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「奥様は雪女」(セーラー服と雪女 第11巻)  作者: サナダムシオ


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7/9

⑦ 背信行為?

 念のために言うと、この人物は❝昭和❞時間軸の杉浦鷹志である。

 彼にしてみれば、真田雪子を裏切っているつもりは無い。

 何せ彼とサン・ジェルマンとの出会いは、雪子からスカウトされるよりも、ずっと前の事だったのだから。

 そもそも雪子が、よく彼の事を調べもせずに、自分の研究所に引き入れたのが迂闊だったのである。鷹志もそう思っている。


 そんな訳で鷹志は、月、水、金曜日はサン・ジェルマンのアジトで、火、木、土曜日は雪子の研究所で働き、どうしてもの用事を任された時は仕方なく、日曜日にどちらかの場所で働くという、二重勤務をしていたのだった。

 

 勤務とは言っても、どちらでも大好きな研究をして、給料や研究費を双方から二重取りしているので、嬉しくはあっても辛いことは皆無だった。

 東大農学部を首席で卒業したのだ。それくらいの収入は妥当であろう。


 どちらかと言えば、彼は元々サン・ジェルマンのファンで、実在するならぜひ一緒に仕事をしたいと、常々思っていたのだった。

 それ故、彼からの誘いがあった時は、まさに渡りに船であった。

 それに比べれば、雪子からの誘いは半ば強引だったので、イタズラ心も少し手伝って、サン・ジェルマンのことは黙っておこうと思ったのだった。


「杉浦君、コーヒーを3つ煎れてくれるかな?」

「了解です。」

 戻って来た三名は、テーブルにつくと談笑を始めた。


「さて、何から尋ねたらいいのやら…キミは不思議な手品を見せてくれたし…。」

 テスラが京子に言う。

「私、雪女の末裔ですの。雪と氷を自由に操る超能力者、と捉えていただければよろしいかと。」

「ほう、それは興味深い。モノを温めるより、冷やす方が技術的には難しいものだがね。」

 あら、やっぱりサン・ジェルマンと同じ見解なんだ。と、京子は思った。


「あのビートルのカスタムも凄いものだね?」

 今度はサン・ジェルマンに尋ねる。

「ええ、あれは自慢の自家用車兼タイムマシンです。同じ時間軸上なら、過去へも未来へも、自由自在に行けますよ。それに先ほど披露したように、控えめな武装も備えています。」


「どうやら、常々キミが語っていた❝未来から来た❞と言う話は本当だったようだね…この建造物も立派なものだ。」

「コレはパリのエッフェル塔を手本にして、日本の建築家が設計したものです。私はソレの一部を異空間にコピーして使わせてもらってます。」


「ところで、あの追手たちは、やはりFBIだったのだろうか?」

「…いや、アレは違いますね。異空間まで追跡する技術があったので、彼らはおそらくMIB。いわゆるメン・イン・ブラックなのではないかと…。」


挿絵(By みてみん)

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