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突然姫って言われても困ります! 作者:*まるこ*(改名しました)

本編

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男のケジメ

男しか出ない会って初めてかも

動物たちも眠る夜の闇の中。


「…どうしたんだ、フィリス。こんな夜更けに訓練所なんかに呼び出して」

「忙しいのにごめん、ロード。話があったから」


ロードはピクリと肩を揺らす。
2人だけで向かい合い話すのは、フィルがロードにティアへ対する思いを問いただしたあの時以来だ。


「…姫様のことか?」

「そう、皆に知れる前に伝えたかった」


2人の間に少しの沈黙が落ちる。
開いた窓から風が吹き抜けーー



「俺は、ティアと婚約する」

「………そうか」

そう言うロードを静かに見つめるフィル。

「それで?姫様ご自身も認めてるであろうことを私が認めない、と言ったところでどうなるんだ?」

「俺が、誰より側で護ることを認めてもらえるように、努力する」


「…なるほど。では、力づくで認めさせてみろ。あえてここに呼び出したのもそういう気持ちがあってのことだろう?」



木剣を二本持ってきたロードは片方をフィルに投げる。
騎士団の第一、第二部隊の隊長というトップクラスの実力者が、己の武器ーーー細剣や槍で勝負するとなると、訓練所がいくら頑丈でも破壊しかねない。
それくらい、いまやロードとフィルの実力は拮抗している。


それ以上の会話はなく、静かにお互いを見つめる2人。
全てが闇に吸い込まれていくような静寂。
窓からの風が2人の髪を揺らした、次の瞬間。



同時に踏み込んだ。


「ハァッ!」


上から振り下ろされたロードの重い剣撃を即座に受け流し、フィルが返す刃で斬りつける。

「ふ…ッ!!」

それを一歩退いて躱したかと思うとそのまま体を反転させ踊るようにフィルの銅を薙ごうとするが、その太刀筋を読み切りそこよりも更に下に姿勢を低くしてロードの足元を攻める。

「……ッ!」


一瞬体勢を崩しかけたロードだったが、踏ん張るついでにフィルの木剣を足で踏みつける。


メキィッ!!

「く…っ」

木剣にヒビが入ったところで、フィルは地面に手をつきそれを軸に回し蹴りでロードの木剣を手から弾き飛ばす。


互いに武器が手からなくなりバッと飛びすさって離れ……



「はい、そこまでー!」


「うわ⁉︎」
「な、…シュウ!」


空いている窓からニカッと笑みをこぼすのは、いつから見ていたのか、ここ最近隠密として目覚ましい活躍をしているシュウだった。

「体術だと、力のあるロードの旦那と速さは騎士団一のフィルの旦那、勝負つかないでしょ」


武器は壊れちゃったし〜

そう軽い口調で言いながら窓から訓練所に入ってくる。

「なんなら、俺も混ぜてもらっちゃおうかなぁ。姫さん争奪戦」


「……これは、ただのケジメだ」


(そう、私に姫様への気持ちを気づかせてくれた時と同じく、きちんと向き合ってケリをつける時間をくれたのだ。
仲間として。)

そう口にすると、ロードはなんだか心がスッキリしたような気がしてくる。


猫のような金のつり目を丸くして、シュウは面白そうな表情になる。
「ホント、旦那たちって相思相愛だよね〜」


「うるさい、しばくぞ」
「気色悪いことを言うのはやめなさい」


はぁ…と溜息をついたあと、ロードは表情を和らげフィルに向き直る。


「私は、姫様をお慕いしてきたが、誰より幸せになっていただきたいという気持ちに変わりはない。…姫様を、頼むぞ。フィル。」


普段は騎士団の先輩として、愛称で呼ぶことは滅多にないロードのその言葉に、フィルは頷いた。


「あぁ。生涯をかけて幸せにする。」



『ロードがくれる気持ちに対して、"姫として"100%誠意を尽くしたいの』


自分にそう言った姫の心からの幸せを願い、ロードはフィルと固い握手を交わす。


その後、シュウがしつこく誘うので、そのまま3人で酒を酌み交わし、楽しい夜は更けていった。

ケジメって言うならレオナルド王子も入れてやったら良かったのに…

フィルとロードの昔の話とか
書ききれなかったなぁ〜

次あたり、ひとまず最終回の予定です
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