閑話5.本題
※通知を受け身に来た方等にご報告です。
無事改訂作業が終了の見込みが付いたので、徐々に話を変更していくつもりです。
しかしながら、元々の話とは大いにかけ離れている内容が出来上がってしまっているので、もうそれだったら初めから見てもらおう、という事で元の話を削除し、普段通りに新たに新しくなった話を投稿していくつもりです。
変更された話には、一番初めに【新】の文字がつけられるので、一度目次に戻り、その話を覗いてもらえると嬉しいです。
……最近、サラダチキンが健康だ、とか結構言われてますね。
そんなに健康志向になりたいんだったら、魚食べたほうがいいんじゃないかなって思います。
ほら、魚の油と植物性の油はコレステロールとか下げるらしいですし、DHAとかEPAとか入ってるみたいですしね。……まあ、家庭科の授業の知識なんだけどね。
「Arcadia……ねぇ?」
そうして、ようやく來夢が望む、本来の話題へと進むことが出来たが、來夢が提示した要求物に、さすがの圭人も難色を表した。
「……さすがに無理かい?」
もちろん、傲岸不遜の権化ともいえる來夢とて、今まで要求していたものとは比較にならないほどの高額なものを要求していることは理解していた。
それどころか、もしかしたら、と言う一縷の望みにかけて交渉しに来ているだけで、本来、さすがにあのゲームをもらえるなどとは正直、思ってもいないのだ。
「……う~ん、絶対に無理ってわけではないが、俺の親父との交渉をしないと、難しいと思うぞ?」
しかし、圭人から出てきた台詞は、來夢にとって最悪のものではなく、どちらかと言えば想定していた中では良いほうの台詞だった。
ちなみに、來夢が考えていた想定の中で、最も最悪だったものは、今回を着に圭人から絶縁される、と言うものだ。
「……君のお父さんかぁ」
とはいえ、小賢しく、下衆だと、自らのことを評価していても、その能力を遺憾なく発揮できる最もたる要因は、場数を踏んでいない中学生が相手だったから、と言うわけであり、どこぞの大企業の社長に向かって通用するとは絶対に思えない。
と言うか、思える方が馬鹿だ。
「まあ、無策に交渉しても、失敗するのは目に見えているけどな」
ただ、圭人の喋り方では、どうやら來夢のことはできる限り叶えてやりたい、と言う感情が見え隠れしているようにも思えたが、さすがに状況を冷静に見ることが出来ているらしい。
……ただ、何度も言わせてもらうが、それを理解できていない人間は、よほどの馬鹿しかいない。
「……ンなことはわかってるんだよ。君のお父さんが、君みたいに馬鹿じゃないことは」
なぜおまえはそんな、日本で一番高い山は富士山、とか言うレベルの常識、と言うか明白にわかりきっていることを、さも円周率の法則を解き明かしたかのように、仰々しく、高慢な顔をしているのだ。
と、來夢は呆れながらも、お前の馬鹿馬鹿しさには反吐が出る、と言うような感情をおくびにも出さず、圭人自体を貶し始める。
「……別に、お前に交渉権を渡さなくてもいいんだぞ?」
もちろん、來夢が、ゴミを、いや、ゴミよりも汚いものを見るような眼で、自身のことを眺められている事に気付いていた圭人も、どの身分でそんなことを言っているんだと、感情の籠っていない、引き攣った笑みと、握りしめた拳で対応した。
「いえいえいえ、微笑ましい冗談でありんすよ」
それに対して、わざとらしく半眼になって、見せつける様に指を舐める。
もちろん、煽っているだけだが、明らかに、男が持つべき魅力ではない魅力が、そこにはあったのだ。
「……お前、ありんす口調、似合うな」
「似合っちゃダメなんだよ!!」
もちろん、來夢としてはふざけでやっているのだが、その様子を見ていた圭人からすれば、違和感なくありんす詞を使い、違和感なく男を魅了するような行動をやってのけてしまった來夢に対して、凄まじい焦燥感を感じてしまう。
俺が、性同一障害にしてしまったのではないか、という事。
「……お前、本当にトランスジェンダーじゃないんだよな?」
その様子に、さすがに自らの親友を心配してしまうのだ。
もちろん、その場合は親身になって話をしっかりと聞くつもりだった。
と言うか、來夢が女装癖なのではないか、と言う疑惑が噴出したころから、トランスジェンダーと言う物については調べており、自殺者数も多いという事も調べていた。
「……そんなに本気で心配しないでくれよ。反応に困る」
とはいえ、自身はしっかりとした男だと認識している來夢としても、親友がここまで深刻な表情をするとは思ってもいなかったせいか、同じように深刻な表情をしてしまう。
「………まあ、そんな話はどうでもいいんだけど、問題は親父と交渉するってことだ」
そうして、少しの間を開けて、圭人はその沈黙から逃れるように話を始める。
「まあ、無理ってことだよねぇ」
はぁ、と來夢としては珍しく、あきらめのため息を漏らした。
「……いや、まあ、無理ってわけじゃ、ないんだけどな」
そんな珍しい來夢の姿を見て、どこか嫌そうに、仕方なさそうに言葉を発する。
「……っ!?」
本当に!?
そんな表情で圭人を見つめる來夢。
「……まあ、あるけど、少し厄介な条件があるぞ?」
本当はやってほしくない。
そんな表情をしている圭人に対し、何が何でもゲームが欲しい來夢は彼の肩につかみかかり、彼の体を前後に揺さぶった。
「じゃあ言うが――」
その提示された条件に、來夢は聞き入った。
面白いことに、家庭科の知識が結構身についちゃってるっていうね。
おなごりょくとやらが高まってますね。




