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三底
「おっと、どうやらここまでのようだね」
ここまで?
ん、なんか後ろから砂利を踏んでくる音が。
「あれ、夕闇さん!」
振り向いた先にいたのは、久しぶりに顔を見る夕闇さんだった。
「ここに! 誰かいなかった?」
夕闇さんは地面を指差しながら、若干ドスの効いた声で問いかけてきた。
どうやら、かなり機嫌が悪いみたいだ。
あまり刺激しない方がいいだろう。
「えっと、今私の後ろに……あれ?」
チラリと後ろを見て驚いた。
さっきまで、私と話していた少女がいない。
砂利の上を、音一つ立てずに動くなんて不可能だ。
でも、現にこうして少女の姿は無い。
一体なんだったんだ?
そもそもどこの誰だったんだ?
「……その様子だとさっきまでここに居たのね、アイツ」
アイツ……とは、あの少女の事か?
どういう関係なんだろう。
やっぱり友達とかかな?
「えっと、アイツってさっきの女の子の事でしょうか」
「女? ……まあ、そうかな」
あれ、なんか一瞬顔が強張ったような………
気のせい…かな?




