表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/100

黒煙

 しばらく歩いて、いつの間にか大きな広間に出ている事に気がついた。


 およそ、四メートル程の間隔で私達を挟んでいた岩の壁も、気づかぬ内に消えている。

 ただ単に、歩いていた私が気づかなかっただけだろうか。

 それにしては……


「うっ!?」


 まるで、鼻腔を針で何度も(つんざ)かれるような、鋭い痛みを覚える刺激臭。


 思わず私は、口元を手で覆い被せていた。


 鬼の亡骸から出てくるモノでは、断じて無い。

 明らかに、そんなモノとは濃度も質も違いすぎる、なんとも形容し難い強烈な臭いではあるが、強いて言うのなら、アンモニアなどが一番近いかもしれない。


「……なるほど」


 朝さんはこの、目から涙が溢れてしまいそうな程にキツイ刺激臭の海の中で、眉一つ動かさず、神妙な面持ちで暗闇の向こうを見据えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ