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W@TCH THE WORLD  作者: 飴々乃 ほまる
W@TCH MY WORLD
2/11

W@R TO SURVIVE

第2話。ー楽園の袂で

コスタリカでの戦闘の2日後、私は今、旧イスラエルの首都エルサレムに来ている。エルサレムは元々内戦が続き不安定な情勢にあったが、7年前に北部から進行してきた《LIFE-LESS》によって一帯が廃墟になってしまったと資料にあった。

3日前にそのエルサレム上空で高度10000mを飛行していた西欧連合軍の《flight-carrier》が消息を絶っている。今回は現地での捜索、及び周辺の外敵の排除が主な任務になっている。


『ー…ー…ッ…ー」


電波撹乱用のチャフが散布されているため《liberty》と連絡が取れない。


かつて、イスラムとユダヤの2派が互いに争ったこの大地に見えるのは前時代の兵器が横たわっている。履帯の外れた戦車。横転した装甲車。どれも塗装が剥げ、中には原形がわからないほどぐしゃぐしゃに潰れているものもある。


「…あ…」


白い機体。機体側面に見える十字の入ったエンブレムは西欧連合の連合旗の紋様だろう。連合軍の《flight-carrier》は広い通りに着陸していた。見たところ主翼と機体右側面に穴が開いている。襲撃に遭ったとみるべきだろうか。

辺りに人影はない。携行火器兵装がなくなっているので機体を棄ててまだどこかにいるかもしれない。


突然爆発があった。グレネードの類いだろう。私は電動バイクに跨ると一気に爆発地点に向かった。



状況は最悪だった。


記録にあった兵士の名前は7名。生き残っていた兵士は1名。


対する外敵の戦力は《type-cyber:サーペント》1機、《type-Battery:ビートル》1機。ビートルだけならまだ楽だったかもしれない思う。ビートルは狙撃兵装の外敵であるため接近戦ではこちらが優勢だったが、何せサーペントは周囲の電子機器に物理接触することでハッキングが可能であり、その中でも目の前のコイツはサーペント自身を主機として子機のデバイスを使って遠隔でのハッキングを行ってくるタイプの機体である。


周囲にある兵器は、3機。いずれもアメリカ製の旧式だが数が多い。


砲塔が私を捕捉しようとする。


「ー…ッ」


カレハッ…ー!


右手に握られた《Code-K@REHA》が火を噴く。砲塔を吹き飛ばす。省電力モードで起動させたためやや出力に欠ける。

あと2機。

ビートルがこちらを捉えた。


「速いッ…」


ギリギリのところで躱すと私の後ろにあった戦車がホコリのように一瞬で消し飛んだ。


「ー…ッ!」


先にサーペントの頭部にフルバーストでトリガーを引き絞る。スクラップになったサーペントがガシャリと崩れ落ちた。


ビートルは榴弾砲の自発弾の装填に時間がかかる。接近戦に持ち込むため、再び省電力モードで主砲の根本に撃ち込んだ。

主砲が根本から砕けたため、ビートルは先程までの威圧感のない丸いフォルムになっている。


『私も、互いにまだ死ねないから、ごめんね』


最後に『カレハ』はそう言い放って引き金を引いた。



1人生き残っていたマーガレット少尉と私は電動バイクでエジプトの国境にある連合軍の絶対防衛線に向かう途中、少しだけ話をした。


「どうして、あなたのような戦闘に特化した兵士が前線で戦わない」


「…私みたいに戦えるのは数が限られているのに、その上相手の数が多いほど負ける可能性が大きくなる。その状況で戦略級の戦闘力を簡単に失うわけにはいかないからってメイヤーが前に言ってた」


「…毎日、どれだけの兵士が戦場で外敵の奴等に殺されてると思ってるんですか…」


それでも、と言いかけて口を噤んだ。これ以上は多分ダメなことだから。ここまでの《LIFE-LESS》との交戦において、人類が取り戻した領土はまだ存在しないという。今日、隣に座っていた友人が明日もそこにいるとは限らない、そんな状況で一体どれだけの言葉が慰めになるだろうか。


ー…それでも、人類は生き残って外敵に打ち勝たなければならない。


そのために私は旅をして、戦場に立ち、引き金を続けるのだから。



第2話の投稿です。勢いに任せて書いてるのであまり長々とは書けてませんが楽しんでいただけると幸いです。感想、アドバイス等々何でもよろしくお願いします。

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