遺書は書かないほうがよろしいようです
……ここはどこだ?
辺り一面真っ黒な場所に俺は立っていた。
そうか、俺はもう……死んだのか
「案外あっけないものだな」
これからどうするのだろう、自殺だから天国には行けないよな……
やっぱ地獄に行かなきゃダメなのかな……
と考えていると、どこからか声が聞こえる
「くろのーーようすけさーーーん」
俺の名前を呼ぶ方へ見るといつの間にか巨大なさっきの女がいた
「な、なんでお前が、ば、化けて出てくんだよ!!もう帰れよ!!」
「ようすけさーーーん」
巨大な怪物は徐々に自分の方へ近づいてくる。
ヤバイヤバイ!
取り合えず逃げようと走ろうとするも何かに足を掴まれて動けない!
「な、なんで動けない!」
「よーうすーけさーん」
「ちょ、来るな来るな!」
怪物が目の前に迫ってくる
くそ!死んでんのに何故か闘争本能だけは十分に働いているようだ
だが、それも意味を成さず、怪物の手に掴まれる
「や、やめろ……」
「ようすけさーーーん、あなたはーー地獄でーーす!!」
「ギャーーーーーーー!!!!!」
「うわーーーーーーーーーー!!!!??」
あ?なんか声が聞こえたような、あれ?ここって
「あらーー目が覚めましたか?」
おっとりとした美人さんが話しかけてくる。
「あの、ここって地獄ですか?」
「うーん、残念だけどここは違うねーーほらーー」
と美人さんが指さした先にはさっきの女がいた
「あの……もしかして俺、死ねなかったんですか?」
「はっはっはー!よかったなー君!僕の華麗なキャッチのおかげで助かったんだぞ!感謝しろよーー!」
元気が良すぎるショートヘアーの女の子が背中をバシバシ叩いてくる。
「こら、病み上がりなんだからあんまり叩いたらダメですよ」
「はーーい、ごめんネ!」
なんだこの茶番は……
「……なんで助けたんだよ。俺がようやく勇気を出して落ちたのに……余計なことをしやがって……!」
女の子は?を浮かべてみてくる。
「んーーよくわかんないけど、命あっては柿の種っていうじゃない?」
「町さん、それを言うならものだねです」
「まーまーどっちも変わらんのですよーー」
こいつら、わかっててやってるのか?
「どうして……こんなことをした!俺は死にたかったんだぞ!!なのに!なのに余計なことをしやがって!ようやく勇気を出して落ちたのに……くそ……」
無意識のうちに涙が出てくる。
悔しいのか、残念なのか、怒りなのかそれはわからないが、止まらずに出てくる
「おい、お前」
「……なんだよ」
起き上がるときに突き飛ばした小柄な女子が目の前に立つ。
その目はどこか俺を哀れんでいるように見えた。
「はーーお前ってアホだなーー」
「……は?」
いきなりアホ呼ばわりされてポカンとしてしまった。
だが、どうせ、お約束の命を大事にしろとかなんだろうな……
「いいか、お前がアホな理由を今から上げてやろう」
「はぁ」
「まずお前はこの校舎から頭から飛び降りたな。だが、この高さなら下手をすれば即死すること無く、痛い痛い痛みを抱えもがき苦しむも誰も助けは来なく自殺しようとした自分を呪うかもしれなかったのだぞーー」
「うっ、それは」
「よかったなーー私たちが助けてあげてくれて。嬉しいだろーー」
くそ!落ちた時見たあのほくそ笑んだ顔をしてやがる!
「よ、余計なお世話だ!」
「それだけじゃないぞ、お前が自殺することでこの学校はクソだと周りに思われて、評判はガタ落ちして、責任追及で生徒会長である私が文句を言われるでわないか!!あと、後始末も面倒だしな」
「ほとんど私情じゃねーーーか!!」
本当に余計なことをされた……
もう関わるのはよそう、そうしよう。学校じゃ無くても自殺はできるしな
そう思い立ち上がろうとする
「まぁまて」
「……なんだ」
「忘れものだ」
生徒会長から紙を受け取る
「お前ら、見たのか?」
「いや、私だけだ。しかしお前もずいぶんとつまらない理由で自殺なんて考えたのだな」
「……なんだと」
「なるほど、『自分は無価値の人間で生きていても意味がない』っか……くだらなすぎて呆れたものだな」
ふっ、と俺を嘲笑するように笑う
「何がおかしい!!お前に何がわかるんだ!」
いつの間にか俺は彼女の胸ぐらを掴んでいた。そして殴る一歩手前で冷静になる。
「っ!悪い……」
今自分がやろうとしたことを思い出して後悔する。
八つ当たりするところだった。
「……お前、自分に価値がないと思っているのか?」
「……だったらなんだ」
「図星か、まぁいい。よし!響子!こいつを生徒会に入れよう!!」
……は?
「あらあらいいですねーー」
「イヤイヤまて!どうしてそうなる!?」
「勘違いするなよーー私はお前の命の恩人なんだぞ下僕よ」
い、いきなり生徒会に入れられた挙句下僕だと……
「ふざけるな!だいたいお前に従う義理なんて!」
「あーーヤバイ、無性にこのコピーした遺書をばら撒きたくなったぞーーどうしよーー」
棒読みで彼女は懐から紙を取り出す
「なっ、お前!」
「さー下僕よ。このはんづかしい遺書をばら撒かれたいか?あっ、ちょっと私が着色しといたからな!好きな女の子の名前とかなグフフ」
ご、ゴミ屑だ……
「と、いうわけでよろしくな、げ・ぼ・く♡」
ウィンクして「てへ」というなんとも腹立たしい顔をされる
俺、どうなるんだろう……
最後失速した...
多分更新しますー!
次回、生徒会役員の話!