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闇穿つ

「随分と成長したものだ、全く」


 少し不愉快げに、けれどどこか喜んでいるような声色だ。


「君とは初対面のはずたけど?」


 朝さんは訝しんだ表情で向こうの闇を見つめる。


 相変わらず、私は敵の姿を確認できない。

 けれど、なんだか妙にドロドロした、淀んだ気配がずっと背筋を撫でているような、絶対に安心できない雰囲気だけは嫌と言うほど分かる。


「さて、どうだろうねぇ」


 クククと笑うその声は、なんとも形容し難い不気味さで溢れている。

 妖怪とはまた違う不気味さ。

 人を人としてではなく、単なるモノとして扱う事に何の躊躇いも抱かないような恐ろしさというか。

 聞いていて吐き気がしてきた。


「アンタがここのボス鬼なの?」


 恐怖を振り払う為、私は声主に質問をかけた。


「鬼? 私が? これはまた……」


 洞窟内に笑い声が響いた。

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