表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/100

暮れなずむ

 洞窟の外は、既に夕焼けの空だった。

 朝早く起きてここに訪れ、あれだけ怖い思いをしたというのに、私の心は妙に落ち着いている。


「何だったんですか、あの声は」


 洞窟の中で不気味に響く、あの悍ましい声。

 頭の奥から、壊れた管楽器を絶えず鳴らされているような、あの不快さ。


「……さあ。僕もよく分からないんだ」


 朝さんは、私に何かを隠している。

 それが私とどう関係があるかは分からないけれど、少なくとも無関係でないのは明らかだ。


「そうですか」


 追及した所で、何も話してはくれないだろう。

 この人の場合、話すべき時が来るまで決して話そうとはしないだろうし。

 今は、そのときが来るまで待つしかない。


 もっとも、それがいつになるかは神のみぞ知るといったところか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ