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罪深い男の想像話  作者: 病み谷/好きな言葉は『贖罪』
《第一章》 怒る彼は全てを殺し尽くす
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終幕の始まり

「おっけぇギリギリセーフ!!」

「んにゃぁ!?」


ヒナの真後ろに急に現れたベリランダが大きく叫び、ヒナが驚いて飛び上がる。


「ルージュ!!」

「姉上………何故ここに!?」

「ヒナさぁぁん!!」

「うぇあ!?カリムさん達どうして!?」


ルーネスはルージュに、カリム達はヒナに駆け寄って無事に出逢えたことを喜んだ。


「ナーイスベリランダ!!」

「本当に、あんたの話が長いから!!」

「そうかぁ?」


ガッツポーズで嬉しがる快斗に、ベリランダが愚痴を大声で言った。快斗はそれを受け流すように無視してアテンに視線を向けた。


アテンは腹を抑えて血を吐いていた。国1つ巻き込んで焼き尽くすほどの爆発を起こせるほどの太陽と同等の力でかき消されたのだ。


神とて反動によるダメージは大きかった。


「あれが太陽神か。どうりであったけぇと思ったぜ。」

「あ、暖かいで済むの?」

「おわ。どなたどなた?」

「サリエルだよって。」


降りてきたサリエルが快斗に話しかける。新たに変わった姿を知らない快斗はそれが誰だか分からなかった。


「なんで生き返ってんの?」

「生き返って欲しくなかったのかよ?」

「全然。あまりに不自然に生き返るからちょっとね?」

「意外と驚かないのな。」

「まぁ、慣れてるからね。」

「んあ?」


サリエルはそう言ってアテンを見据えた。快斗の疑問の声も無視したので、快斗はそれ以上の追求はしなかった。


「快斗さん!!」

「おーライトー!!」


光の如く駆けてきたライトが快斗に飛びついた。軽い体を持ち上げて回転し、頭をくしゃくしゃと撫でてやる。


「死んでなかったんですね!!」

「死んだは死んだが生き返った!!」

「凄いですね!!」

「なんかテキトーじゃね!!」


ライトに続いて、高谷も歩いてきた。


「快斗………どうして?」

「あ!?高谷!?どったのそれ!?ア〇ーラの姿!?」

「俺はポ〇モンじゃない!!」


『血獣化』によってもともとグロッキーだった見た目が、進化していったことによりさらにグロく意外な姿へと変化していったため、快斗はその姿に心底驚いた。


「生き返った?………神様が何かしたのかな?」

「超絶簡単に言えばそんな感じ。」

「そっか………良かったね。」


高谷はほとんど隠れて表情が分からない顔で少々俯いたあと、左目だけでにっこり笑ってそういった。


もっと大きく驚いてくれると思っていたのにイマイチな皆の反応に快斗はしょんぼりとした。


「天野……。」

「ん………ヒバリ。」


が、やはりヒバリはそうはいかなかった。先程は緊急事態だったこともあり、あまり追求は出来なかったが、快斗は死んでもう帰ってこないと信じていたし、色々と言いたいこともある。


だがここは戦場故、あまり長話もできない。色々迷ったが、ヒバリはここは簡単に伝えようと思った。


「あなたを斬ってすみませんでした。この罪は必ず償います。そして……また会えてよかった。」


ヒバリが少し泣き目で微笑んだ。快斗は少しの間見惚れたあと、二っと笑ってヒバリの肩を叩いた。


「謝ってくれてありがとうな。この話はあとでしよう。先ずはあのアテンとかいう野郎を……」


一瞬で距離を詰めたアテンが快斗の頭を蹴り飛ばそうと脚を振るった。それをヒバリに笑いかけたまま快斗が左腕で受け止めた。


衝撃が快斗の体を突き抜け地面が割れるが、快斗は全く動かなかった。それから脚を引っ付かみ、アテンを引き寄せて快斗が拳を凄まじい勢いで突き出した。


「ぶっ殺さねぇとなぁ!!」

「ぐおっ!?」


ドガンと大きな音が轟き、アテンがくの字に曲がって吹き飛んだ。地面を大きく抉り、山を半分破壊して煙に巻かれた。


「おらおら行くぞお前ら!!」

「分かりました!!」

「なんだか懐かしいな!!」


自身の力を実感し、快斗が駆け出すとライトと高谷が続いて走り出した。


皆を強引に引っ張っていく陽気な快斗の雰囲気に、高谷はなんだか懐かしさを感じた。あまり時間は経っていないが、最後に話した時から大分時間がたった気がしていた。


『私も同感。』


常に高谷にしがみついている、高谷にしか見えない原野の怨念。彼女もまた快斗との再開を素直に喜び驚いている。


高谷が快斗に追いつくと、原野は高谷から少し離れて浮かび上がって飛ぶ。これで、異世界組3人が横に並んだ。


「やっぱり懐かしい。」

「そうかもな!!」

『異世界組は終わらないね!!』


快斗は高谷しか見えていないので高谷にだけそう返した。高谷は快斗に微笑み返して、それから少し視線をずらして歯を食いしばった。


そこでポロッとでた言葉は、


「本当に、良かった………」


原野以外聞こえなかったその言葉。それが口からこぼれた瞬間、高谷に闘気が漲り始めた。


「くそ………何が………聞いていないぞ!!」


瓦礫を掻き分けたアテンが怒りながらそう叫んだが、それを無視して3人と1人の怨念がアテンに飛びついた。


「倒すよ!!」

「殺すぞ!!」

「やりましょう!!」

『頑張って!!』


各々の掛け声とともに、攻撃が開始された。遠目で見ているヒバリは胸元で両手を合わせて少し祈ったあと、風龍剣を握ってあゆみ出す。


「最後の戦いだね。頑張ろう。」

「………あぁ。私のゼロからのスタートの為にも……天野快斗の為にも!!」


全員の士気が高まった。『侵略者インベーダー』もやる気を出し、そこらに隠れていた兵士達に計画を告げて配置に着く。


ベリランダは彼らに指示を出しつつ、ニヤリと笑ってアテンを睨みつけた。


「さぁ、人類史上最大戦争の終幕の始まりよ!!」


そう高らかに宣言した。

名:天野快斗 種族:悪魔 状態:正常

生命力:45000 魔力:55000 腕力:42000 脚力:45000

知力:800 獄値:116400


名:アテン 種族:天使 状態:太陽神

生命力:60000 魔力67000 腕力:70000 脚力:75000

知力:750 獄値:136375

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