☆3 牢獄に近づく男②
引き続きセピアの回。ある囚人の部屋を訪ねるシーン。
彼が完全にのぞき込まずとも囚人の方から鉄格子や牢扉へ近づいてくる。
長く収監された囚人に新鮮な興味と刺激を与えたようだ。
息遣いを感知した囚人たちは「随分と若い看守だとこ……いっひっひ」。
囚人にとって鍵束の音など今更なこと。
惹きつけられたのは足音の彼が少年であったことにだった。
セピアがある囚人の鉄扉の前で足を止めた。
扉の窓越しに中を覗くと独房の男がチャンスとばかりにすり寄ってきた。
独房の男と目を合わせたセピアの第一声が上がる。
「……くっ、臭いっ!」
「新入りだな。顔を見せな!」
「着任早々そんなんじゃ先が思いやられる」とある囚人はセピアを嗜める。
口元をタオルで覆っていて顔が良く見えないといった。
セピアは異臭に耐えれずむせ返している。
「ふん! よくこんな所に志願してきたなボウズ! よろしく頼むぜ。それより、アンタなにか食うもん持ってないか?」
囚人は初老の男。髪はバサつき、口から零れる歯は若いころから歯磨きをサボってきたように黄ばみが浮いて見えた。漂う異臭はその頭皮と口臭が放っていた。
セピアは罪とは無関係の身だしなみのなさに嫌悪して蔑みの目を男に向ける。
「……し、知るか! この腐れ外道がっ」
「おいボウズ、そりゃ何て言い草だ? 新入りなんだから差し入れぐらい差し出さなきゃ、ここじゃ上手く立ち回れんぞ!」
「うぐっ……臭過ぎて……は、鼻が……」
鼻が曲がる。
一秒でも目の前の空気を吸いたくないとしかめっ面を見せるセピア。
初対面だが囚人はセピアを子供と視認すると食べ物をねだり始める。
逆らうと怖い顔を見せ、今後も手懐ける腹積もりでいるのが見え隠れする。
セピアは臭くてそれどころではないため、生意気なセリフで突っぱねた。
その年齢で囚人を快くなど思っていないようだ。
人の道から外れた輩という存在に強く嫌悪する眼差しであった。
見栄えの悪い囚人を差別的に見下す演出が欲しいところなのです。
この男とセピアが接触したことを効果的に印象付けたい。できてるかなぁ。
もっとやり取りがあった方がいいかな? 1000文字で収めたいからやめたんですけど。




