表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生きる為に。  作者: 井吹 雫
四章
23/175

~否定~

 個人的な報告なのですが、初めて評価を付けて頂きました!やったー♪

 付けて頂いた方、本当にありがとうございます!

 結構前からブックマークを付けてくれている方もいて、作者は本当にうれしい限りです!

 どうやってお礼を伝えたら良いか分からず、ここでお礼をさせて頂きました。

 そっと見守って頂けている方も、いつも読んでいただき、ありがとうございます!

 これからも頑張っていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします!


「ほら、気が付いただろ?」


 蓮花の戸惑いを面白がるかのように、カクーは言葉を続ける。


「お前はこの状況が、嬉しくてたまらないんだよ」


 否定したい思いとは裏腹に、じわじわと身体が侵食していくかのように震える蓮花。

 そんな蓮花を逃がすまいと、更に言葉で追い詰めていくカクー。


「地球で何の面白味もなくて、ただ生きていただけだったんだろ?」


 そう言って問い掛けたカクーは、一瞬言葉を溜めた。


「だったら! こんな非現実で有り得ない世界が、面白くない訳がない!」


 そう断定したカクー。


「お前も俺と一緒で、自分が主役になりたいんだろ?」


 再び言葉を発し始めると、カクーは一歩ずつ蓮花に近付いていく。


「誰もが羨む存在になって、優越感に浸りたいんだろ?」


 カクーの歩みに気が付く事の出来ない蓮花は、浴びせられる言葉での支配により、どんどんと呼吸が浅くなる。


――違う! 私はっ……っ!


 ついに銃口が、蓮花の身体に当てられるほどの距離までカクーは辿り着いてしまうが、それでも蓮花は気が付けない。


「興奮する程の、刺激が欲しいんだろ?」


 だったらこんな状況、最高じゃねーか。

 震える蓮花に纏わり付くように、体を傾けたカクーは言う。


「お前も、人を殺したかったんだよ」


 耳元で囁かれ、自身が知りたくなかった奥底の思いまで掻き出された蓮花。


「だからお前は、俺と一緒だ」


 そう続けたカクーの言葉に反応できずにいる蓮花の横で、カクーは引き金に指を掛けた。

 ゆっくりと銃口が、蓮花の頭に差し掛かる。

 離れた場所から進一と敦が叫び、その横で声すらも耳に届かない蓮花を見ていられなかったのか、宵歌が目を瞑る。

 しかしその時、巨大な破裂音がして、爆風と共に何かが横から蓮花の元へと吹っ飛んできた。


「っ! ぅいって!」


 横から飛んできた何かは、蓮花とカクーを巻き込みながら、二人に覆い被さるようにして倒れ込む。


「あららららららら、ごめんなさーい!」


 そう言って、笑いながら立ち上がろうとするセルフィーナ。

 今までの呪縛が解かれたように、蓮花は我に返って身体を起こし、何が起こったのかを確認する。


「魔力の調節、失敗しちゃったのよ~」


 二人に覆い被さっていたセルフィーナは、衣に付いた砂埃を払うと「邪魔しちゃったわね。」と言って、元いた場所へと飛んでいく。


 あまりに突然の出来事で、自分が何をしていたのか一瞬忘れた蓮花。

 周りでは依然、この可笑しな殺し合いを楽しむ歓声が聞こえていた。


「ふっ……ざけんじゃねーぞ」


 そう言ってゆっくりと起き上がったカクー。

 せっかくのチャンスを潰されたカクーは当然怒ってしまい、倒れた拍子に落とした銃を拾うと、飛んでいくセルフィーナに向けて、乱雑に銃弾を打ち込んだ。

 カクーのすぐ近くにいた蓮花は、突然の乾いた破裂音に、思わず耳を塞ぐ。


「っ!! ……ちょっと、何をするのよ」


 後ろからの思いもしない刺客に、宙に浮いたままのセルフィーナは顔だけ向けてカクーを睨んだ。


「最初に邪魔してきたのは、お前だろ」


 そう威嚇したカクーは、更にもう一発セルフィーナに向けて発砲する。

 しかし、セルフィーナを包んでいる水の膜が、カクーの放った銃弾を弾き飛ばした。


「っ! きゃっ!」


 弾かれた銃弾が流れてきた為びっくりした宵歌が、頭を抱えて縮こまる。

 その光景をずっと見ていたのであろうセルフィーナのファン達が、カクーに野次を飛ばした。

 しかし、そんな事はお構いなしに、更にもう一発発砲したカクー。


「っ……」


 それによって、カクーの態度に堪えていたセルフィーナが、ついに切れた。

 蓮花たちのいるゾーン目掛けて水の散弾を放ち、カクー目掛けて攻撃を開始する。

 飛び交う銃弾と水弾の真っ只中にいた蓮花は、這うようにして慌てて逃げるが、その上を水を纏ったセルフィーナが通り、カクーに向けて水魔を放つ。

 もはや分けていたゾーン等、意味がないように暴れる二人。

 観客はそれを見て面白がっているが、散弾が飛び交う中にいる蓮花たちにとっては、堪ったものではない。


――嫌だっ! 助けてっ……!


 見た事もない動く水に、あちこち散弾が飛び交って荒れる地面。

 何より、この光景を目の当たりにしている事自体が信じられない蓮花にとって、今はただ逃れる事だけが、唯一の願いだった。




 今日の夜の更新は、ちょっと遅くなるかもしれないです。

 多分10時~11時半……位になってしまうかと思います。

 万が一それより遅くなってしまったらすみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ