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スマホから始まるデスゲーム  ~神の試練編~  作者: アキレス
関東エリア篇
12/13

お肉は封印?・・・時々料理

恐ろしいヘルハウンドの肉・・・。

「突然にして唐突ですが、問題です!何故僕たちは丸3日も寝ていたのでしょうか!?」


「はい!」


「はい、智香さん!」


「聡君が作ってくれたヘルハウンドのサイコロステーキ丼を食べたからだと思います!」


「正解です!ってそーだよねー。」


僕たちは魔物と戦い、近くの民家で風呂に入った後、夕飯を食べようとして・・・そこから記憶がなくなっている。だが、目の前にある丼を見て、そういえばサイコロステーキ丼を食べたんだったと思い出したのだった。

今は真昼間、外は快晴、ただしこの家に入ってから丸3日後・・・。お腹がすいた。


「取り敢えず、ご飯作ろうかな。」


「そうですね。あ、出来れば温かくて優しいご飯がいいです。」


「丸3日も寝ていたからね。分かったよ。」


そう言いながら、丼を片付けて昼ごはんを作っていると、


「それで、聡君。ヘルハウンドのお肉は如何するんです?」


「う~ん、この前カレーにして食べた時は普通に美味しかったんだけど・・・どうして今回だけあんなことになったのかが分からないとちょっとな~。」


「カレーにした時と変わったことがあってあのようになったということではないでしょうか?」


あの時と変わったことか、体の調子はいつも通りだったし、後は・・・調理法か?だとしたら丼のときは焼いて、カレーのときは普通に煮込んで作ったから違うっちゃ違うけど、それだけであそこまで変わるのか?


「一応、カレーにしたときは焼かずに煮込んだから違う所はそこだと思うけど、どうなんだろう?」


「そうですか。では一応、気をつけて扱っていきましょう。そうすれば、多少大丈夫なのではないでしょうか?」


「それもそうだな。・・・っとご飯出来たよ~。」


「わあ!・・・ヘルハウンドのお肉とか入っていませんよね?」


「・・・さっきの今で入れるわけ無いじゃん。」


「(ふう)ですよね。少し安心しました。」


「その代わり、蛇と蝙蝠が入っているけどね。」


「へ?ひゃあふぁ!!?」


僕の発言に驚いたのか、智香が変な声を出しながら後ろに下がっていた。


「そんなに驚く?いままで蛙とかも食べていたんだから蛇や蝙蝠くらい平気じゃない?」


「い、いや、確かにそうですけど!いきなりそんなこと言われたら驚くじゃないですか!」


「確かにそれもそうだね。まあ、安心してもいいよ。味は保証する。それに蛇には滋養強壮に良いって良く言うしね。後、入っているって言ったけど実際はスープだから出汁にしてあるだけだし。あ、でも蛇の切り身は一応入れてあるよ。」


「うう、3日前も保証するって言っていましたけど、信用しても良いんですか?」


「・・・それを言われると耳が痛いな。一応味見しておこう。」


鍋に入っていた蛇と蝙蝠のスープを小皿に移して、口に入れる。

・・・うん、普通に美味しいな。これなら大丈夫だろう。


「大丈夫だよ。普通(・・)に美味しい。」


「そうですか、じゃあ頂きます。」


「・・・はい、召し上がれ。」


僕が皿に盛り付けて(スープ入れるだけだけど)智香に渡すと、意を決した智香はスプーンで掬ったとろみのある濁った黄金色の液体を口に入れた。


「・・・美味しい。普通に美味しいです。」


「それは良かった。じゃ、僕も頂きます。」


うん、さっきと同じ美味しさだ。生姜を入れたからか体がちょっとポカポカしてくるし中々良いんじゃないか?


「ふう、ご馳走様でした。」


「お粗末様でした。」


昼食を食べ終わって、皿を片付け、そろそろ旅の続きを始めようかと準備をした。まあ3日前に終わらせているので確認程度なのだが。


「あっ、聡君。私、そろそろEランクになりそうです。」


「そうなんだ。それは良かった。」


これで多少は危険が減っているかな。


「そういえば、最初に会った時、智香はあんまり荷物が無かったよね?回復アイテムとか料理道具とか、防具も着ていなかったし、どうして?」


そう、今更だが智香は最初に会ったとき、武器防具は勿論、食べ物も携帯食料(5p)しかなく今まで逃げてきたと言っても装備が少なすぎるんじゃないかと思ったのだ。


「えっと、それはその・・・実は最初にこのゲームに来たときにポイントを食べ物に使っちゃってしまって、それでそこからは魔物から逃げながら貯まったポイントをステータスに使っていたので余り余裕が無かったんです。それこそ碌にポーションも買えないくらい・・・。」


思ったりも智香はポイント管理が出来ないようだ。


「・・・因みに食べ物ってどんな?」


「えっと、プリン、ジェラート、ストロベリーパフェ、エクレア、クレープ、モンブラン、苺のショートケーキ、チョコレートケーキ、ティラミス、バタークッキー、シフォンケーキ、ドライフルーツ入りパウンドケーキ、アップルパイ、マカロン、フルーツタルト・・・・。」


「す、ストーップ!どんだけ食べたんだよ!多いわ!むしろ良くそれだけ食べられるポイントがあったね!?」


「いや~、一応普通の食料よりも高かったんですけど、一番高いので60ポイントなので意外と沢山食べられるんですよ。まあ、その代わり、ステータスに振ることもスキルを取ることも出来なかったんですけどね。」


智香って実はかなり駄目な子なの?そうなの?スイーツにポイント全部使っちゃってステータスもスキルも強化できないって、馬鹿なの?いや、馬鹿なのか。


「・・・よくそれで生き残れたね?」


「一番最初に会った人が優しい方で、かなりお世話になったんです。その方はとても強かったので一緒に行動していたんですけど、スイーツいっぱい食べさせてくれますし、ポイントを得られるようにって安全な場所で弱らせた魔物に止めを刺させてくれるんです。」


うわ、MMOだったら確実に寄生プレイでプレイヤー同士の仲が悪くなる奴じゃん。しかもその行為に何の疑問も抱かない辺りがちょっとヤバイ。むしろその人大丈夫か?


「あんまりそうやって人の善意にたかるのは良くないよ?」


「うっ、確かにそうかも・・・。次から気をつけます。」


まあ、あんまり言うつもりもないけど、善意に思わせて罠でしたって可能性もあるしね。人には警戒しておくに越したことは無いと思う。


「僕と会うまで一人だったってことはもしかしてその間、スイーツにポイントを使っちゃった?」


「えっと、ちょっとだけですよ?ちょっとだけ・・・スイーツを食べました。」


少し顔を下に向けて、上目遣いでこちらを見てくる。うん、あざとい。あざと可愛いって奴だなきっと。だがそれで騙されるほど僕はチョロく無いよ。


「智香君、僕と居るときはスイーツを買っちゃ駄目だ。」


「そ、そんな~、お願いします!それだけは許して下さい!」


「い~や、駄目だ。せめて、一人で戦えるようになってからスイーツを食べてくれ。ここじゃ強くならないとすぐに死んじゃう。」


「この前魔物の群れを爆破させたのに強くないつもりですか?」


「いや、あれは僕自身の強さじゃないから。あくまで爆弾の性能が良かっただけだよ。っていうか強くなるのは僕じゃなくて、智香だからね?」


「う~、分かりましたよ・・・。その代わり強くなったら美味しいスイーツい~っぱい食べますから!!」


「はいはい、強くなったらね~。」


「あ~!今、私のこと絶対信じていませんよね!?」


「いや、そんなことは無いよ?そう、そんなことは無い。気のせいだよ。」


「・・・本当ですか?まあ良いですけど。絶対強くなって目ん玉飛び出るくらい聡君を驚かせて見せますから!!」


目ん玉飛び出るって言葉、中々聞いたことがないな。言い方が古臭いっていうか。

あ!そういえば、ヘルハウンドの肉って魔物知識と鑑定で何か分かるかな?前回は魔物知識だけだったから情報が少なかったけど今なら色々分かるんじゃない?


「智香、ちょっと待ってて。[鑑定]」


バッグからヘルハウンドの肉を取り出して、鑑定をする。


「どうしたんですか?トイレですか?」


「いや、ヘルハウンドの肉を調べているんだよ。」


[ヘルハウンド](Aランク)

地獄から来たと言われる魔獣。魔獣の中でも上位に位置しており、その強さはケルベロスと同等。また、口から吐かれる地獄の火炎(ヘルフレイム)は摂氏3000度以上で、爪は岩やコンクリートを砕くほど硬く、牙は骨まで切り裂くほど鋭い。また、体毛は並の鎧よりも頑丈で下手な鉄や鋼の武器なら容易く弾かれる程だ。しかし、その口の中は炎には強いがとても軟らかく尖った石でも簡単に傷つけられる弱点になっている。

ヘルハウンドの肉は極上で100g最低価格100万円はする。ただし、調理するときは絶対に焼かないこと。直接熱を加えることで肉の中に依存性の低い即効性の強い快楽物質が発生し、食べるとヘルハウンドの肉がなくなるまで食べたくなる。そのため、煮る、揚げる、蒸す、茹でるなどの調理法が一番安全にヘルハウンドの肉を食べる食べ方だ。

爪や牙は武器を作る際の素材として使うと炎効果のある武器が作れ、体毛は防具に使うと生半可な攻撃では軽く弾き、炎に対する耐性を持った一級の防具になるだろう。


なるほど、中々情報が多かったがヘルハウンドの肉の問題が分かった。っていうか快楽物質ってヤバくない?僕、普通に食べてたんだけど。唯一の救いは依存性が低いことかな。勿論沢山食べれば依存になるんだろうけど、今回だけしか起こっていないから次から気を付けていれば、多分大丈夫だろう。

後、長く見つめていると鑑定の説明も結構多くなっていくみたい。戦闘くらいでしか鑑定していないからじっと見るって無かったけどこれはいい収穫だったな。


「智香、ヘルハウンドの肉の問題が分かったよ。」


「ほ、本当ですか!?それって一体何だったんですか?」


「ああ、どうやら焼くことによって快楽物質を発生させるらしいんだ。強力な奴だけど依存性が低くて即効性らしい。煮たり、揚げたり、蒸したり、茹でたりで安全に食べられるようなんだ。」


「か、快楽物質・・・ですか。依存性じゃなくて良かったです。一歩間違えたら廃人になるかもしれないですね。」


「まあ、これからは気をつけて行くから、こんなことはもう起こらないと思うけどね。」


「そうですか。それは良かったです。それでは出発しましょうか!」


「うん!」


旅はまだ、始まったばかりだ。


ステータス

霧島聡  17歳 職業未定

PR D

HP1500/1500

MP1000/1000

STR 180/180

VIT 150/150

INT 200/200

MND 150/150

DEX 180/180

AGI 170/170


SP 313


スキル

魔物知識

鑑定 Lv1

短剣術 Lv3

闇魔法 Lv3


特殊能力

[|暗黒召喚≪サモンダークネス≫]


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ステータス

春風智香  18歳 職業 ???

PR F

HP150/150

MP70/70

STR 80

VIT 50

INT 85

MND 60

DEX 100

AGI 150


SP ???


スキル

光魔法 Lv?

逃走

???

???


特殊能力

[|救助索敵≪助けを求める者≫]


そんな肉が100万円なのはきっと人間が業深いから・・・。

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