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心の奥底
結局、さっきの少女が誰なのか、夕闇さんは教えてはくれず、その場を去っていった。
しかし気のせいか、終始夕闇さんは、何やら複雑な表情で私と会話していた気がする。
妙な違和感ともとれるような。
何か、気に触る事でも言ってしまったのだろうか。
それとも働き詰めで調子が悪いのだろうか?
自分では、嫌われるような事はしていないと思うけど……
「まあ、今度から会話には気をつけよう」
……………さて、今日はもう休もうかな。
なんだか、練習への熱が冷めてしまった。
こういう場合は、大きな進歩は望めない。
とりあえず、部屋で休んで、体と心を落ち着かせて、それから………。
「それから……」
あれ、なんかおかしいな……私。
心が泥の底に沈んでいくような感覚。
どうしたんだろう、私。




