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まほろばの園
一体、ここはどこだ?
夢幻で形作られた理想の果てか、はたまた誰も住まう事のできない地獄のような場所か?
否、多分どちらも違う。
そう感じる。
「いい加減、気づきなよ」
頭の中で全く聞き覚えのない声が響いてくる。
「ここはねえ、君の………」
☆
目が覚めると私は、布団から飛び起きていた。
額と体から瀧のような汗を流しながら。
「今、声が……」
夢にしては、あまりにもリアルな夢。
芝生を足の裏で踏む感触、澄んだ空気、星々の煌めき。
どれも明確なまでに覚えていた。
しかし、途端に少しずつ、目と頭に焼きついたその風景が薄れて、分からなくなってくる。
まるで、水が蒸発していくかのように。




