表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罪深い男の想像話  作者: 病み谷/好きな言葉は『贖罪』
《第一章》 怒る彼は全てを殺し尽くす
33/369

『魔技・乱雑な殺戮』

エ「こんにちわ。私はエレジア。四大剣将の一人。よろしく。君達に、私の獄値、教えてあげる。是非見て。」


名:エレジア・グレイシャール 種族:魔人 

状態:正常

生命力:1200 腕力:1500 脚力:1500

魔力:1100 知力:700 獄値:3000

「ハァア‼」

「ふ……。」


拳と拳が真正面からぶつかり合い、完全に相殺された衝撃は逃げ場を失いその場で消え失せた。


「『ヘルズファイア』‼」

「『岩壁』。」


放たれる獄炎を、冷静な対処で処理してみせるエレジア。思い通りに行かない戦闘に、快斗は苛つきを隠せない。親友を傷つけた敵を、一刻も早く殺したい。エレジアが高谷を殺したように。


「死ねやぁ‼」

「物騒な言葉。あまり使わないほうがいい。」


脳天に向かって踵落とし。それを片手で防がれ、ガラ空きの腹に拳を連続で叩き入れる。


「ぐぉ……。」

「君があの子の親友なのは分かった。なら、あの苦しみから救ってあげるのを邪魔しないで。」

「苦しめてんのは……お前だろぉがァ‼」


今も理性を失ってもがき続ける高谷を見て、快斗が激昂する。時間が経過するごとに力と戦闘技術が徐々に研ぎ澄まされていく事を感じながら、エレジアは冷静かつ慎重に戦闘を続け、確実に快斗にダメージを与えていく。


(やべぇな。今までのどの敵よりも強い。まぁ当たり前なんだが、とにかく、こいつの力が強すぎる……‼)


足、拳、腕、腹、頭。すべての部位が武器と化し、相手を倒すための打撃武器となる。ブレイクダンスと隙ある所に攻撃を続けていくが、殆どが先読みされて阻止される。


「オラァ‼」

「む。」


空中で回転。拳をエレジアに叩きつけ、それに耐えきれなかった地面が抉れる。両手でガードしていたエレジアは、勢いよく両手を開いて快斗を浮かせ、回転して快斗の腹を蹴り飛ばす。中を舞う快斗の上に高速移動し、ガードした快斗の両手と共に吹き飛ばし、地面へと着地した快斗が吐血する。


追い打ちをかけるように、大の字に倒れている快斗の心臓部分に、『身体硬化』した右腕を放つが、間一髪で全力『剛力』発動中の両手で拳を掴み取り、突き放して回転。勢いづいた足を顔に叩き込む。


エレジアが吹き飛び、それを追いかけて連続打撃攻撃を繰り出す。流され、防がれ、相殺され、空振りした攻撃が地面を抉っていく。


エレジアから勢いよく放たれた拳を『スカーレット』で見切り、地面へと叩き落とす。そして体制が一瞬崩れたエレジアの首に、炎をまとった右足で攻撃する。


とっさに左腕でガードされ、エレジアが地面を抉りながら体を引きずる。


「ハァア‼『連撃ラッシュ』‼」

「速い……‼」


『瞬身』で頭上へと移動し、『午』から奪った能力。『連撃ラッシュ』を放つ。両腕の骨が軋み、筋肉が一時的に膨張して、強制的に繰り出される拳撃は、1回で5発、ほぼ同時に放たれ、それが幾度となく重なって、最強の連続攻撃となる。


「ラァアアアアアアアアア‼‼」

「ぐ……強い……‼」


想像以上の勢いとスピードに、エレジアが思わず苦悶の表情で呟く。頭上を攻撃のすべてを受けている量での骨にはヒビが入り、筋肉の筋が次々と切れていく。


「『剛力』ィ‼『瞬身』‼『分身』‼『貫手』ェ‼」

「ッ⁉」


更に魔力を上乗せし、限界を超えたスピードと力、数に殺傷威力。完全なる殺意がむき出しにされ、防ぐ一方のエレジアが、少しずつ体に傷を増やしていき、地面が抉れ抉れ抉れて、


「『魔技・乱雑な殺戮』」

「な………。」


5人の快斗の右腕が黒く光だし、瞳からは、ただ深淵が除き、究極まで一瞬で上り詰めた悪魔の攻撃。ただ、目の前のものを殺したいという願い。どんな手段でもいい。やつを殺せ‼そんな悪魔の本能が、一時的に目覚めた。


「ぐあぁ……‼」


真っ黒の深淵を叩きつられ、耐えきれなくなったエレジアが地面に倒れ、その上に大きな殺気が乗った膨大で純粋な闇黒混力がのしかかる。


場初は起きず、相手の生命力を強引に減らしていき、その体には火傷のような傷が残る。


「ハァ………ぁ………。」


連撃ラッシュ』に加え、『剛力』、『瞬身』を発動し、4人の分身体には膨大な魔力を手渡し、『貫手』を全員で発動。更に、『魔技・絶望の一閃(フラッシュデスペアー)

と並ぶほどの威力の『魔技』を放った反動は、並大抵のものではなく、


「あ、あああああああ‼」


壮絶な倦怠感に嫌悪感、嘔吐感。両腕が爆発しそうなほどに腫れ上がり、肉離れが全身で発生。筋肉痛を通り越して血が吹き出され、骨がギシギシと音を立て、全身の神経が悲鳴を上げる。頭が割れそうな程の頭痛が起こり、両目からは血が流れ、クチからは吐血が止まらず、魔力が底をつき、生命力が大きく削がれる。


「ぐふ……。」


感じたことのない痛みに耐えきれず、その場に仰向けに倒れ、額から血を流す。『スカーレット』を発動した左目の視界は真っ暗で、右目も今は少ししか見えない。それでも、顔を横に傾けてエレジアの様子を見ようとした快斗は、その光景を見て絶句した。


「ハァ……ハァ……。危なかった。『強魔力障壁』を突き破ってくるとは思ってなかった。」


吐血をし、体中に火傷をしながらも、重症とは言い難い傷を負ったエレジアが、口元を手で拭きながら立ち上がっていた。


「う……そ…だろ……。」

「嘘じゃない。事実。君の攻撃は、私が今まで受けた攻撃の中で2番目ぐらいに強い。大抵の騎士なら死んでる。あんなに緊張したのは久しぶり。いい戦いだった。親友を思ってあんな戦闘をしたんだね。頑張ったね。」

「アァ……?」


エレジアは優しい声音で話しながら、快斗の目の前にしゃがみこんで、頭をなで始める。傍から見ると、美女が倒れた美形男子をなでているように見える。


「撫でん……な……。」

「そんなに敵対しないで。私は君を楽にしてあげたい。敵対されたら、反撃しなくちゃいけない。そしたら傷ついて苦しむ。私は、苦しませたくない。だから、降伏して。」

「く………。」


戦士としての優しさを、快斗に告げるエレジア。その表情は哀れみ一択で、快斗を眺めている。


(自分が勝つ前提か……。どうしようもないな。)


快斗は内心でそうつぶやきながら、途切れそうな意識をなんとかつなぎとめて、


「お前は……強すぎる……。」

「私より強い人は、いる。私が最強ってわけじゃない。」

「だとしても……強すぎんだよ。お前は……」


快斗がそう言って、意識がもう消えかけている時、


ガラッ……。と音がした。


「何?」


エレジアが振り向くと、そこには、


「グルアアァァ‼‼」


エレジアの大剣を横凪に振るおうとしている高谷の姿があった。


エレジアはその場から一瞬で離脱し、構える。


「グルルルル。」

「おぶっ⁉」


高谷は獣のように唸りながら、乱暴に大剣で自分の右腕を斬り裂いた。そして、そこから流れる血を、無理矢理快斗の口の中に押し込み、飲み込ませる。すると、


「…………アァ?」


快斗の全身の傷が一瞬で癒え、精神的な疲れ以外が一瞬で消え去った。


世に一つしかない回復薬。高谷の固有能力による『血癒』である。完全回復剤と同等の効果をもたらし、『不死』の固有能力に目覚めた高谷はそれを大量に生み出すことが可能である。


「ハァ……ハァ……高谷……。」

「ガァウウウウ………グルァ‼」


高谷は、快斗が起き上がったことを確認すると、大剣を振り回しながらエレジアへと突進していった。


快斗は、自身に戻った魔力と生命力を確かめたあと、


「………いいことしてくれんじゃねぇか。んじゃあ、再戦といきますか‼『獄怒の顕現』‼『スカーレット』‼」

「ガアアア‼」

「チッ……面倒‼」


快斗と高谷が協力して、魔神の駒同士での戦闘となる。エレジアは舌打ちをしながら、体内の魔力を練り、


「殺す。」


今まで通り、殺気を放ちながら、高速で突進してきた。それと同時に快斗と高谷が突進し、ぶつかり合う。


セシンドグロス王国最強剣士、エレジア・グレイシャールと魔神の一番の駒、天野快斗。『不死』となった魔神の駒、高谷の戦いが再び開始された。

快斗&ルーネス 脈アリ⁉


ル「はい。快斗様。あーんです。

天「こういうのはカレカノがやるもんだろ?なんでルーネスさんが俺にしてくれてんだ?」

ル「いいではないですか。一度、このような事をやってみたかったんです。」

天「………ルーネスさんって今何歳?」

ル「……禁句ですね」←金色槍構えてる。

天「ごめん‼ごめんって‼だからその凶器を置いてって‼アァーーーーーー………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ