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第1話 ~元エリートがポンコツ星で無双開発ライフ~

【あらすじ】


銀河最大の科学都市アーク・セントラルでトップAI技師として名を馳せた青年・カイル=レイン。

だがある日、政治的陰謀に巻き込まれ、冤罪で“辺境惑星ノクス”への流刑を命じられる。


だが、ただの流刑地と侮るなかれ。そこには、廃棄された旧銀河帝国のAI残骸群と、原始生活を送る人類の末裔がいた。


「……この星、俺に改造させる気だな?」


持ち込んだ携帯AI“ノヴァ”と、回収した軍用ドローンを駆使して、

食料生産 → エネルギー管理 → 国家運営へと一気に進化。


やがてカイルは、銀河中から「神技師」と呼ばれる存在に――

文明レベル:石器時代 → 宇宙通信解禁!

「もう戻らなくていい。こっちのほうが、面白い。」


【主要キャラ】


◆カイル=レイン(主人公)

元・天才AI設計士。人類AI発展機構に所属していたが、陰謀により失脚。

技術力は超一流だが、性格はややドライで合理主義。だが人情に弱い。

→「人類ってのは、ほんと非効率だよな…それが良いんだけどさ。」


◆ノヴァ(AIパートナー)

カイルの相棒AI。高性能だが毒舌でツッコミ役。人間の感情をやたら研究している。

→「あなたの選択は、85%失敗しますよ。でも止めませんけど。」


◆リュカ(辺境惑星の少女)

ノクスの部族の少女。カイルに最初に助けられた現地民。

読み書きすらできないが、知的好奇心が高く、AIとの対話に目覚めていく。

→「カイル様は“星の声”を聞ける方なんですね!」

「カイル=レイン、あなたを《第47刑:非帰還辺境流刑》とする」

宇宙最高評議会の判決文が、あっけなく読み上げられた。

裁判は二時間。弁護人は無し。証拠は捏造まみれ。

——完璧だったはずの人生が、突然“強制終了”した。

カイルは無言で宇宙船の貨物席に押し込まれ、辺境惑星ノクスへと送られる。

目覚めた先には、文明も通信もない、赤茶けた空と壊れた衛星塔だけがあった。


「……ほう、面白い。

  じゃあここで、“俺の星”を作るとしようか」

彼の手には、携帯AI“ノヴァ”と、わずかな工具セット。

でも、それだけで足りた。この男にとっては、な。


第1話:そして神は荒野に降り立つ


辺境惑星ノクス。

大気はかろうじて人類が呼吸できる水準。重力は地球の0.86倍。

だが気温差は激しく、昼は灼熱、夜は凍えるほどに冷える。


降下ポッドから這い出たカイルは、赤土に覆われた地面を見つめた。


「これが、俺の“新しい職場”か……クソだな」


宇宙服を脱ぎ、愛用の携帯AIノヴァを起動する。

掌サイズの立体ホログラムがふわりと浮かび、毒舌が返ってきた。


「環境分析終了。文明レベル、推定:初期農耕期。

 データ基準により表現すれば“石器時代”ですね。ようこそ過去へ」


「せめて"未来に送られた"とか言ってくれ。モチベが下がる」


カイルは辺りを見渡した。山肌には、錆びついた構造物の一部が埋まっている。

帝国時代の宇宙観測基地の残骸だ。


「よし、“死にかけてる旧文明”ってやつは、最高の素材だ。

 俺に再生されるために眠ってたってわけだな?」


——技術者にとって、廃墟ほどロマンに満ちたものはない。


彼はすぐに行動に移った。

まずは、ポッド内に残されていたツールで地熱発電装置を組み直す。

次に、通信装置を再構築し、壊れた観測衛星の制御権を奪取。


わずか3日で、カイルはこの星の“空”と“電気”を取り戻した。


「ノヴァ、広域スキャンで人間の存在反応を探れ」


「反応1件。移動速度低下、負傷の可能性あり。距離1.2km」


「上等。生きてるってことは、文明も作れるってことだ」


カイルは工具箱を担ぎ、乾いた大地を歩き出す。


その先にいたのは、膝を擦りむいた少女。ボロ布をまとい、石のナイフを手にしていた。


「っ……なに、もの……?」


「通りすがりの神様だ。お前、運がいいな。

 この星、今から“作り直す”ところなんだよ」


※次回:「AIの神と呼ばれて ~農耕、発電、教育を一週間で~」

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