とは言ったものの
「あ……あの、何を頼みます?」
「では、コーヒーとパンケーキを」
結局、あれから二時間かけて情報を集めようしたが、全て徒労に終わってしまった。
まぁ、無理も無いけど。
そして今、私達は昼食時を迎えて、近くにあった喫茶店に足を運んでいる。
「すみませーん、パンケーキとコーヒーを二つ下さい」
「はい、かしこまりました」
店員さんはそう言うと、向こうへ去って行く。
ああ、できればもう少し居て欲しかった……
その後、当然のように思い沈黙が私に訪れた。
火摺さんは目を瞑って、まるで眠っているかのように微動だにせず座っている。
うう……何も言わないのが余計に気まずい……
無音だ……周りは学生や若者達がはしゃいで、会話に花を咲かせているのに、ここだけ全くの無音空間だ。
何か、何か話題を振らないと……
「結構です」
とっ唐突に話しかけられてびっくりした!
「なっ何がです?」
「無理に話題を振ろうとして下さっているのでしょう?
ですから、結構ですと言ったのです」
ああ〜そういう事か。
なんでそういう事言っちゃうのかな〜、この人。
「あの〜、私、火摺さんに何か悪いこと……しちゃいましたかねぇ」
私は後頭部を指で掻きながら、申し訳なさそうに尋ねた。
「……いえ、何も」
「じゃあ何で、私に対してそんな態度を取るんですか」
思わず、少し怒り気味に聞いてしまった。
二人行動でのこういう態度は、避けた方が無難だっていうのに。
つい、感情が勝ってしまった……
「それは………」




