表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
W@TCH THE WORLD  作者: 飴々乃 ほまる
W@TCH MY WORLD
4/11

THE F@RTHEST KNIGHT

ー極東の剣士は笑う



「南雲大佐、《liberty》のカレハ特尉より御電話です」


部下の山本佐官の呼びかけで書類の山から顔を上げた男は相手の名前を聞くと、黙って内線ボタンに手を掛けた。


「代わりました、南雲です。お久しぶりですね、カレハ特尉」


最後に会ったのは2年前のことだったか。真っ白な髪で紅い瞳をした少女の顔を思い出す。


「今回はどんなご用件で?」


前回、彼女が呉に来たのは《liberty》の船艇の補給のためだったが、今回はどんな用件での再会となるのだろうか。彼女が直接私に連絡を取って来たのは今回が初めてのこと。よほど急な案件でもあるのだろう。


「…はい。…え……」


耳を疑った。彼女の口から出た台詞はこの地位に就て以来初めて聞く台詞だった。この19年間、人類が諦めの色を濃くし、後手にまわり続けたこの戦況に風穴を開ける一言だった。


「……ほう…」


人類の切り札たる彼女が取り戻すと言う地の名前を聞いて、デバイスを持つ手に力が入る。


「沖縄ですか…」


沖縄。6年前に出現した《LIFE-LESS》によって基地を自爆放棄し、以来ヤツらに占拠されている日本の国土。現在、屋久島まで前線は後退している。


「…了解しました。3時間後に天草の基地に」


デバイスを置くと椅子にかかっている上着をしっかりと着込み、山本に指示を出す。


「今すぐに天草に連絡を。奪還作戦を始める」

「了解しました」


南雲は立て掛けてあった刀とアタッシュケースを持つと《flight-carrier》に向かった。

《search-phone》でオペレーションルームに連絡を取る。


「こちら南雲大佐。西欧連合軍-極東第一機巧機士団全メンバーにへ通達。……《Resistance-operation》の発動を要請する」


極東の剣士は高鳴る鼓動を胸に、そう言って通信を切った。




第4話です。今回はカレハ以外の視点からの物語が欲しかったので南雲大佐の視点で書きました。

レビュー、アドバイス等々よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ