表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/100

そこは

 まだ日が昇りきる少し前。


 私は再び、夢の()()()()に平然と立っていた。


 しかし、私はその突然の事に、大して驚く事もない。

 多少、慣れたというのもあるが、それはほんの一抹の小さな理由に過ぎない。最大の理由は、何故だかここは私にとって、とても居心地が良い場所なのだという事に気づいたからだ。


 別段、セラピー効果のあるお香が焚かれている訳でもないし、可愛らしい小動物などがたくさんいる訳でもない。


 ただ、感じるのだ。

 まるで丁度いい湯加減の温泉に、ゆっくりと身を浸していくような、あの体の芯から温まっていくあの感覚に。


 ここには幾度となく、私は来ている。

 無論、行きたくて行ってる訳ではないし、夢の中なので、行きたいと思っても行けないのだが。


 とにかく、私はここに何度も足を踏み入れている。

 しかし、その中でも、今回のように気分が穏やかになるようなケースはこれが初めてだった。

 建物も人も、生き物すらも、存在しない世界。

 あるのは地平線の彼方まで、生え揃っている無数の芝生と、煌めくガラス片をばら撒いたような、満点の夜空。


 しかし、この夜空も、私が学校で習った夜空とは、遠くかけ離れている。


 星座の位置が違う。そこにある筈の星が無い。

 そして白玉のような、白く輝く巨大な満月。


 最も地球に近づく周期の月だという事だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ