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「奥様は雪女」(セーラー服と雪女 第11巻)  作者: サナダムシオ


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1/9

① 結婚式の提案

 雪女の末裔と、時をかけるイケオジのカップルの、その後を描く物語です(>ω<)

 彼女の名は村田京子。

 雪女の末裔でかつ、不老不死の身体である。

 それ故、見た目は永遠の23歳。


 彼女のパートナーの名は、かの有名な「時をかけるイケオジ」、サン・ジェルマン。

 彼の見た目は永遠の36歳。

 何を隠そう、かつて人魚の肉を食べてしまったのである。

 そして同じやり方で、彼女を不老不死にした張本人なのである。


 二人はひょんなことから結婚する運びとなった。

 だが前述の通りの事情もあり、結婚式や披露宴に、友人や親戚を呼ぶわけにもいかない。


「ねえ、いくら事情婚でも、結婚式は挙げておきたいわ。」

 ある日、彼女は彼に言った。

「それもそうだね。じゃあ、こういうのはどうだろう?」

 彼から一つの提案が出された。


「素敵ね。ぜひそうしましょう!」

 彼女は彼の提案に飛びついた。

 サン・ジェルマンの提案は、いつだって面白い。

 彼女はすっかり彼の虜だ。


 二人は荷物をまとめると、自家用車兼タイムマシンのシルバーのビートルに乗り込んだ。

 彼がセンターコンソールパネルに、目的地の時空の座標を入力すると、すぐに出発した。


 現場には、あっと言う間に到着した。

 そこはフロリダのディズニーリゾート。

 その一角に立つ教会前だった。


 京子はクルマから出ると、荷物を抱えて、いそいそと着替えに行く。

 サン・ジェルマンは、出かける前に既にタキシードに着替えていた。

 彼はいつだって用意周到なのである。


 戻って来た京子は純白のウェディングドレスを身にまとっていた。

「キレイだよ。京子さん。」

「バカ。」

 京子はすっかり照れてしまって、つい間違った返答をしてしまう。


「さあ、行きましょう。」

 そう言う彼にエスコートされて、教会の中に入ると、現地のガイドが手配した牧師と、オスとメスのネズミの着ぐるみが2体待っていた。


 それは皆さんご存知の、ミッキー&ミニーだった。

「誰も呼べないからこその、この形。神前結婚式になぞらえるならば、これはネズミ前結婚式ですかな?」

 彼がお茶目な顔をして言う。


「素敵ね。気に入ったわ。」

 そう言う彼女も満面の笑顔だ。

 十字架と牧師とネズミの前で誓いを立て、こうして二人は正式に夫婦となったのである。


 これから何が起ころうとも、二人の前途は洋々だ。

 なにせ二人は不老不死なのだから。

 それにイザとなれば彼は炎を操り、彼女は雪と氷を操る。

 だから寒くても、暑くても無敵なのである。


「さて、これからどこへ行こうかしら。」と、彼女。

「どこへでも。時間は無限にあるからね。」と、彼。

 二人の旅は、ようやく始まったばかりだった。


挿絵(By みてみん)

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