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水色のスリッパ

掲載日:2026/04/08

お気に入りの日用品はありますか?

例えば…スリッパとか(^^♪

 「なんか…愛着湧くな…」

水色のスリッパを見て、俺は呟いた。


部屋の掃除をしていた時に、ビニール袋に入っていたのを見つけたのだ。

「これ何…?いつ買ったっけ…」

覚えていないほど前の物なら、それが何であろうと埃やカビを心配したが、見た目は凄く綺麗だった。


履き心地も良く、締め付けられている感じがなくて足全体が柔らかな雲に包まれているようだった。


デザインも可愛らしく、薄い水色のモコモコには何のキャラクターかは分からないが、つぶらな瞳とにっこり笑った口のデザイン。


日常生活で使おうと俺は決めた。


 「え、それ可愛いじゃんどこで買ったの?」

廊下に出ると、早速学校から帰ってきた姉ちゃんにも褒められた。


「へへ、いいでしょ?」

俺はモフモフに包まれながら、階段を下りていった。


締め付けがない分すぐに脱げないか心配したけれど、それも大丈夫みたいだ。


というか、履いている方がスムーズに動けているような気がする。


(お宝発掘ってこの事かぁ〜!)

俺は心の中で叫んだ。


ご機嫌で歩いていると、壁に立てかけてあった台所板が落ちてきた。

そこには釘をくわえた、お父さんがいる。

「危なっ!」

気づくと俺は板を押さえていた。

危機一髪で、お父さんを守ったのだ。

「ありがとな」

お父さんにお礼を言われながら俺は考えていた。

(俺の足、今勝手に…?)


そんなわけないか。


バカバカしいと思いながら、俺はリビングへ向かった。


 それからというもの、俺はこのスリッパを愛用している。

足の不快感もなく、動きやすい。


(まるで魔法のスリッパだな)


自分の部屋に戻ってスリッパを脱ごうとした。


ビクンッ


右腕が痺れた気がして、反射的に見る。


いつの間にか上がっていた右腕がダランと下がった。


薄気味悪く感じて、俺はそさくさとベットへ入った。


 朝、寝ぼけた頭のままスリッパを履き部屋から出ようとした時。


体に電気を流されたような、これまでにない痺れを感じて俺は後ろに倒れそうになった。


しかし、そうはならなかった。

机に掴まりバランスをとって、どうにか立っている。


動揺する俺の頭の中に声が響いた。


「や〜っと交代だ」

スリッパを見ると、可愛かったデザインは悪魔のような顔をしていた。


脱ごうと思っているのに、体は動かない。


それどころか腕が勝手に上がったり下がったり、窓辺に足が歩いてしまったり。

『俺がしようと思っていない動きを』体がしている。


だんだん意識を保つのが難しくなってきた。


フラフラする。


頭が


重…い…


 その日の朝、少年は元気に起きてきた。

「おはよ〜」

トーストをかじっていた少年の姉は目を丸くする。

「珍しいね、いつもすぐに起きてこないのに。」

笑顔で少年は答える。

「そう?今日は気分がいいからかもね。」


足元のスリッパを見て、少年はニヤリと笑った。


少年の顔は、いつもの笑顔と少し違って見えた。

最後まで読んでくださりありがとうございます!

スリッパを履く時に(これが自我を持ってたらどういう行動をとるんだろう…)と考えたのがきっかけで作成したホラーです(*゜∀゜)

他の作品も読んでくださると嬉しいです!

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