表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/44

02. 過去に戻った?


 体に衝撃が走ったような気がして、思いきり息を吸い込んで目を開ける。

 ……目が、開いた?

 見慣れた自室のベッドの天蓋。

 え、私……生きてる?


 体がどこも痛くない。

 もしかして、天国……? それとも助かったの? だとしたら、あれからどれくらい経ったの?

 体を起こす。すんなりと起き上がることができた。 

 見下ろす体に、傷はない。包帯だらけだったはずなのに。

 慌ててベッドから降りて、鏡を見る。

 ゆるやかに波打つ燃えるような赤い髪。深い緑色の瞳。……傷一つない白い肌。

 どういうこと? 理解が追いつかない。

 もしかしてあの事故が夢だったの? でもあの痛みを憶えている。夢にしては生々しすぎる。


 そこで響くノックの音。

 返事をすると、侍女のコニーが入室してきた。


「おはようございます、お嬢様」


「あ、ええ、おはよう」


 コニーが少しうれしそうな顔をする。挨拶を返しただけなのに。

 懐かしくさえ感じる、コニーの笑顔。ふわりと胸が温かくなった。


「コニー。その……私、事故の怪我から回復したのよね?」


「事故、ですか?」


「私、大怪我をしたでしょう?」


「……? 申し訳ありません、お嬢様が大怪我をなさったことはないかと思いますが……」


 やっぱりあの事故は夢だったの?

 それとも今夢を見ているの?

 わからない……どうしよう。


「お嬢様、体調がお悪いのですか? 今日から二年生という日ではありますが、無理せずお休みされたほうが……」


「……え?」


 今日から二年生?

 何を言っているの?

 私は王立学園の二年生の終わりの日、卒業記念パーティーで、星獣の契約者であるアンジェラをバルコニーから突き落としたと断罪されて……。


「あっ……、申し訳ございません、出過ぎたことを申し上げました」


「それは別にいいわ。コニー。今日は何年の何月何日?」


「? 今日は王国歴二五四年、四月五日でございます」


 たしかに、二年生になって初めての登校の日だわ。

 どうなっているの。

 まさか、過去に戻ったとでもいうの……!?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ