再
それから私は、日々のほとんどを修行につぎ込んだ。
握り過ぎでできる手の豆も、その日にできた怪我も、翌日にはほとんど治っていたので、存分に力を振るい続ける事ができた。
誰であれ、自分の事で泣かれるのは結構キツイ。
自分が無性に情けなくなったり、罪悪感に襲われたりするからだ。
そうならない為に、私は今汗を流している。
流した汗と共に、過去の失態を拭い去るのだ。
「そろそろか」
休憩までおよそ十分。
その間に、何回鎌を振るう事ができるか。
握っている手が痺れてきた。
今日の限界が近づいてる、でも仕事が入るかもしれないから、支障をきたさない程度に留めないと。
そしてあっという間に十分はたった。
やり過ぎた……
手が痺れて、湯呑みすら持てない………
コレ、絶対夕闇さんに怒られるヤツだ。
バレないように、しばらくは大人しくしていよう。
と言っても、最近の夕闇さんは仕事が忙しいらしくて、あんまり会えてないけど。
日々の稽古すら、つけてもらっていない。
まあ、夕闇さんは一つの隊を率いる身だから、仕方のない事なんだろうけど。
むしろ、今まで私が彼女に甘え過ぎていたのかもしれない。
いや、きっとそうなのだろう。
夕闇さんは、本当は忙しいのにわざわざ貴重な時間を割いてまで、私に尽くしてくれたんだ。
これからは、できる限り自分の力で………
「久しぶりー、お姉さん!」




