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罪深い男の想像話  作者: 病み谷/好きな言葉は『贖罪』
《第一章》 怒る彼は全てを殺し尽くす
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リドル見参

前の部の快斗の呪文の意味、分かりますか?


あれ、1つの文の平仮名を入れ替えただけなんです。気が付きましたか?気づいた人は天才です!!

「うぅぅ~~……父さぁん……」

「おおお!!愛しの我が息子よ!!心配させて悪かったのー!!」

「何だこの光景。シュールだな。」


ロンギヌス、否、リドルを抱きしめて泣きじゃくるのは、ずっと頭の中で父の事を考えていたライトだ。


「生きてたんだ……うぅ……」

「すまんのぉ!!儂が不甲斐ないばっかりに……」

「本当です父様。あなたの不甲斐なさには頭を抱えます。」

「ヒバリそれは辛辣じゃぞ!?儂は儂なりに色々と考えて……」

「言い訳不要。言語道断。問答無用!!あなたの1人で抱え込む癖のせいでライトは死ぬところだったのですよ!!」

「むぅ……すまんと思っている。だからこうして今謝っているのじゃ……許してくれ?」

「却下です。」

「やっぱり辛辣じゃ!?」


腰に手を当ててプンスカ怒るヒバリに必死に言い訳するリドルは、槍ながら、とても小さく細く見えてしまう。


「ハァ………皆すまない。私の駄目父様が迷惑をかけた。」

「いやまぁ生きてるからいいじゃねーか。な?リドル?」

「そうじゃそうじゃ!!ヒバリは儂を叱りすぎなのじゃ!!それに、儂は皆を魔獣から守ろうとしてこうなったのだから、これは不可抗力ってことで、儂はなにも悪くないのじゃ!!」

「「それは違う!!」」

「ぬぉおおお!?」


少し傘増しされた言い訳に、イラついた快斗とヒバリが同時にロンギヌスを蹴りあげる。


やはり槍と言えども痛みはあるようで、悲鳴を上げながらプルプルと震えていた。


「ったく……なんつーダメ親だよ……」

「全くだ……天に昇った母様を見習って欲しいものだ。」

「ぐおおおお……」

「と、父さん……!!」


辛辣な評価ばかり口にする2人を尻目に、ライトだけが心配してリドルを拾い上げる。


「んまぁ、いいや。さて、リドル?話すべきことが山ほどあるけど、それはそれとして本題だ。ちゃんと話してくれな?」

「う、うむ。わ、分かっておるぞ?た、ただ、これを話すのは……その~……今日じゃなくても……」

「ちゃんと話してくれな?」

「話す!!話すからその目を辞めてくれ!!心に突き刺さるのじゃ!!」


リドルはコホンと咳払いをして、


「ライト。ヒバリ。よく聞いて欲しい。」

「なに?父さん。」

「謝罪なら土下座して地面にちゃんと頭を擦りつけてくださいよ?」

「なんでさっきから儂を惨めに見せようとするのじゃ!?」

「冗談です。それで?本題というのは?」

「うむ。そうだった。ヒバリ。ライトが何故鬼人化を使えるか、分かるか?」

「いえ。分かりません。」

「素直であるな。それでこそヒバリであるぞ。で、その理由なんだが………」


リドルは少し黙ったあと、決意したように、


「実はな、とてもいいにくいのだが、ヒバリとライトが今まで母だと思っていたのは、この城に勤めていたごく一般の侍女なのじゃよ。」

「「……はい?」」


目を見開く2人をおいで、リドルは更に話を進める。


「これは皆には内緒だったのだが、実はお前ら2人の母親は、鬼人の国の女皇帝、零亡レイナなのじゃ。」

「き、鬼人の国の?」

「こ、皇帝?」

「そうじゃ。その国との同盟を強めるべく、儂と女皇帝は婚姻を結び、二人の子供を作ったのじゃ。それが、ヒバリとライトじゃ。」

「なんとなく、ヒバリの名前には俺も違和感があったが、それはあっち側がつけた名前なんだと。だから日本の鳥の名前なんだな。」


ヒバリとライトは混乱して何も言えない。快斗は「そうなるよな。」と言う感情の籠った視線をリドルに向ける。


「快斗の言う通り、ヒバリの名前は零亡レイナが、ライトの名前は儂がつけた名前じゃ。」

「姉弟なのに名前のセンス違いすぎて驚いたよ。」

「まぁまだ混乱しておると思うが、今更ながら、事実を話させてもらった。2人とも、今まで騙して済まなかったの。」


ヒバリとライトはその言葉を聞いて平然とした様子で、


「いえ。気にしないでください。」

「今更そんなのどうでもいいよ。父さんが生きて生きていてくれたのと、快斗さんが目覚めたことを祝うのが先だよ。」

「おおぉ……!!流石は我が息子と我が娘よ!!この世の全てのものよりも儂が大事とな!!どうじゃ快斗!!これが2人の考えじゃ!!」

「んな事言ってねぇだろ2人。」


クルクルと回転しながら詰め寄るリドルを押し返しながら、快斗はルーネスにリドルを渡す。


「ハァ……取り敢えず、やるべき事の1つ目は終了だ。それじゃ、次に移行するか。」

「次?」

「そ。ライト、ヒバリ。国民をできるだけ集めてくれ。場所は処刑場だ。原野とサリエルは俺に着いてきてくれ。」

「?分かりました。」

「分かった。」


ライトとヒバリは城の外へ国民を呼びに向かい、原野とサリエルは快斗の進む先に着いていく。


「快斗君。やるべき事って?」

「それは後で話す。俺一人じゃできるものじゃなくてな。これに適任なのはお前なんだよ。ついでにサリエルも。」

「ついでってなによついでって。」


3人は、処刑場までゆっくりと歩いていったのだった。

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