~尋問~
更新時間が遅れてしまい、申し訳ございません。
今回の話は長い為、明日更新分と二ページに分けてありますがご了承ください。
「何か不都合でも、あるのですか?」
頭を下げている蓮花へ向けて、ゆっくりと言葉を発したライゲン。
依然頭を下げたまま、ライゲンを見ようとしない蓮花の真意を探ろうとする。
「とりあえず、頭を上げて下さい」
まるで待機室の空間には似合わないような、優しいライゲンの声。
ここまで完璧な人間に優しく扱われると、何もしていないのに申し訳ない気持ちへとなる蓮花。
恐る恐る顔を上げると、やはり優しく微笑んでいたライゲンと目が合った。
にっこり微笑んで「それで、どうして武器の選び方を知りたいと?」なんてライゲンは言葉を落とす。
「確か烈火さんは、既にナイフを武器として使っていますよね?」
そう言いながらライゲンは、なるべく蓮花が言葉を発しやすいようにわざと視線を背けた。
一度は収めたレイピアをもう一度取り出して、布で磨きながらなんでもない様な態度を取るライゲン。
その目の前にいるライゲンの流れを見つめていた蓮花。
再び見とれてしまいそうになっている蓮花へ、ライゲンから「……烈火さん?」と声を掛けられやっと我へと返る。
――あっ。
慌ててライゲンの顔を見据えると、蓮花の表情をちらりと横目で見ているライゲンがいた。
「えっ、と……、今のナイフだと、色々と闘う事に不安があって……」
たどたどしくなりながら、蓮花はライゲンへ言葉を発する。
すると、ライゲンもやっと話が進めると感じたのか磨いている自身の手を止めた。
「不安ですか?」
そう言ってゆっくり蓮花の顔を見据えるライゲン。
そんなライゲンへ向けて「はい。」と、蓮花も返事をすると言葉を発した。
「最初は闘う事が精いっぱいで、全くそんな事を思わなかったんですけど。でも、デビューしてから連日闘っていて、段々とナイフでいいのかな……って思うようになったんです」
話を聞いてくれているライゲンの整った顔を、どうしても見据え続ける事が出来ない蓮花。
何気なく視線を外していくと、ゆっくり自身の手へ目を向けた。
「なるほど……。どうしてナイフで良いのかと、疑問に思ったんです?」
見つめていた自身の手を蓮花は何度か握ったり開いたりしていると、ライゲンはまるで問いただす様にそう言葉を発する。
「そう、ですね。……私が使っているナイフだと、本当に至近距離まで接近して、確実に仕留めなくちゃ勝てないんですけど……」
それが、どうも試合をする毎にやり辛く感じるようになって……。
自身の手を見ながら言葉を落としていた蓮花。
やっと落ち着いて話が出来るようになったのか、ゆっくりとライゲンの顔を見る。
そんな蓮花の一連の動きをずっと見ていたライゲン。
ようやくまともに話が出来るようになった蓮花の様子を見て、改めてふっと表情を和らげる。
「……そうですか、闘技にやり辛さを……ですね」
話しながらライゲンは何度もゆっくりと頷き、蓮花の悩みを読み取っていく。
――……何だろう。私が相談をしている筈なのに、ライゲンさんと話していると、不思議な感覚になっていくんだよね……。
見事なまでに整っているライゲンの見た目がそうさせているのか。
蓮花は相談を持ち掛けているのが自分自身だという事を分かってはいるのだが、どうしても話していると他人事のようになっていってしまう。
しかし、そんな事はお構いなしにライゲンは蓮花へ次の質問を投げ掛ける。
「烈火さんの話を聞いた限りでは、至近距離まで近づき、確実に仕留めるのがやり辛いと感じるようになったから、武器を変えたいと」
そういう事ですね?
そう言って、再びライゲンに見とれそうとなっていた蓮花へようやく視線を合わせたライゲン。
「……あっ、はい! ……そうです」
慌ててライゲンへ返事をした蓮花。
そのまま続けてこんな事を口にする。
「今はまだ、魔力が尽きる前に相手であるモンスターの動きを十分潰せているので、確実に仕留められてはいるんですけど……。もし今後、相手の動きを封じる前に魔力が尽きたら……それか、私のナイフじゃ歯が立たないくらいの巨大なモンスターが相手となった時、このナイフで大丈夫なのかなって」
ついでの様に言葉を落とした蓮花の話を、ライゲンは興味深そうに聞き続ける。
「だったら今のうちに武器を変えて、自分に合った物を探しておいた方が良いのかなって思うようになったんです」
そう言って蓮花はようやく話終えたのか、じっと話を聞いていたライゲンの顔を見つめた。
そんな蓮花を見ていたライゲン。
ゆっくり寄り掛かっていた樽から身体を離すと、一歩ずつ蓮花へ歩いていき、こんな事を口にした。




