんなこともあるだろう。
えーっと、SSSランク確定10連ガチャをポチッと。
[ ロングソード(Dランク) ]
[ ショートソード(Dランク) ]
[ ロングソード(Dランク) ]
[ ワンド(Cランク) ]
[ ウッドボウ(Cランク) ]
[ 錆びたロングソード(Gランク) ]
[ ウッドソード(Fランク) ]
[ 日本刀(Bランク) ]
[ ダガー(Dランク) ]
[ 暴食と死神のダガー(SSSランク) ]
おお、なんかすげー。(名前はスルー)かっこいいじゃんこのダガー。他のやつはどうでもいいけど、ダガーはかっこいいな。それにAGIが高いから僕に合ってると思うし、中々いいんじゃない?
これって、武器の説明とかあるかな?えーっと、あったあった。
[暴食と死神のダガー](SSSランク)
暴食の王『ベルゼブブ』が死神『タナトス』から貰ったことからこの名前が付いた。切り裂いた物を所有者の任意で死滅させることができる。殺した生物の血を吸わせる事でこの武器は強くなることができる。また自身の血液を刀身に塗り、契約を交わすことでこのダガーの正式な所有者となれる。
えっ、血を塗るの?ちょっと嫌だな。・・・やるけど。
ダガーの刃に指の腹を当てて薄く切ると血が滲み出してくる。それをダガーの刀身に撫でるようにして塗っていく。
「契約ってどうすればいいんだろう?我、この者と契約を交わす者なり。我が願いに答えよ。とか?」
(我を呼ぶ者は誰だ?)
「うわあ!?な、なに?誰?どこ?」
(貴様か、我を呼んだのは。)
「えっ、呼んだってダガーのこと?もしかしてダガーが喋っているの?」
(全く、人のことをダガー、ダガーと呼びおって。無礼な奴め。)
「えーっと、じゃあどう呼んだらいいの?」
(そんなこともわからんで我を呼んだのか!?我には名前がないのだ。名前は契約者が付けることが出来る。したがって、我を呼んだ貴様が我に名を付けることができるのだ。)
「そ、そうなんだ。分かった。ちょっと待ってて。名前を考えるから。」
いやー、びっくりした。ここに来てから驚きすぎじゃない?僕。まあでも剣がいきなり喋りだすんだもんね。しょうがないしょうがない。とりあえず、名前どうしよう?ここに来てから名前をつけるの多くないかな?いやいや、そんなことはないはずだ。とにかくこのダガーの名前を早く決めよう。うーん・・・タナトス・・・ベルゼブブ・・・ベルタナ・・・いや、ゼブトス・・・ベルゼトス。よし、ベルゼトスにしよう。
「じゃあ、ベルゼトスでいいか?」
(ベルゼトス・・・か。大方予想はつくが、ふっ、まあいいだろう。)
「よかったー。これから、よろしくねベルゼトス。」
(ああ、契約成立だ。よろしく、霧島聡いやマスター。)
「っえ?何で僕の名前、知ってるの?ていうか、マスター?」
(ん?おかしいか?我とお主は契約により繋がったのだ。名前くらい知っていても不思議ではなかろう。そして、お主は我の契約主。だからマスターと呼んだだけだ。)
「へー、なるほど。とりあえずマスターっていうのやめてくれない?なんかむずがゆくてさ。」
(では、どのように呼べばよいのだ。言っておくが呼び捨てにはしないぞ。)
「えぇ、じゃあ・・・そうだな主君とかどう?」
(そうか、わかった。ではよろしく、主君。)
「ああ、よろしく。」
さて、これで武器は整ったんだが、未だ防具無し、攻撃アイテムも回復アイテムも無しじゃあさすがに駄目だよな。今着ている服なんて寝間着だし、ご飯もまだ食べていないし、全然駄目だな。しっかり準備しとかないとな。
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よし!これでばっちり完璧!
防具は黒インナーとズボンの上に皮装備で皮鎧や脛当て、手甲を着けている。その上からローブを羽織り、装備を出来るだけ見せないようにする。ダガー・・・ベルゼトスは最終攻撃手段だ。出来る限り見せたくない。現時点では、魔法攻撃と暗黒騎士のナイアルによる攻撃だな。それで駄目なら使うしかないだろう。一応、攻撃アイテムでMK3A2という手榴弾を5個とM26の手榴弾を5個買った。ちなみに二つの違いは攻撃型手榴弾と破片型手榴弾だということだ。MK3A2は攻撃型で高温高圧のガスによる爆発で相手にダメージを与える。M26は破片型で爆発時に周りを覆っている鋼鉄が弾け飛び破片で相手にダメージを与えると言う物だ。回復アイテムは傷薬を10個、回復ポーションというものを5個、マナポーションを5個、救急キットを2個買った。これで、攻撃を喰らっても一撃瀕死レベルじゃない限り何とかなるだろう。
それと、ショップで食料が買えたから、ご飯も食べた。大き目のバックパックにアイテムと食料やガチャで出てきた装備を全て入れて準備万端。ただ、予想以上に荷物が重かったためポイントをSTRとVITに振らなければならなかったのが誤算だったが、それ以外は特に問題はないので大丈夫だろう。今のポイントは4000だな。結構使ったが、必要経費だろう。こんなところで死にたくないしな。
そういえば、今って何時だ?・・・2時18分か。6時までには帰ろう。4時になったらここに戻るつもりで、今日は探索しようか。
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さて、誰とも会わずに何事も無くホテルの一階に来たんだが、やっぱり実はドッキリとかなのかな?ちょっと不安になってきた。いや、でも特殊能力とか魔法とか喋る剣とか色々不可思議なことが起きているしそれはもう無いか。
僕は正面ホールから外に出る。窓から見ていたから分かってはいたが、本当に東京そのままなんだな。若干違うところもあるけれど、このホテルとかを見なければほとんど東京だな。人の姿は影も形見えないけど、確か関東全域がゲームエリアだったっけ?だったら1000人のプレイヤーと合うこともほとんどないだろう。仲間はこのゲームにおいてかなり重要な物だろう。戦えなくても補助やサポートをしてくれるだけでかなり助かるからな。ソロプレイは正直キツイ。
これはホテルの周りを探索するだけで今日は終わりそうだな。ていうか今更だけどこのゲームのクリア条件ってなんなんだろう?ずっとこのままな訳ないよな?・・・いや、変な考えはやめよう。SAN値が削れるだけだ。僕は思考を止めて周りを見ながら探索していった。・・・地図を持ってくるべきだったな。別に東京に来た事が無い訳じゃないけど土地勘とかないし、脇道とかも見ていくとなると結構入り組んでいるからな。
今回は、脇道には行かないようにして大通りを歩くだけにしよう。
ガッ ガッ ガッ
ん?何か今音がしなかったか?
ガッガッガッ
!?やっぱり何か音がする。しかもこっちに来ているみたいだ。
「だ、だれだ!ッ!!!?」
僕が叫んだとき建物の影から音を発していた正体が姿を現した。
グルルゥゥゥッ!!グルァァァァッ!!!
おや?これから無双かな?