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鬼は来たりて

 ようやく奴らの根城を見つけた。



 鬼が住処にしていたのは険しい崖の真下にポッカリと口を開けた洞窟。



 この洞窟の向こうから何やら騒がしい音と声が聞こえる。



 宴でもしているのか?

 そもそも中には一体何匹の鬼がいるんだ?


 夕闇さんは洞窟を覗こうとする私を肩を掴んで抑えた。

 そして人差し指を口に当てる。


 ここからは喋らずに手で合図するようにという意味だ。


 まぁ確かに、鬼の規模が分からない以上はとにかく慎重にならないとね。じゃないと命がいくつあっても足りないし。



 まず最初に侵入するのは夕闇さん。

 そして合図が出たらすぐに私も侵入という作戦だ。



 早速実行に移す。



 夕闇さんは音も無く洞窟の入り口に立ち、まるで影の中に入るようにスゥと消えていった。


 アレってどうやってるんだろう。


 すると夕闇さんの手が入り口から出て、指二本をクイックイッと動かす。


 合図が出たので、私も素早く洞窟内部に侵入。



 意外とアッサリ洞窟内部に侵入成功した。



 でも、本題はここから。

 これから私と夕闇さんは鬼達を殲滅しなければならない。


 その際、どうやって実行するのか、はたまた鬼の規模はどの位なのか知っておかなくてはいけない。


 本来なら手分けして情報収集するんだけど、私がまだ未熟な為にそれは出来ない。


 だからとりあえず、私は夕闇さんについて行く。


 私の鎌はある程度、伸縮が可能だから今は通常の鎌と同じサイズになってるけど。


 この狭い洞窟じゃあ元の大きさで振るうことは無理か。


 まぁ仕方ない。今はとにかく先を急ごう。

 これ以上、被害が出てしまう前に。


 しばらく進むと、大きく開けた場所に着いた。


 周りには清い水が流れていて、透き通った小さな池ができている。


 どうやら、洞窟の壁に入ったヒビから水が漏れてここに流れついているみたいだ。飲めるかな?


 池に近づこうとした時、夕闇さんに肩をポンポンと二回叩かれた。


 これは敵が来た時の合図。


 素早く私は周りにゴロゴロ転がっている大岩に身を隠す。夕闇さんも同様。


 向こうから歩いて来たのは角の生えた小太りの小さな鬼とでっぶりと太った鬼。


 どうやら水を飲みに来たらしい。


 隙だらけだ、いつでも行ける!

 ここなら大鎌も振れるし。


 私は夕闇さんに向かって二回手首をまわす。


 これは襲撃の合図。

 送った相手が同じサインを出せば合意とみなす。


 すると夕闇さんも手首を二回まわした。


 合意のサインだ!

 夕闇さんが指でカウントダウンしてる。



 三……二………一



 ほぼ同時に、私と夕闇さんは岩から出た。



 鬼はまだ私達に気づいていない。好機!



 よし、間合いに入った。


 私は鎌で鬼の首に一太刀。

 人間で言う動脈に当たる部分だ。


 鬼は赤い飛沫を飛ばしながら膝から崩れた。


 もう一方の小鬼はこめかみを矢で貫かれていた。

 音すら聞こえなかった。


「弱いね、雑用か」


 夕闇さんが言うにはこの鬼達は雑用係。

 この先にコイツらのボスがいる筈だから気を引き締めなさいとのことだ。


 いよいよか、一体どんな奴がボスなんだ?

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