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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

非王道4

 非王道4作目です。

 楽しんでいただけたら幸いです。

 

 私が勤める会社には、容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、才色兼備、金枝玉葉などの四字熟語があてはまる男がいる。

 少し嫌味に聞こえるかもしれないが、私の勤めている会社は、ちょと名の知れた大企業で、昨今の不景気の中、黒字が続いている超優良企業だ。もちろん企業には各地から優秀な人材が集まってきている。

 そんな優秀人材が多くいる中でも、彼は特に抜きんでており、入社ではトップの成績で新入社員の挨拶をし、今では出世街道を走り、いつかは社長に、しかも企業設立以来の最少年社長になるのではないかと言われている。もちろん、家は代々続く、名家で、婚約者がいるらしいという噂である。

 また、性格も非常によく、少々傲慢な所が見られるが、そこはリーダーシップがあるとい言葉に置き換えられ、後輩にはもちろん、先輩からも頼りにされている。

 そんな彼は、やっぱりというか非常に女性にもてる。

 なんでも、幼稚園の頃から園児はもちろん、保育士さん、園児のお母様方からも絶大な人気があり、バレンタインの日には、よく母娘が彼にあげるチョコを巡って喧嘩する姿がよく目撃されたらしい。

 今でも、彼は非常にモテモテであるが、仕事には私情をはさみたくないといことで、仕事上関係のある女性とは絶対に付き合ったりしない。

 しかし、仕事では関係ない女性には手を出しまくっているらしく、『来るもの拒まず、去る者追わず』らしい。

 それなので、会社の中女性の中にはもしかして…と考えている人が多く、昼休みや帰りには彼の周りには女性だらけである。

 一方の私は、まさしく『平凡の下』である。顔は、化粧によってたまに中の中になる日があるだけで、たいていは中の下で、体型も標準体重の+3キロで、運動も試合ではいつも一回戦負けで、たまに相手のミスが連発して勝つときがあるくらいだった。

 そのため、自分の取り得は勉強しかない。顔や体型は頑張ってもどうにもならないが、勉強は頑張ったら、頑張った分だけ自分に返ってくるところが好きで、学生時代はほぼ勉強しかしなかった。

 そのおかげで、今の会社に就職できたのだから、私としては満足である。

 母には「勉強だけできても、結婚は出来なかったらどうするのよ」と言われているが、私としては、中学生の頃の経験で恋愛に少々トラウマがあり、また高校の頃、たまたま行き倒れていた妊婦の出産の手伝いをして、生命の神秘を感じるより、あんな優しそうな人が鬼のように変わる姿や人の中から子どもが出て来る様子に気味が悪くなてしまい子どもはいらないと考えており、一生独身のつもりである。

 というかむしろ、独身サイコー、男なんかいらない!!!それに、男は私みたいな平凡とと絡むより、男同士絡み合っている方がイイ!!という、腐女子である。

 会社の男性の皆様、たまにカップリングして、妄想のネタにさせてもらっております、スミマセン。もちろん、「彼」はおいしいネタの宝庫で、攻めにも受けにもなってくれるイイ人材であった。

 そんな彼と私は同じ会社に勤めているが、部署が全く違い、また恋愛フラグは出来るだけ立てたくない私としては、彼のような人間に合わないように気をつけていた。

 しかし、まったくそんな彼と私の関係を変える出来事が起こったのだ。

 私は、その前の週に私の部署の新人がとてつもない失敗をやらかし、それを挽回するため、かけずりまわり、とてもきつい一週間であった。そして日曜日の8時にやっと仕事が終わった。あと、12時間後にはまた一週間を新しく始める身としては、この後家に帰って料理をする気にもなれず、居酒屋でビールを一杯拝借し、元気をつけたいところであった。そこで、行きつけの店で、おいしいお酒と料理を堪能し、さあ家に帰ろうとすると、突然トイレに行きたくなってきた。

 私はお酒は大変好きなのだが、飲むとどうも少々トイレが近くなってしまう。

 そして、家のちんけなトイレに行くより、常にトイレットペーパーがあり、掃除も行き届いているホテルのトイレを利用してしまうのが、私の酔っ払った時の癖である。

 この日も、家につく前に尿意をもよおしてしまい、こういうときに行く、ほぼトイレでしか利用した事のない高級ホテルに入っていった。

 まぁ、酔って気が大きくなっている時でないと入れないホテルである。

 そしてトイレに入ってすっきりし、出てきた時に誰かにぶつかってしまった。

 今思い返しても、本当に、私は悪くない。

 走ってきて、勝手にぶつかったのは相手の方なのだから。

 なのに、その相手はぶつかっても謝りもせずに行ってしまおうとするではないか。

 そこで、「ちょっと、待ちなさいよ。人にぶつかっておいて謝罪もないの。」とそいつに向かって言ったのだ。

 すると相手が振り向いた。

 その相手とは、なんと「彼」(・)であった。

 そして、「彼」は「悪かった。少し急いでいて。しかし、そこにボッケーと立っている人も悪いとは思うが。」と言ってきたのだ。

 ここでの私の選択肢は、誰が性格の(・)イイ人だ、性格が(・)イイの間違いだろと①更に文句を言う。②ビンタする。③すねを蹴るなどの選択肢があった。

 しかし、私は考えたのだ。

 ここで下手に文句を言って、この俺に向かって文句を言う女は初めてだ、などと思われ、気に入られてしまうのは、なんとしても避けたい。

 そこで、いつも会社で彼に会ったときに取る態度をとった。

 それは、彼の周りの女たちが取るであろう態度である。つまり、まるでたった今彼に恋した乙女のように頑張って頑張ってほほを染め、ウルウル目で彼を見上げ、口を半開きにし、ポカンと彼を見上げたのである。

 私は思うのだ。

 よく小説などで自称平凡女とイケメンがくっつく話があるが、あの自称平凡女はアホであると。

 イケメンに関心がないのはよくわかるが、関心がありません、私に関わらないで!!!という態度は逆にイケメンが「俺に関心がない女がいるなんて!!!」となり、逆にイケメンの興味をひき、イケメンに目をつけられてしまうのだと。

 たとえ、イケメンが好きでなくても、他の女性たちのようにイケメンを恋するように振る舞えば、イケメンから見れば、イケメンに恋する、周りにうじゃうじゃいるその他一般の女性たちと変わらず、イケメンの目からは、ターゲット外になるのだ。

 そこで、私は会社の中でも、彼に恋しているかのように近くを通ったら、とりあえずほほを染め、仲間とキャアキャアさわぐ。

 こうすれば、彼には、表面上しか見ないバカな女の一人だと認識されるはずで、実際、今まで彼に目を付けられた様子はない。

 このホテルでぶつかった後も、結局、彼は私を見て、他の女たちと同じ種類だと認識したらしく、何か言いたそうにはしていたものの、何も言わず、立ち去った。

 そうして、私と彼の間には何もないまま過ぎていくはず!!!




 しかし、そんな作戦成功と思っている彼女は知らない。

 確かに彼女は近くを通ると他の女たちのようにほほを染め、目を潤ませ、まるで恋する乙女のようにこっちを見てくるが、他の女性と違って、その態度も本当に(・・・)近くにいる時でしか出ず、むしろ、5メートルも離れれば、彼の存在にすら気づいていない様子で(たいてい彼に本当に恋する女性なら100メートル先でも見つけてくるのだ)、またお昼や仕事終わりに誘ってくる事は絶対なく(彼に恋する女性なら必ず1回は誘われるのだ)、またバレンタインンイチョコを貰ったこともなく(机の上にすら載せてきた事がない)、本当に彼に恋しているのかと思われており、それが彼の関心をひいていることに。

 そして、ホテルでぶつかったのも偶然ではなく、たまたま彼女を見かけた彼が近づくきっかけになればとわざと(・・・)ぶつかったことも・・・。


 

 こんな拙い文章を読んで下さり、ありがとうございました。

 少しでも皆様の予想と違った非王道になっていれば幸いです。

 誤字・脱字はもちろん、日本語としておかしいところが多々あるとは思います。すいません。

 こんな事書いてますが、自称平凡女とイケメンの恋愛もの大好きです。

 そして、ホテルにトイレだけ借りるということはしないようにしてください。(笑)


 

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